以前、無職転生の主人公の内面が5種体癖そのもので面白い、という着眼点を持ってから、
なろう小説を読むとき、作者の思考回路は何種体癖だろうか、ということを考えるようになった。
思い立てば誰でもすぐ投稿できる小説家になろうサイトでは、
剣と魔法、異世界転生、チート無双、追放からのザマァ、悪役令嬢、婚約破棄などのテンプレがあって、
それを自分だったらどう展開させるかという大喜利合戦のような状態になっているので、
展開にしろキャラにしろ、作者の内面が粗削りなままの表現で露呈する。
ほぼ一人称視点なのもあるし。主人公=作者の一致率が高い。
もうね、ダダ洩れの脳内を考察し放題ですよ。
各種体癖の人が、世界とどう向き合い、世界に何を望むのか。
垣間見えるその感受性の形を興味深く拝察している。
ネットで読み放題のなろう小説に、体癖演習としての楽しみ方があったとはね。
では自分なりに忘備録も兼ねてレビューしてみたい。
1種体癖的なろう小説
婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ【Web版】 作者:山崎 響 / Spa-ox
https://ncode.syosetu.com/n5577es/1/
★★★★★ 星5評価。
婚約破棄ざまぁ系。
ちょっとブラックなコメディでめっちゃ笑える。ホームアローンとか思い出す感じ。
婚約破棄からの投獄コンボはテンプレだが、
このヒロインはこれ幸いと地下牢を快適な生活空間に改造し、
牢の中から、手勢にあれこれと指示を出し情報戦を制していく。
そういう、直接自分が動くことなく、俯瞰的に盤面を見渡すことを快とするのは、
1種体癖だ。こういう相手をおちょくる1種の人、親戚にいるなあ。
孤独を好み、恋愛とか他者への興味や共感に乏しいサイコパス感、美人でも地味~な外見、というのも1種的だなーと思った。(巨乳は違うけど)
読書や執筆が得意で、あと眠ることがとにかく好きなのもそうだな~。
頭脳型は睡眠が足りてないと途端にダメになる。
1種2種頭脳型はラブい展開も苦手だし、チートは好きでも面倒事は嫌いだ。
推理ジャンルで常にランキング1位の
https://ncode.syosetu.com/n9636x/
とかも1種っぽい主人公と展開だ。★★★★☆ 星4。
人間関係の面倒を避け、地味を装い、マッドサイエンティスト気味の、一人で知的興味を追求するのが至福の主人公。うん、それは1種。
相方は6種かな。演技派で多面的で言葉で人を動かすタイプ。
引きこもりスローライフを欲するのは1種の気質っぽいよね。
2種体癖的なろう小説
もう、いいでしょう。作者:綾瀬紗葵
https://ncode.syosetu.com/n4435dj/
★★★☆☆ 星3評価
婚約破棄断罪系。
毀誉褒貶が頭脳型の感受性だ。
ラブやざまぁより、因果応報、罪と等価の罰を与えよう、登場人物に等分に紙幅を割こう、という公平さ・客観性・生真面目さが出てて、読み心地は陰鬱。
各章のタイトルのつけかたからして顕著に2種的だと思う。
皇女皇帝側室将軍宰相騎士、親と子などの役割ありきでキャラを造詣し、
その役、その地位、それにふさわしい責任を果たさないものを悪とする。
役目のある者には厳しく、目下や子どもには優しい。すごく炭治郎ですね。責任感の権化。
これこれ。こういう叫びに最も魂がこもるのが2種というか。
で、良くも悪くも家族がテーマになりがち。
誰より家族的結束を好む一方で、不仲だと苦しみもまた大きいということのようだ。
断罪の基準が神というのがどうにも気になったけど、
加護と呪いの表裏一体、贄を召すなど、メリットとデメリットがあるらしい描写は悪くないなと思う。
