ようやく観にいけた!モノノ怪!火鼠!!
なんかめっちゃスッと入ってきたな??
慣れた??
と思ったけど割とそんな感想の人も多かったようだ。
唐傘の方が込み入ってるというか、情報多くて忙しかったというか。
火鼠は初見でもストーリーも画面も分かりやすかった。
監督の体制が変わったらしいが、中村監督の話作りが難解なのかもね・・・。
でもまあ期待した謎解き部分はほぼ全部三章「蛇神」に先送りだなこりゃw
溝呂木司祭のぐぬぬ顔だけではなんもわからんてwwぐぬぬ顔はメシウマだったけどww
大奥といえば定番のお世継ぎ問題の回だった。
天子の寵愛を一身に受けるフキが懐妊するが
身分が低く後ろ盾がないため
暗殺未遂されまくるところに
モノノ怪「火鼠」が現れて
出産を妨げる者どもを焼身刑に処しまくる
という。
まあ、妊婦に毒盛るよーな輩は天罰覿面やっちまいな!
と、むしろモノノ怪を応援する気持ちになったことは認めるw
結局何人処したんだ?女中、僧、典医、勝沼マツ父子・大友父、6人か。
まあまあの人数やな。
相変わらず薬売りさんは後手後手で、人よりもむしろモノノ怪を救いにきてるよーなとこあるよなー。モノノ怪の仕返しがぜーんぶ済んでから斬るっていうw
登場人物もやや多かったけど、各人のテーマカラーが印象的だったり親子は同系色だったりで、視覚的に整理されてて助かった。
今回は公式でネタバレオッケー動画とかも公開されたので(もちろん書き込んだw)
なんかもうわざわざ個人的にブログ書くほどでもないかなとは思いつつ。
ただまあ、
このブログの過去記事で注目してきた文脈からいうと、
ayakashi化猫で
タマキは反抗することさえ思いつかず男どもに搾取される女(いわば幼児期
座敷童で
志乃は母になることを決意するが、人を見る目が無く孤立無援(反抗期の家出娘
海坊主で
ホストみたいな顔だけクズ男になんもかも貢いでしまうぴえん女子お庸(愛情不足からのメンヘラ期
のっぺらぼうで
お蝶は母親の支配と抑圧への気づき(自立の萌芽
鵺で
今までと逆に男どもを捕えて食い物にする女(男への復讐
大正化猫で
節子はモダンガールにして新聞記者、男社会で男と渡り合い、しかし女中のような女を見下す(男性像との同一化
みたいに、女性像のもつ意識が段階的に進んでいくのを観ていくことができた。と思う。
その延長として唐傘と火鼠も観ていくことができそうだ。
大奥、というのは女の職場、女の社会だ。
大奥もある意味密室ではあるんだけど、そこはやはり社会であり、
今までのようななんでも証拠隠滅で済んでしまう家庭的密室でなく、多数の人の関りによって外に開かれた場って感じがする。
女中もお中臈も、家庭でなく組織で働く女、滅私して公に仕える意識を求められている。
そこでカメのように、男性に愛される女、妻、国母、子の母としての道か
アサのように、自分自身の能力を活かして組織を運営する側になる道か
というふたつのルートが提示され、
子の母となるカメルートの先にフキがいて
バリキャリのアサルートの先にボタンがいる
と配置されてるともみてとれる。
まあ、カメはそもそも大奥勤めに向いてなかったのでリリースされたが。
てかアサも今回特に出番っていう出番はなかったな。
で、
モノノ怪シリーズ全体を男対女の構図で俯瞰したときに、
今回火鼠で特筆すべきと思ったのは、
フキとボタンのどちらもが己の父親と対峙し、しかも己の主張を通したのだ。
びっくりした。精神的自立ここに成れり・・・!
