「君たちはどう生きるか」が金曜ロードショーにくるぞ~
5/2(金)21:00~
DVD持ってるけど、リアタイしよっかどうしよかな~
2週連続ジブリ
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) 2025年4月18日
そして『君たちはどう生きるか』は初放送!
いろいろと特番や特集もあるので
スケジュールにまとめたよ🗓️
今から色々楽しみ!チェックしてみてね🌱https://t.co/rGcJVepeqN pic.twitter.com/CgN68eqqcN
というわけでまず、
原作というか元ネタといわれる「失われたものたちの本」の感想でも書いとくかなと。
宮崎駿の心には刺さったらしいが、
いやこれはなかなかひどい、しかも救いのない話だな、と自分は思った。
テーマの提示や内面の開示のとこまでは興味深く書けているのに、
それらを昇華するターンがないので、メリーバッドエンドにしか辿りつけなかったんだな・・・
ハピエン厨なのでこういう本を読むと消化不良になる~。
というのが結論だが、まあ順に書いてみようか。
ここは解釈するブログなので、ネタバレありまくり注意。
グロ注意なのは原典準拠なのであしからず。
なんか、元ネタといわれるあらすじとしては、
母の死、戦時下、再婚する父、ノスタルジックな古いお屋敷への疎開、新しい家庭に馴染めない、
行き詰った現実から逃避するようにもうひとつの世界へ、
っていう導入の構成とか同じだったかなと。
「失われたもののたちの本」の舞台はイギリスだけど。
で、そのもうひとつの世界っていうのが、
「君たちはどう生きるか」では母のいる国、黄泉の国、やや日本神話的な世界って感じなんだけど
「失われたもののたちの本」では、エロ増しグロ盛りのおとぎの国っていうか。
なんと説明すべきか、
そーいや日本でも1998年~2000年あたりで
「本当は恐ろしいグリム童話」という一冊から関連本が色々派生してブームになったことがあるのだが、(割と読んだ)
あんな感じのエログロで殺伐とした二次創作の世界というか。
その後のボカロ界隈でもそういう闇深系童話はよく扱われた題材なので
そういう世界観には馴染みがあり過ぎたのだが。
VOCALOID空想童話曲リンク なんてタグもあったな。懐かしい。
絵本『人柱アリス』手描きPV 【VOCALOID】 - YouTubeとか
暗黒童話Pなんつー名をおくられたボカロPもいたっけ。
閑話休題、
まあ、そういう系に慣れがあるのは読み手の世代と環境なんでアレだが、
おとぎ話から童心を引いて、エロとグロを足して、
ハピエンでメデタシな世界をわざわざ壊して、
バドエンだったことにして真実を暴いたような気がしてるっていうのは、
幼年期の幸福と万能感が消え、
大人の汚い世界に踏み入らなくてはならないことに絶望してる思春期の心・・・
を写した世界観、とでもいうのかなと。
当時のニコニコ動画に集まっていた若年層達しかり、
「失われたものたちの本」の主人公も
母を失い父とも義母とも不仲で、居場所も安心もなく思春期で荒れる少年の心が投影された心象の世界、
そこに迷い込んでしまったのだ。
「失われたものたちの本」の世界は
随所に、性と女性への嫌悪と不信をひしひしと感じる。
黄昏が迫り滅びに瀕する世界があって、
迷い込んだ少年が世界を救う勇者かも、
なんて言い草だとテンプレ百番煎じの王道ストーリーなわけだが。
その世界に登場する敵として
ル・ガルー、人狼が登場する。
色を失って滅びゆく世界で狼が追跡してくるっていうと「はてしない物語」と同じやん!つってワクワクしたが、
そんな浮き立つ心を萎え萎えにするエログロ設定がこちら、
・・・・・
少女から美しい女へと成長した赤ずきんは、その辺の男では物足らず。
祖母の家がある森で出会った狼に一目惚れし、
娘を避けようとする狼を何マイルも追いかけてとうとう誘惑した。
両者の交わりが人狼を生んだ。
赤ずきんは他の少女もおびき寄せて狼とつがわせた。
あるいは狼どもと寝たいと思う女たちもいて、彼女らは赤ずきんに続いた。
そうして生まれた人狼どもは、しかしある時その女たちを月影のなかで食らってしまった。
という(適当に意訳)
・・・・・
いや~きついっす。獣姦っすか・・・
いうてグリムや民話なんつーのはもともとそこそこ過激だったり残酷だったりはするもので、
それを近代になってからの倫理観で毒抜きして子どもだましで清潔な童話にしてきたということはあるけどもね?