意思疎通を言語に尽くせる程度の神、怒りや感情があるレベルの人格神というのは、神格がそこまで高くないことをうかがわせる。
そういう神様を使役するのは、ハイリターンかつハイリスクなことなのだ。
で、似た傾向の作品でもう少し考えてみたんだけど。
自由気ままな精霊姫 作者:めざし
https://ncode.syosetu.com/n8614gq/
★★★★☆ 星4
これも婚約破棄が導入だが、やたらに断罪が苛烈でざまぁの域をこえてる。
少女への虐待の代償に国ひとつ更地にするのでは天秤が釣り合ってないはずだが、
しかしそこに精霊や自然の摂理という、人間より上位の基準を持ち込めば帳尻があってるというロジックは興味深い。
2種は夢と現実の境が無いというが。
神や精霊という、当人にだけ認識できる存在、他者からすれば夢や妄想のような存在。
人の倫理、人の常識、人道よりも、彼らのルールを順守する。
人ならざるもの、この世ならざるものの基準によって裁きを実行するという発想、
それは2種の思考回路かもな~、と思った。
2種さぁ…、それがルールだったらやっちゃう、みたいなとこあるよね…。
いやフツーそれはしないだろっていう感情的なブレーキがポンコツなことある。
悪くするとマニュアル人間、ルール遂行がすべてに優先する無情マシーンになるタイプ。
主人公は引きこもりがちでよく寝るし、頭脳型は寝起きイチャイチャ系のシチュが書きやすいのかも。
あと執事役とメイドの出番が多いのも、2種的で書きやすいキャラだからじゃないかな。職務忠実系。
この作品は、精霊女王の描写が元型的な混沌の女神の性格というか、
気まぐれに豊穣と破壊、生と死をもたらす、自然そのものの神格化だと感じられた。
精神体と肉体についての含蓄も頷ける。
世界の在り方について公平で高い視点をもつ一方で、
残虐に人間をすり潰して愉悦する感性は、2種よりは1種みかもな。
研究所とかマッドサイエンティストっぽいとそんな気がしてくる。
3種体癖的なろう小説
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…作者:山口悟
https://ncode.syosetu.com/n5040ce/
★★★★★ 星5評価
悪役令嬢系では唯一の出世作か。アニメ1期にはたいへん癒された。
典型的3種体癖の見本。愛され体質の食いしん坊のポンコツ主人公。
そのムードにはもれなく読者も魅了されること請け合い。
3種は人当たり、場当たり的対処は最も優れるが、長期的展望をもつのは苦手。
なろう小説の先も展開があるけど、拉致されるが犯人を魅了することで解決、というワンパターンしかない。
左右型の思考回路では、三角関係とか陰謀とかバトル展開とかは快じゃない、書けないんだろうなー、と思う。
右にやって左にやってヨシ!という雑な発想はなんとも左右型って感じがするw
まあ、主人公は無自覚だけど、攻略される人たちの内面でなにかが解決されて救われていく描写はベタなりにテンポよく爽快で、読み心地の明るさにも3種感があると思う。
友情エンドでわいわいちやほやが好き、という人間関係の築き方とかもすごい3種。
子どもみたいなんだよな。
子どもがいると家庭がパッと明るくなって、あぶなかしくて皆目が離せないけどなんだかんだ癒されてる。みたいな。
4種体癖的なろう小説
真実の愛を見つけたと言われて婚約破棄されたので、復縁を迫られても今さらもう遅いです!作者:彩戸ゆめ
https://ncode.syosetu.com/n4616go/
★★★★☆ 星4評価
婚約破棄ものというテンプレを確立させた作品のひとつかな?時期的に。
婚約破棄される主人公令嬢は、妃教育というものを受けているのもテンプレなのだが、