という喝采を贈りたい。
今までずーっと、男たちが権力とか暴力とか男尊女卑な価値観とかで女たちを虐げるから、
女はモノノ怪と結託して、
この世ならざる力、魔なる力でもってそういうものに対抗するっていうのが物語の根幹にあったわけだが。
フキはモノノ怪に依り憑かれてはいた。
それはフキと同じ境遇だったスズ、
後ろ盾がないまま妊娠し、堕胎を求められ、それに応じてしまった激しい自責の情念のモノノ怪だった。
スズもまた男達に裏切られ屈した女だった。泣いた。
しかし、フキはスズとは違ったよな。
フキもスズも、
大広間で父親と面会する。
どちらの父もくたびれた様子で、出世を望んだが身の丈に合わぬ境遇に苦労してるのが伺える。
娘を大奥に入れて家を盛り立てたはよいが、天子の後ろ盾になれるほどの政治力がない。
だから、望まれぬ子を堕胎せよと娘に迫る。
そこでスズは、自分の心身や腹の子よりも父や家を優先してしまう。
自己犠牲の選択をし、自責と後悔からモノノ怪に成ってしまう。
そうなんよ、自己犠牲は一見美しいようでいて、
自分で自分を傷つけ貶め、加害者に加担して自傷自虐キモチイイになってることあるんよ・・・。
エネmeとかいったか。
引用
自分が自分の敵(エネミー)になってしまっている、自分で自分に害をなしている心理的状況。 相手(典型的には家族や義父母)の理不尽な要求や責任転嫁などに対しても、自分が不甲斐ないせいだ、受け入れるのが務めだ、嫌だと思うことはいけないことだ、などと考えてしまい、自分が負担を引き受ける形で場を収めようとしてしまう傾向。
これほんとによくある話、よく見る心理で、
女の人ってなんかそういうことになりがち。特に結婚適齢期とかの若い頃。
なんなのかね、ホルモンがそうさせるのかもしれんね。
そうでもないと子育てなんてできないから遺伝子と本能にそうプログラムされてるのかもしらん。
あるいは
親の言う通りが良い子の条件で、自己決定を許されずに育てられるとそうなる。
自分の心身はイヤだと訴えるのに、
親を疑うこと逆らうことに罪悪感があって板挟みになってしまう。激しい葛藤になる。
「毒親」という概念を与えて、親を絶対じゃなくて客体化して見るステップが要る。
このドロ沼の心理から脱するのが
お蝶の名言「かかさま聞いて・・・」からの「バッカみたい」の吐き捨てのとこだ。
庇護を求め縋り、あるいは親を哀れに思って身を粉にして尽くしても。
かえってくるのは裏切りばかり。
そらそうよ。そんなもん。
自分で自分を粗末に扱ってたら、
他人も「こいつは粗末に扱っていいヤツなんだ」としか思わんの。
だんだん雑に、都合のいい駒か奴隷のように扱われるようになる。
まず自分で自分を大事にしないと、
誰も自分を大事にしてくんない。
それは当たり前の話なのだ。
そこをわからないで盲目的に尽くしてる自分を
「バッカみたい」というのは、
不毛な関係性を客観視できるようになってる。
あるいは「許せない」もそう。
唯々諾々と従って大事なものを失った。
でも許せないのは親でなく、自分の愚かさであるというのも、
ただ親を恨む、からは一歩進んでいる。
人のせいにしないで、
関係性における自主性のほうにフォーカスしている。
自分の思う通りにすれば良かったと、親と戦えば良かったと、
火鼠が胎児を守り加害者を焼くのはそういう情念かもしれない。
で、
お蝶やスズの物語はそこで終わるのだが、
父母が生きてりゃ、対峙するタイミングがくる。見解や立場が対立することもある。
親離れして、ひとりの意志ある成人としてそれを通せるか、
それがフキとボタンの物語だった。
フキは、娘を案じる父に「私も子を案じている、おんなじですね」
ニカッていう大変魅力的な素の笑顔で自分の意思を通す。
それはすぐキャンキャンいうて人に噛みついてた攻撃的で臆病な態度から、
一皮も二皮も剥けて成熟した大人の器量が伺える。
座敷童でも母子という同じテーマを扱っていたが、
志乃は、産んで育てるという決意は固いが、その算段がない。
女将の言うとおり、意地だけで現実が見えていない甘いところがあるままだった。
しかしフキでは、
ラストでみずから他家に後見人を頼みに行き、その際に対等な交渉もしている。
子どもを守り育てるために他者と協調していく、
人間集団の中でイニシアティブをもつ、
そういうことができるようになっていた。
バチバチやってたボタンともそれなりの関係を築く態度がみえた。
このカーチャンすでにめっちゃ頼もしいやん!って感じがしている。
で、
バリキャリ指向のボタンのほうでも、
表の政治を取り仕切る老中の父がいて、
その父は身分の低いフキの子は国を乱すから要らぬと暗に言い。
娘のボタンは大奥取締役として守るべきは生まれてくる子であるとそういう職業意識をもってて、
まあ、どっちも一理あるので正しさとかではないのだが、
とにかく、信念が対立するっていう状況になる。
そこで父親は当然父権として娘を従えるものと思っているわけだが、
ボタンは一度は動揺するが、混乱の渦中で覚悟ガンギマリ。
父を恐れず、しっかりはっきりきっぱり自分の意見を通す。
いや~偉い。
ボタンくらい意識が覚醒したら、
もうすべてを自分の選択の結果、自分の責任として引き受けて生きられるから、
祟りなす情念のモノノ怪の力、ケの力、病んだ力なんて要らなくなるね・・・!
それはとてもすこやかな、病まない心のありさまなのだ。
素晴らしいな~真に強い女に成長してくのかっこいいな~
やっぱ決意とか覚悟から、
まず自分の心を変えるとこから目の前の現実を変えていけるよな〜
と思って、素直に感動して見られた火鼠であった。
いやしかし投げっぱなしの謎が多すぎるな・・・。
まあ、次の蛇神を楽しみにしよう。
そういえば次のヒロインは誰になるんだってーと
天子の母、水光院さまなのかな~?
カメアサの美少女、フキボタンの美女から
水光院の美老女の物語になるのか・・・?老女メインで絵面はもつのか・・・?
まあ、榊原良子めっちゃ美声だし、どんだけ出番多くても俺得でしかないけど。
国母となり、母としても組織の長としても最高位に上り詰めた女っていうのは、
どういう心のドラマを展開するのだろう。
ボーっとして無関心そうな天子の様子からすると、
なんか子育て失敗してそうな、イヤ~な感じしてるけどな。
まあ、閨で妻と口きいても文をやってもいけないなんつー非人間的な関係を強いられ、
ヤッてりゃいい種馬扱いされてたら、
男もやる気なくして無気力になる気持ちもわかるけどね・・・。