それにしても、先祖返りというにはどうにも仄暗く鬱屈した感情が上乗せされたアナザーストーリーというほかない。
なんていうか、ディティールがねちこいんだよな~。
古い物語の残酷ってのはそのへんがうまく風化してあっけらかんとしてる感触なんだけど。
まあ、「失われたものたちの本」では各章このノリで、
白雪姫は王子と結婚せず、七人の小人の家でデブりヒスりの暴君になってたり
眠り姫は茨の城で訪れる男どもを片っ端から血祭にあげる厄ネタになってたり(それは原作でもそうかw
魔女というか悪女というか、
少年(あるいは男性的なもの)を害する母性や女性性の悪の権化しかでてこねえのだ。
まあそのクソヤバ女どもの描写はなかなかリアルでスリリングで面白いとこでもあるけどw
宮崎駿が、こんなにも女性を憎み恐れる物語を深く読みこんでいるというのも
なかなか味わい深いというか。
ドーラやエボシ、油バーバやサリマンなどもなかなかの魔性だが、
まだなんていうか、話せば解る人・・・?というかすったもんだのうちに相互理解や和解に漕ぎつけられる人達なのだが、
「失われたものたちの本」の魔女悪女たちは話してもまるで話が通じないモンスターばかりだ。
人狼どもなんぞ食欲と権力欲、生存圏の拡大という動機のわかりやすさは単純バカとさえ思え、
なんかわからんのに横暴で支配的で抗えぬ性的魅力を行使してくる女どものほうが、不気味で不可解でずっと恐ろしいものとして描かれている。
で、
先にオチからバラすと、
主人公は人狼とか王様とかねじくれ男とかをいい感じにやっつけ
心象の世界から現実へ帰還するのだが、
そこから、少年だった主人公の一生がいきなり三人称のダイジェストで語られる。
年表を読んでるというか、それまでの臨場感ある描写から一気に感情移入がなくなるって感じ。
そこで主人公は妻や子と幸福な家族になることができないのだ。
そして人生の終わりにまた心象の世界に還ってしまう。
これはどうにも、通過儀礼の物語、あるいはキャンベルのいうような英雄の旅路としては失敗している。
という感触がする。
少年は、一人前の男に、すなわち父親になり一国一城の王となるのが、人の心身にプログラムされた成長の段階だ。
そこをダイジェストでさえクリアできないというのは、
まあ、ある意味で優れた書き手の感性ではある。
物語に、自分の内面に誠実に向き合い、納得できることしか書けなかったということだ。
なんでそういう風になってしまったのかっていうと、
そもそも「失われたものたちの本」はヒロイン不在なのも深刻な問題。
森に住む女狩人の章で、
半身半獣の、鹿の体に金髪碧眼の少女の顔というキャラが登場する。
彼女は狩人に追われていて、主人公に「助けて」と懇願する。
ケモナー癖がチラつく作者のこと、これはヒロイン枠きた~と思ったら、
鹿娘はあっさり射られて死に、
主人公も狩人に捕まる。
それだけでもクソほど鬱なのに、
馬にくくりつけられて運ばれる間じゅう、
ずっと隣にある鹿娘の生首ヤダァ・・・という描写が生々しいにもほどがある。
べったりした血が・・・、とか、うつろな瞳が・・・、とか、
この本が、児童文学枠じゃなくて創元推理文庫から出版されるのも納得の死体描写。
しかも半身半獣は実はキメラ(合成獣)で、
女狩人が人と獣を縫い合わせて放流し、狩って首を飾って楽しんでたっていう。
ケンタウロスという神話的存在を、欲と悪意の産物に貶める、ここにも同じバドエン改変のモチーフがあり。
畳みかけるようにSAN値をゴリゴリしてくる仕様。
ヒロイン枠がこんな死に方するって、人の心とか無いんか??