その教育方針、感情をあらわにすることなく常に優雅な微笑みをうかべているように、というのは、4種らしさが理想像・・・ってコト? へ~。
この作品は恋愛ものかと思いきや、後半がサスペンス展開なのだが、
十年がかりの恨みつらみを清算する場面があり、その陰隠滅滅とした復讐の雰囲気はまさに4種と思わせる。
4種の感情は固まらないプリンとか言われるが、
いつも穏やかな4種は怒るべき時に怒ることができず、
内部に滞った感情は何年経っても発散されずにぐるぐるどろどろしている、という。
ゆるふわは表で、ヘビのよーに陰湿で執念深い裏面もある、みたいな。
10種も怒るのが苦手な体癖だが、忘れっぽいもんな。
9種なら、十年どころか五十年でも怒りをそのまま抱えているが、発散するときは陽型の印象になるだろう。ザクっと刺してスカッとみたいな。血を見る展開。
この作品の、ちくちくしたイヤミはてんこもりだが暴力は無しの断罪劇というのは、闘争に快がない左右型っぽいなあと思う。
のらくらと言い逃れようとする悪役が、その場しのぎ力の3種っぽいのも、
4種と左右型の裏表みたいで興味深いところ。
ちな、もし左右型が暴力に訴えるときは、物を投げるという行動になりがちだという。
夫婦喧嘩になると皿を投げてくる奥様、とか本にあったな。
7種ならパンチ、8種ならキック、5種なら肩からタックル、6種なら人の襟首を掴む、9種なら腰の入った刺突。みたいに、咄嗟にでやすい攻撃のパターンというものがある。
5種体癖的なろう小説
無職転生 - 異世界行ったら本気だす - 作者:理不尽な孫の手
https://ncode.syosetu.com/n9669bk/
★★★★★ 星5評価
これは過去記事参照。
キャラクターの多彩さという点で、なろう界隈ではトップだと思う。
ほぼすべての体癖のキャラが登場し、その内面に説得力がある。
やっぱ5種は周囲の人間模様をよく観察してる人なんだろうな。
察し力、空気読み力、コミュ力おばけ。
しかし、陰型偶数型である2種や8種の小説が陰気とか暗い雰囲気なのは判るが、
呼吸器型の陰陽、5種と6種だと、これは比較して5種の書く小説の方がウジウジして陰気である気がして、大変面白い。
多分それは書き物への適性ではないか、と推測する。
前のめりで行動的な5種体癖は、じっとして机にかじりついてると、だんだん不安が増大するのでは無かろうか。
前のめりが過ぎて、俯いて肩を落とすような心持ちになるというか。
6種は室内に独りで、じっと机に向かってても大丈夫だ。
前後にぐらぐら体を動かし、不安を言葉に変換し、昇華していける。
5種の物書きには、取材ありきの旅行記とかレポートのほうが向きではありそう。
6種体癖的なろう小説
これがなろうで最もよく見るパターンではないだろうか。
転生系はそもそも前提として、一人の人物に前世人格と現地人格があることになるので、その裏表の激しさ、両面性が必然的に6種っぽさになるし、
恋愛面でも、特定の人物と緊密な関係性を築くのは6種の得意分野だからだと思う。
異世界恋愛系は、どこかしら6種的な感じがしてくると言っても過言ではない。
お前みたいなヒロインがいてたまるか! 作者:白猫
https://ncode.syosetu.com/n3059ch/
★★★☆☆ 星3評価
乙女ゲーム転生、悪役令嬢破滅回避系。
主人公の内面や行動パターンがものすごく6種体癖で興味深かった。
6種体癖というのは、ボケて突っ込まれると幸せというか、人を振り回して楽しむ。
誰かと密な関係を築くのが得意であると同時に、一匹狼であることも好む。
オラついてハッタリをかます、すぐ虚勢を張るけれど、実は戦うことが快ではない。
「オラわくわくすっぞ」みたいな興奮や高揚、戦うことで得られる達成が無いんだな。
