霞柱とお館様に注目すると、興味深いというか闇の深いところがある。と思う。
この記事の続きの、体癖分析を助走にしつつ、そこを目指して書いてみよう。
体癖ごとの姿勢の目安はこんな感じ。
甘露寺蜜璃・感情タイプ消化器型3種
鬼滅で3種はこの人だけなんじゃないかな?
典型的というか、戦隊ものの紅一点のごとく「らしさ」を強調されてる感がある。
いわゆる女性らしさの顕著な体癖だ。対して、いわゆる男性らしさの体癖は頭脳型1種。
ころころと感情が変わるムードメーカー、食いしん坊、柳腰で巨乳傾向、理屈は苦手。
パンケーキなど流行を好む。お館様のような権威も好む。
あと色には敏感なんだけど、服の形がおかしくても判らないってのも3種だとかww
右脳優位で、左脳的空間認識が弱いんだろね。鳴女戦はさぞ苦手なステージだったろうな。
感情タイプは戦うことを快としない。
最後の一撃のセリフは「いい加減にしてよぉ!」だったな・・・。
戦うのにうんざりしてくる。
恋柱は鬼殺隊のなかでも、鬼への私怨の過去がない。
恨みとか責任とか大義とか、そういうので力が出る体癖じゃないからな。
3種は、そういう生き方は向かない人なのだ。
感受性の中心は好き嫌いであり、鬼殺隊には恋人を見つけに来たと。
宇髄天元・思考タイプ頭脳型2種
派手柱は、派手さはポーズで、中身は意外と冷静で周りをよく見てる指揮官キャラなので、思考タイプかな。
注目ワードが「派手にハッキリ命の順序を決めている。まず嫁の三人、次に堅気の人間たち、そして俺」とすると、
こうと定めたことを遂行するとき力がでる体癖2種かな、と。
同じく2種の炭治郎には「判断が遅い」という欠点があり、派手柱にも同じ傾向があるはずだが、
あらかじめ優先順位を固めておくことで咄嗟のフリーズを防ぐというのは解決方法として成程見事と思う。
自分というシステムの操作方法を知ってるというか、そこは伊達に柱を名乗ってないわ、さすが。
家族と確執がある過去も、2種的といえるかもしれない。
嫁が三人はどうかと思うが、家族的結束を好む反面、家族でモメると人より辛いのかも。
伊黒小芭内・思考タイプ頭脳型2種
ネチネチしてる体癖ってなんだろ・・・?? 陰型、偶数体癖かな。
「日陰に行かないと鬼は出てこないぞ」とか好きな子へのアプローチが文通とか、論理的で生真面目。一族の業を負う。うーん、2種か?
座敷牢で育った過去は、劣悪な環境に耐えうる8種か?
小食は4種か?いや2種も俯きが過ぎると胃弱になりやすい。
決め手に欠けるな~。
しかし最終決戦の最中でも思考し続け、刀を強く握ることで赫刀を覚醒させたので、ひとまず頭脳型ということで。
2種で炭治郎と一緒とすれば、
炭治郎は先祖の恩徳に助けられた一方で、
伊黒は先祖の悪業に苦しむ、という表裏一体の対比なのかもな…。
家系で受け継がれるものにも分け難い禍福がある。
悲鳴嶼行冥・本能タイプ生殖器型10種
「何を今さら命など惜しもうか」というのは本能タイプの言葉。
身寄りのない子ども達の世話をするなどは、生殖器型の得意なことだ、
「例外はあったのだろう。」の直感の鋭さもそれっぽい。
で、9種か10種かとなると、
自爆するというお館様の意向を聞き入れるところで10種、とみた。
9種はそこで頷けないだろう。
体格が大きくなりやすいのも9種より10種だな。
お館様と同じ体癖なので、後任にもふさわしいのかも。
不死川実弥・感情タイプ呼吸器型6種
よくわからん、というか目のクセが気になり過ぎて表情が読みとれないww
粗暴なので本能タイプと見せかけて、そうでもない気がする。
柱合会議で「知性も理性も全くなさそうだったのにすごいきちんと喋りだしたぞ」っていう、
二面性、両面性、裏表があるのは呼吸器型なんじゃないかな?弟想いなのを隠してたり。
「消えてなくなるまで刻んでやらァァァ!」など、強い言葉を使ったり、語尾を伸ばしがちというのは6種・・・
えっ、6種? 自分の6種すこアンテナに全然ピンとこなかったわ。へー。
むしろ嫌いだったわ、禰豆子刺したんで!