どんだけ作者はトラウマがやべーの?
もはや性的虐待とかの過去があるのかと疑っている。
ファンタジーの主人公なのに「助けて」と言う少女を救えぬっていうのがね~。
マジにトラウマティックだな~って。
女性を愛する自信がカケラもないから、
救える展開を想像することさえできなかったってことかな・・・。
それがつまり、妻と子を幸せにするイメージが描けないってこととイコールなんじゃないかね。
挿話で、また獣娘が登場する話があるのだが、そこでも破局だしな。
男は真実の愛を示して獣娘の呪いを解くことができず、無惨に食われてしまうのだ。
そして旅の騎士が登場して、
それは少年を導いてくれる存在、憧れの兄や父のような、いわば自分の目指すべき将来のモデルケースみたいな役柄なんだけど、
その騎士が、これがまた同性愛者だというんですわ。
まあその、同性愛つーてもね?
どうも生来の嗜好として男が好きみたい、っていうならそれはそれで自然なんだけど。
性への嫌悪や女性不信から、同性の男性にしか心を許すことができないというなら、
それは病理じゃん・・・。
ここまでの魔女悪女ヒロイン斬首と繰り返してきたモチーフからして、確定的にそれは病理の同性愛じゃん・・・。
ま、
騎士と少年とで茨の城を攻略した時、一歩成長はしたんだけどね~。
無力で逃げるしかなかった少年が、戦う力や勇気というものを獲得して、
その勢いで王城決戦を攻略できたとこは読み応えも爽快感もあった。
ただ王城決戦の相手には魔女悪女がいない。
王も人狼もねじくれ男も、みんな属性としては父性であり、少年自身の影だ。
少年は、母とも女とも同格として対峙することも、葛藤を解消することも、愛することもできないまま、
物語は終わった。
うええ~~~
いや~~~
宮崎駿のオススメじゃなかったら駄作認定なんだけどな・・・。
まあ、児童文学枠じゃなくて推理モノ枠だとすればギリなんだけど・・・。
読み心地暗いよ~。性癖と心が歪むよ~。(´;ω;`)
ただもし、同じ病理をもつ人が読めば、名作というか共鳴して刺さる物語ではある。
描写の生々しさとか、内面への没入感みたいなものは評価できるクオリティ。
作家が真摯に誠実に、心の闇と向き合ったのは伝わった。
それが今作で昇華に至らなかったのは残念だが、
まあなんか「失われたものたちの国」っていう続編もあるらしいので、
ジョン・コナリーも物語を通して道を歩み続けたのだ、ということにしておこう。
さてそれでは、
「君たちはどう生きるか」の記事もぼちぼち書こうかな~と思いつつ。
どっからどう書くのか思いつかないまま、
金ローを楽しみに。
ネバーエンディングストーリー、はてしない物語は世界観の格が違うよな、
「失われたものたちの本」の心象の世界は少年ひとりの内面で、
はてしない物語も前半はまあそうともいえるけど、折り返し地点で世界の殻を突破して、無から有を創世する原初の神話的混沌を描き、人類全体の普遍的な無意識の層まで冒険し、そこで得た真実を胸に現世へ帰還する。
そこには人間存在への深い理解も信頼もある。人間って素晴らしいと思える、心が希望で満たされる物語だ。


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