退けるときは退くし、戦うしかない時はバーサク特攻モードになる。自己犠牲で自爆する悲壮感しかないというか。
波乱が起きそうな不穏な空気を醸しだすのは巧いのに、直接対決やバトル展開を避けるので、読む方は肩透かしを食らった気になる。
不穏な空気→人を動かす→示威行動→一抹の不安、みたいなパターンが繰り返し、
あーもーいい加減タイマンで殴り合ってスカッとさせろやぁぁ!っていう欲求不満になった(7種的感想)
6種めんどくさい。でも好きなの悔しいww
ああ、悪役令嬢ものの元祖のひとつと言われている、
謙虚、堅実をモットーに生きております! 作者:ひよこのケーキ
https://ncode.syosetu.com/n4029bs/
っていう作品と設定が良く似てるんだけど、
謙虚堅実がエタってしまった問題をうまく回避して完結してるので、そこはひとつ消化不良が解決されたような気がしている。
三角関係のドツボにハマらないように、カップリングは初志貫徹のやつを用意しとけってことだな。
あにてんシリーズ:内河弘児
https://ncode.syosetu.com/s4066g/
★★★☆☆ 星3評価
悪役令嬢破滅回避もの、で令嬢の兄が転生者のパターン。
兄が乙女ゲームの攻略対象(男)をオトしていくので、絵面がBL なのが目新しさ。
6種体癖は看病とか子守りとか誰かのミスのフォローとかさせると、とても甲斐甲斐しくて気が利くところがある。
また逆に、構われたいがためにヒステリー的な体調不良をおこす。
看病というシチュエーションが好きなのは、
すごーく6種的な思考回路で6種的な展開といえると思う。
悪役令嬢ですが攻略対象の様子が異常すぎる 作者:稲井田そう
https://ncode.syosetu.com/n1080es/
★★★☆☆ 星3評価
6種は拗らせるとヤンデレを発症するが、
これはヒロイン以外全員ヤンデレの狂気の世界でスリル満点だった。
世界の殺意が高すぎる。アムネシアかよ
ひとつ間違えば即ゲームオーバーの世界というのは6種がもつ破滅願望の世界観なんだろうな。不安が大きく悪夢を見がちだという心の様子が伝わる。
6種には好きな人と二人っきりの世界がほしい、という願望や独占欲がある。
「美しい君を他の男に見せたくない」「僕しか見えないように閉じ込めてしまいたい」
とか、そーゆーよーなことを言いだすのはだいたい6種とみて間違いない。
すーぐ監禁を画策するが、やや実行力に欠けるところをついて回避可能なのも妙にリアルで面白かった。
ただマルチエンディングは認めない派なのでそこは不満。
7種的なろう小説
屋根裏部屋の公爵夫人 作者:もり
https://ncode.syosetu.com/n9587ek/
★★★★☆ 星4評価
これは何系なのか、あえて言うならチート開拓系か。
闘争が快、ずっと戦うことを求める展開は7種気質の書き手によるものだと思う。
主人公も基本的に喧嘩腰、カッとすると口より先に手が出てる。怒りながら仕事するとめっちゃ捗る。相手が王様でも余裕で殴れる度胸。脳筋戦闘民族の7種体癖でしかなくて草なんだ。
女性がパートナーに、共に戦える相手であること、同格の相手を望むというのも珍しかった。
なろう恋愛は、王子とか溺愛とか、高い地位の者に愛され守られたい願望が圧倒的大多数だからな。
自らが力をつけ、身内認定したもの、慕ってくる者の面倒を見ようとする、親分な気質。
10種体癖も親分なんだけど、忘れっぽいというか身内にしてしまった者、取り込み終わった者への興味が薄れがちなところ、
7種、屋根裏の侯爵夫人は、そいつ誰だったっけ?っていうモブみたいなキャラを助けに奔走する展開がある。
一度懐に入れた者のことは忘れない、そういう情に厚い親分な気質なんだなと思った。いやこの場合は姐御か。
悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました 作者:永瀬さらさ
https://ncode.syosetu.com/n2766dz/
★★★★★ 星5評価
これも姐御系主人公で、熱血王道展開がすごく面白くてオススメできる。
主人公と展開を貫く感受性が勝ち負け。負けたくない、勝つ!という気持ちで積極性をおしだし、子分を率いてバトる。
好敵手と戦って成長し、勝ってなにかを獲得していく。少年漫画の精神だ。
勝気な7種女性はかわいげがない、というコンプレックスを抱きがちなのも伝わってくる。守られるより守りたい、頼るより頼られたいタイプだからなー。
恋の相手である魔王は6種かな。
オカルト的にもちらほら玄人感のある描写が頷ける良作。
魔王の在り方、神の如き力をもつと、世界を壊さないために感情から遠ざからなくてはいけない、その葛藤。
精神と肉体と魂の三位一体を揃えれば、死者蘇生は禁忌でなく、成功するとか。
8種的なろう小説
目的は生き延びること 作者:大菊小菊
https://ncode.syosetu.com/n4201gx/
こっちは令嬢巻き戻り破滅回避系。
煤まみれの騎士 作者:美浜ヨシヒコ
https://ncode.syosetu.com/n3511hb/
こっちは追放系かな。
★★★☆☆ ともに星3かな・・・
どっちも、もうタイトルからして8種が漂っている。なろうらしくない。
流行りに乗らない頑固さ。
下半身の粘り強さは、フットワークの重さ、ノリの悪さってことでもありそう。
煤まみれとかの不潔や劣悪な環境に耐えるのが得意みたいな。
で内容としては、
いわゆる不遇パートというものはざまぁのための下拵え、
ストレスはスカッと展開をより爽快にするバネなわけだが、
その不遇パートがやけに長いっていうか、不遇にひたすら耐え忍ぶことが主題みたいになってくると、さては貴様8種体癖だな、と思う。
読み心地はシリアスというか陰気。
魔法もなくチートもなく、軽んじられ傷つけられ大切な人を失い、
それでもひたすら地道に誠実にやっていく先に光明があるはずと信じている。
というか信じさせてお願いぃと読んでる方が先に音を上げそうになる。
ハピエンのフラグさえ無くても平気そうで、報酬や結果が無くても頑張れる。
なんていうかもう耐えるために耐えているとしか言いようのない何か。マゾい。
どっちの小説も、8種はそういう世界観を持ってるんだなーと伝わってくる。
そしてそんな割に残酷耐性が高いというか、
人死にの描写が苛烈なところはやはり捻れ型だ。闘争に快あり。凄味あり。
ざまぁや覚醒までがすごい遠い感性は、
転生チートで楽して無双、というなろうメンタルとは水と油だけど、
それでもそれなりに高評価の作品もできるというのは、
10種類の体癖の、どの感性にも一定の需要があるというか、
何種であろうとモノは書けるし、またそれを受け入れ喜ぶ読者が必ずいるってことかな。
万人に認められ愛される完璧人間など有り得ず、
人間は相性で、補い合って生きてるってことなんだろうね。
9種体癖的なろう小説
https://ncode.syosetu.com/n2267be/
★★★★☆ 星4評価
同じ人生を何度も周回するようなループ系は9種の気質がないと耐えられない。
なろうで死に戻りループといえばリゼロだろ、と思って原作を読んでみたのだが、
これ、初っ端から主人公スバルもヒロインのエミリアも全開の9種体癖だわ。
直感的な決断力、懐に入れた者への面倒見のよさ、人の意見を聞けなくて自分の思ったとおりにしかできない気質、集中力、反射スピードの速さ、執着の強さ、勘の良さ。寝起きの良さとかw
あと、なんていうかコミュニケーションの唐突さ?