6種は、根本に不安があるからその反動で強い言葉や態度を使う。そしてその言葉に自ら酔うことで大きく事を成す、という。
6種がオラついてる場合はそゆとこなー。7種と違ってナイーブな感じが見え隠れすんのよ。
不死川玄弥・本能タイプ生殖器型9種
初対面で感じ悪くて、デレると面倒見がいいというのは9種。
初対面では幼女をボコって印象サイアクだったけど(兄と同じやん!)
打ち解けてからは精神集中の方法を教えてくれたり。
栗花落カナヲ・感情タイプ消化器型4種
カナヲもなー。
最初のニコニコして感情を推し量れない感じは消化器型4種のようで、それはしのぶと同じでカナエのトレースのようでもある。
心のままに生きはじめて望むのものが「師範と稽古したいです」「仲間を大切にしていたら」など、人との繋がりであるのは感情タイプか。
「どうでもいいから、自分で決められないの」のように自分の気持ちは曖昧なんだけど、
そのぶん4種は、人の気持ちを感じ取る共感に長けているという。
じゃ「もう嘘ばっかりつかなくていいから、あなた何も感じないんでしょ」っていう、
童磨の内面を見抜いた鋭さはやっぱり4種的なものなのかな。
しかし、4種は内向的で感情が持続せず、怒りで力が出る体癖ではない。
「憎い!よくも!」というフィーリングで戦う気力が湧くのは、愛憎の9種10種だろう。
童磨戦では、9種体癖にスイッチして戦った、ということかな。
長めのモノローグは自分を鼓舞していたのかも。
伊之助の尻を叩いてお仕置きできるのも9種っぽい。厳しめの指導な。
4種と9種の複合体癖ってことで。
つまりカナヲは、カナエ似でもあり、しのぶ似でもあるのだろう。仲良し姉妹尊いか。
鬼勢はさくさくいこ。
珠世・1種か9種か。
逃れ者とか勝ち確まで潜むとか、回避行動や単独行動をとりがちなのは1種的だけど、(無惨と同じ行動パターンやん!)
執念深く「夫と子供を返せ」という動機は、愛憎の9種みたい。
愉史郎・9種。
敵か味方かの基準が、珠世か珠世以外かっていう極端さ。
百年後でも珠世の絵を描き続ける執着の強さも9種ぽい。
累、家族かくあるべし、というのは2種か。
厭夢、ニコニコしてて感情が読めないのは4種。
猗窩座・9種
注目ワード「守るものがないと駄目」で、武の真髄を究めんとする気質は9種。
敵味方の基準は、強いか弱いかだ。強い者には楽しげに話しかけ、弱者は即殺しにかかる。
堕姫と妓夫太郎・6種と2種
この兄妹は、炭治郎と禰豆子のダークサイドなので同じタイプであるはずだ。
心の闇、裏の本音を表現するキャラ。
妹が兄の背で寝ている炭治郎と禰豆子の反転で、
堕姫と妓夫太郎では、兄が妹の中で寝ている。
「老いず死なず美しい鬼は何をしてもいい!」「わーんいじめるよォ、お兄ちゃん、なんとかして!」
ハッタリとかまちょの6種、
「どうしてだ禍福は糾える縄の如しだろ!善いことも悪いことも代わる代わるに来いよ!でなけりゃ神も仏も殺してやる!」
かくあるべしと、世界がルール通りであることを望む2種。
堕姫と妓夫太郎が、惨い目にあったぶんだけ全力で世界を呪い、怒り、驕り、怨嗟をぶちまけ、互いを罵り合って仲違いするからこそ、
炭治郎と禰豆子はああも心の美しい兄妹であることができる、とも言える・・・。
あ、なんか解釈しててツライなこれ・・・。兄妹がダブるわ。
そりゃそうだよな。
妹の禰豆子と堕姫は、死ぬ目に遭わされ鬼に変えられて、
兄の炭治郎と妓夫太郎は、大事にしてた家族を奪われて、
あれくらいのこと言いたい気持ちもあるはずなんだ、ほんとは。
いやでも、鬼の兄妹もニコイチで仲がいいことはずっと本当だった。そこは救いだ。