途中からスバルがインディアンスのきむで脳内再生されて困ったww
ツッコミもボケもキレキレで喋りまくるんだけど、
なんかこう一方的というか。相手の気持ちの推移を待てないというか。
共感というか気持ちのキャッチボールはヘタなんだなーっていう。
エミリアもスバルも9種、同じ体癖なので、
途中からヒロインがレムに交代した成り行きに納得した。
同じタイプどうしっていうのは相性がいまひとつ・・・というか両方とも作者自身の投影、分身のキャラってことかな。レムは2種っぽい。
あとごめん、リゼロは自分と感性が合わなくて読むの挫折してる。
10種体癖的なろう小説
転生したらスライムだった件 作者:伏瀬
https://ncode.syosetu.com/n6316bn/
★★★★★ 星5評価
これ体癖視点でみると、ものすごくいかにも良くも悪くも10種だ。
リムルの良いところは寛容で鷹揚、
君臨すれども統治せずで各々の裁量に任せ、最も子どもの才を伸ばしてやれる親。
百人でも千人でも国まるごとでも受け入れる度量の広さは、10種でしか成し得ないと思う。
が、一方で短所としては、子の自立やプライベート、プライバシーに無頓着だ。
ベニマルの結婚はまだしも、シオンの復活はよく考えるとちょっとどうかとも思う。
死ぬ、という究極をもってさえリムルの手の内から出られないのかという恐ろしさもあるのだ。
ラスボスさえ未熟な子どもと見做して呑み込み受け入れてしまうわけで。
作中のリムルの眷属は、全員リムル様マンセーで忠誠MAXイエスマンだけど、
リアルだったら絶対反乱分子や新興勢力がでてくるからね。
それはそれとして、
10種の世界観には遠大なロマンがあり、異世界という設定を与えると最もイキイキと想像の翼が広がっていく感がある。
国、種族、神話的な世界の成り立ち、次元を超える描写、どれも素晴らしく読みごたえがあった。
世界がどんどん広がってインフレしていく感じっていうと、
魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ 作者:秋
https://ncode.syosetu.com/n1578dx/
これとかも10種っぽいな。★★★★☆ 途中で挫折したから星4で。
学園、地底世界、天上世界、夢の世界、別次元世界へとどんどんステージがインフレしていく。その割に破綻なく面白い。
直観に優れた10種は、この世界の真実や法則みたいなものを肌で感じ、それを表現におとしこむことができるんだろう。魔法とか必殺技の設定の痺れる憧れるカッコよさが異常。
転スラもアノスも魔王を自称するあたり、
なんていうか10種の感受性のダークサイドを自覚してるというか。
その露悪感はイイよね。自身の欠点を認め受け入れ、表現に昇華してるというか。
さて、
あとそうだな。
体癖うんぬん関係なく面白かったのはこれ。
★★★★★星5
ガリ勉地味萌え令嬢は、俺様王子などお呼びでない 作者: 鶏冠 勇真
https://ncode.syosetu.com/n9289fr/
これすっごいテンプレへの逆張りが効きつつ、
ラブがコメディでバトル展開も妥当でバランスよく面白かった~。
なろうテンプレに慣れたり飽きたりしてきたころに読むと最高。
そう、俺様系王子はリアルだとイタイよね。二次元だから許される属性だよね。
っていうのがそこまで面白い言い回しになるのかっていう漫才的ツッコミセンスの勝利。金髪碧眼を掃いて捨てるな。
9種ヒロインと1種ヒーロー、かな。
周囲と違う感性を貫くヒロイン、ややコミュニケーションが唐突だし、好き嫌いもハッキリしてる。
地味モヤシながら独創的で知略が得意なヒーロー。ついでに恋愛オンチ。
9種と1種はなるほど、権力や人間関係の序列に興味のない感性だな。
王子様とか、隣国の王位継承者とか、継承を辞退した元王子とか、
なろう恋愛は呆れるほど、より地位の高い男性が好きだが。
権威に対する態度にも体癖は影響しそう。
1種8種は権威や序列を煙たがり遠ざかる。
2種は権威や序列に尽くす。
3種4種は権威に守られたがる。
5種は権威を利用する。6種は権威を揺るがしたがる。
7種と10種は序列の上位を望む。
みたいな?
あとこの
悪役令嬢の中の人〜断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします〜 - pixivコミック
とか、
最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える|無料漫画(まんが)ならピッコマ|やもりちゃん じゃき
は、コミカライズの絵がたいへんよろしい。
悪役令嬢の中の人、の顔芸は絶品。
しっかし、100や200作品読んだところで、
日々新作が投稿され続けるなろう界隈ではニワカでしかないのであった。
魔境だなあ~。
この記事、納得いくまで加筆修正を繰り返してるので良かったらまたどうぞ。
参考文献
体癖ガチりたい人はAmazonでなく、公式サイトに野口晴哉の著書がある。
今週のお題「本棚の中身」