堕姫と妓夫太郎が担ったダークサイド、それを描き越えていくから、奇麗事だけにならない重みや深みがあるのだ。
続けよう。
童磨もニコニコしてて感情が読めない4種。
他の鬼達に絡みにいったり、心のきれいな人を傍に置こうとしたり、人との繋がりを求める感情タイプだ。
黒死牟・本能タイプ泌尿器型8種。
弟に負けたくないあまりに、妻子を捨ててっていうのは8種の悪いとこが出ちゃってる感。考えなしで突飛な行動するっていう。
醜く変形した自分を見て心が折れるのも8種っぽい。
すごく粘り強いようでいて、他人からするとなんかよくわかんないポイントで突然ガクッときちゃう。
捻れ型、というのはウィークポイントを庇うために捻れている、という姿勢でもあるらしい。
えーとあと、玉壺とか半天狗とか誰得だしどーでもいいか。鳴女もわかんね。
しかしこうしてみると9種と2種が多いか。
自分の解釈の偏りもあるだろうし、復讐に向く気質もあるだろうが、
これは作者のワニ本人もそうなんじゃないか?
描きやすいタイプというか。キャラって作者の分身だから。
そこを基本にバリエーションをつけていくというか。
よし、じゃここから本題のホラ解釈をしよう。
時透無一郎・感情タイプ呼吸器型6種
時透有一郎・思考タイプ頭脳型1種
無一郎はここまでのように分析しようとすると、
確かに霞のようにとらえにくいキャラだ。
ボーッと上見て口あけて夢想するのは1種の仕草、
「正論だけど配慮に欠けて残酷」な面は兄のトレース、
記憶を失う前の、お兄ちゃん子であり、我を忘れて戦う激しさは6種、
玉壺を煽り散らかす口の悪さはなんだ、それも兄か。
炭治郎にはニッコニコで平隊員に塩対応なのは9種か6種か、
黒死牟戦で「役に立て!」という言葉で奮い立つのは、損得が感受性の6種かな。仲間の利益になろうとする。
命の瀬戸際を見るに6種か。
しかし無一郎というキャラの造詣は、
14歳という年齢、幼さ、人生経験の少なさを考慮する必要があると思う。
お館様はカリスマの強い10種で、1/F揺らぎという特殊な声をもつ。
「人の想いは不滅」ゆえに個の死を恐れず、悪鬼を滅殺せよ。
という思想を催眠的に浸透させる。
無一郎はお館様を父と慕う。
親を失い兄を失い、記憶を失っていた無一郎のふるまいは、兄に似ていたというモノローグがある。
主人格は傷ついて眠り、代わりに裏人格、サブ体癖が仕事をしているのだ。
兄の有一郎は1種、口は悪いが客観的だ。
しかし、頭でっかちの1種は批判精神旺盛なようでいて、
実は非常〜に、言葉による暗示にかかりやすい、という。
お館様の1/F揺らぎトークと、
相性が良過ぎるというか悪過ぎるというか、ハマり過ぎる。
しかも元々が1種というならまだしも、
死んだ兄であり、サブ体癖となると、
処理能力はどうしても表人格、主体癖に劣る。
縁壱人形の仕掛けに気がつかない一件とか。
幼さ、孤独、心的外傷、感受性の形、処理落ち。
無一郎は、誰より容易く術中に嵌まる条件が揃っている・・・。
お館様が自爆して自ら思想に殉じることで、更に浸透は強まり、
無一郎は手が千切れても足が千切れてもまだ戦う。
10種の影響力と、1種の被暗示気質と、6種の自滅傾向が、
こうも最悪に噛み合ってしまうのかっていう・・・。
四肢を欠損させながら尚も突撃する少年というのは、
主人公的熱血というにはあまりにも凄惨で、
ここはジャンプ読んでで、ものすごモヤモヤしたところだ。
なにかがおかしい。
14歳の少年を殉教や特攻に駆り立てるような思想は、
自分は大人として容認してはならないと思う。
お館様の思想がいくら崇高でも、人の想いは不滅でも、鬼は人の敵でも、死は終わりじゃなくても、
洗脳はダメだ!これを肯定する理由があってたまるか!
いくら無一郎が自分の意志だった幸せだったと主張しても、
暗示にかかってる人の言うことを鵜呑みにはできないよ・・・。
お館様は隊員に「私の子供達」と呼びかける。
確かに、幼い子は無条件に親を慕う。それは子どもの本能だ。
しかし、素直に言うことを聞くからって、
14歳を少年兵に仕立てたり、8歳の娘を自爆の偽装に使ったりしちゃいけん。
お館様のそういうとこだぞ。
そりゃ鬼狩りは異常者と言われるよ。
「腹が減ったから食う」の鬼の論理のほうがまだ解る。
捕食されるのと、催眠暗示で殉教、の二択だったら自分は前者がマシ。
食われるのは弱肉強食の摂理だし、自由意志は命より尊い。という人生観だからな。
だから無惨より、お館様のほうが怖いし、タチわりーなーって思う。
鬼殺隊はほんと考えれば考えるほどヤベーとこなんだよなあ。
二十歳そこそこの若いボスが少年を特攻させる組織とか怖すぎるわ。
墓参りするのに三日かかったという夥しい墓もだが最終選別も若者を死なせ過ぎるし、
無惨と鬼達より、産屋敷家のほうが多く人死にを出してやしませんかね・・・。
無一郎には、もう少し長く生きて欲しかった。
お館様に疑問をもって欲しかった。
お館様は洗脳はするが、逆らう者を強制はできない。気がつくだけで良かった。
死ぬなら、自分で見つけた何かのために死んで欲しかった、と思う。
自立に至らず、誰かの言葉に踊らされて死ぬのは、嫌だな。
うあー。闇が深いぃ
よし最後。
継国縁壱・天心
則天去私、野口晴哉のいうところの天心。
あそこまで行くともう体癖とかじゃなくなる。
道を究めたものが辿り着く無心の境地について語り、
様々に去来する感情を受け流し、ただ世界を美しいと感じている。
体癖があるってことは、ついついどーしてもクセがついてるとおりに心も体も動いてしまうってことだけど、
ものごとに対峙した瞬間、最適解を直感し、そのとおりに動けるというのは、
それは癖のないまっさらな、どのように動いても最大の力が出る心身であるということだ。
いつも生まれたばかりのように力が抜けて円満に整っている、そんな心と体。
まあ、あえていうなら人との繋がりを求めていく感情タイプではありそうだけど。4種か?
ありのままに与えられた生を生き、老い、死ぬ。
様々なキャラクターの生きざまを描きわけ、
人間の究極として、不老の無惨ではなく、縁壱のような人物を描けるというのは、
本当に非凡なことだと思う。
鬼滅の刃、傑作かよ。
作中で最も意識のレベルが低い童磨と、最も高い縁壱が、ともに4種体癖だというのも面白いな。
童磨は自分の死にすら思うところのない爬虫類並みの未発達さ、
縁壱は人生何周目?っていう達観。
共感能力の発達度合いは、体癖と関係ない。
縦軸と横軸みたいなものか。
今週のお題「雨の日の過ごし方」