ものがたりを解釈する

アニメ、漫画、小説、神話、あらゆるものが語りかけてくること。最も深遠な、でも誰にでも開かれている秘密に、解釈というメソッドで触れていく。

劇場版モノノ怪・唐傘 観てきた!

劇場版モノノ怪唐傘!観てきた!

 

全ネタバレ注意で感想書いてくけどいいかな!?

 

っていうかまず!

 

三部作なのかよ!!

 

この世界観をこのクオリティであと2回観れるってマジか!神か!いやモノノ怪か!

 

マジかぁー٩( ''ω'' )و

 

しかし、10年越しでいきなり劇場三部作とは強気だなぁ〜

 

ファンとしては嬉しみしかない。

DVD予約はまだか。

 

で、まず一本目ということになった今回の唐傘だが。

 

それなりの鬱展開を覚悟して行ったけど、見心地はかなりライトだったな。

百合は尊かった…。

女の友情が嫉妬で壊れていくのを見せられるのではヒヤヒヤしたけど、

結果としてアサちゃんもカメちゃんも良い子だった。

カメちゃんは異例のスピード出世をしていくアサちゃんに対して

「アサちゃんみたいにはできない」とは思うものの、そこから嫉妬を拗らせたりはしない。

最初の目標がキレイな服を着て天子様にお近づきになって・・・と御中臈になることだからな。

手に職つけて、職位で出世していきたいアサとは欲しいものが違う。

 

玉の輿のお嫁さんになりたい系の女子と、バリバリキャリアウーマン志向の女子では競合が発生しない的なことでもあるか。

 

カメとアサが大奥に奉公に上がるところから物語が始まるわけだが、

少女が目にする初めての大奥、というシチュエーションは視聴者としてもたいへん見やすく入りやすい導入だった。

ここからあと2回、大奥あるいは城中の話になっていく導入としても考えられているんだろう。

今回ほとんど出番のなかった登場人物たちの紹介の回でもあったと。

 

大奥に奉公する最初の儀式として、それまで大事にしてきたものを井戸に捨てさせる、

意味としては過去の自分や個人であることを捨て大奥の歯車となる、てことらしいが、

 

捨てられたもの、奉公にあがる時まで持ってきた大事なものというのが、

それぞれ、万華鏡、毬、人形、など、少女の玩具的なものであったのは興味深い。

少女の感性と決別し、成人となって職業婦人か天子の妻かの役に入るための儀式であると思わせるよな。

カメが捨てた 櫛 というのは大人の女性でも使うアイテムでありアサに受け継がれることになったわけだが。

 

結局、アサは井戸に何も捨ててないし、そもそも大事なものが何かっていう質問にも「秘密」で通したな~。

手荷物も少なくそれまでの人生には捨てたいものしかないと言ってたから、多分カメとの友情とか、形の無いものが大事なものだった的なことだろうか?

大事なものが無ければ無いと言えばいいのに、秘密っていうからには何かはありそうだし。

 

カメの髪を裁ちバサミで切るという凶行に及んだ淡島が「大事なものを井戸に捨てさせたことを恨んでるんだろう」と言ってたけど、

自己紹介乙の法則で万華鏡を捨てさせられたのをずっと恨んでたのは淡島自身だったんだろうし、

カメの荷物を窓から放り捨てた時に麦島が泣いたのも同じことなのか。

麦島も自分の毬を放り捨てられて傷ついていたことを思い出してしまったと。

 

で、人形を井戸に捨て、自身も井戸に身投げした北川が今回のモノノ怪となったわけだが・・・。

 

わけだが。

 

ここまでのシリーズでモノノ怪の理(ことわり)は大概悲惨だったことからすると、

井戸に大事なものを捨てさせられた恨みっていうのは、そこまで深刻でもないっていうか?

 

いや、形見であるとか思い入れはもちろんそれぞれあるだろうが。

 

モノノ怪が自然発生するほどの要因ではないというべきか、

 

モノノ怪を人為的に発生させているらしき描写があるというべきか。

 

これまでのシリーズでは、復讐であるとか防衛機制であるとかモノノ怪さんサイドのお気持ちというものが、語られないまでも類推できる材料が用意されていたのだが、

 

今回の唐傘では、唐傘さんの目的がなんだったのかというのがイマイチ不鮮明だったような。

 

北川の人形が持っていた傘があり、それが井戸に捨てられモノノ怪の形(かたち)となり、というのはわかるのだが、

人形の傘はモノノ怪に成って何がしたかったんだろう?

 

北川が井戸に身投げをしたのは、まあ鬱というか適応障害というか同期が退職して張り合いがなくなって仕事が合わなくて病んじゃったみたいな感じだったけど。

 

人形を捨てさせたことを恨んでボスの歌山に復讐がしたかったんだろうか?

現世に影響を及ぼす力を得るために同じ痛みをもつ淡島と麦島を喰らって、

それでたしかに歌山はモノノ怪の空間に引き込まれ、急激に老いて生死不明の状態で終わった。

 

でも北川の気持ちがわかるというアサは「北川は誰も恨んでないと思う」と言ってたんだよな~。

 

確かに恨みというにはちと弱いという気がするし、

 

エンディングからの逆算になるが、

井戸の地下には祠があり、その祠に三本の注連縄が巻き付いていた。

三本の注連縄は三本の柱につながり、

その柱には赤い唐傘のような光背を担ぐ菩薩ぽい絵と、赤い肌の男と、緑の服の女の絵がそれぞれ描いてあった。

 

今回の唐傘が薬売りに退魔されたことで注連縄の一本が切れ、

そして次回は「火鼠」というタイトルだったので、赤い肌の男の柱が火鼠に対応するのだろうが。

 

いや、何だアレ・・・。溝呂木とかいう司祭?は何やってんの??

 

井戸の地下に三本の柱、

そして井戸には三方向の鳥居、

そしてその水を汲む桝も三角形だ。

 

大奥の女たちは、三角の桝のフチをなぞる儀式をしてからその水を飲む(臭い)

 

いやそれ何の儀式なの。

説明が何にもないまま2部まで待てとか鬼か?いやモノノ怪か・・・。

 

そのいやに三角がまつわる井戸は「お水さま」というご神体であるらしいが。

 

唐傘は「お水さま」ではないんだよな。傘も水関連のものではあるけど。

唐傘騒動が起こる北川の死、あるいは北川の奉公の始まる時にすでに井戸に大事なものを捨てるという「お水さま」信仰はされてるわけだから。

 

井戸の地下に座敷童に似た人形があったり、こけしの描写の多さ、天子にまだ世継ぎがいないとかの話からも水子供養的なもののようにも思えるが、

 

真ん中の祠が水子関係の「お水さま」だとして、それを唐傘や火鼠やあとひとつのモノノ怪で囲み縛る意味はなんなのだろうか。

 

くそヤバいものを封印しているのだろうか? それとも

くそヤバイものに生贄を捧げて強化しようとしているのだろうか?

 

どっちだ・・・。

 

注連縄でぐるぐるぐるぐる巻きという絵面的にはどっちかってーと封印だろうか。

 

そうね、唐傘、傘は水をはじき防ぐ、濡れないようにするためのもので、

火鼠は火属性、水の反対だ。

そうすっと、緑の女性はなんだろね。

薬売りの退魔の剣には陰陽の思想があるけど、

五行でいうと、土剋水、あるいは水生木という。

水を堰き止めるには土が一番だけど、

次点で木性が水性を漏らす、気を吸い上げて別属性に変化させるという考え方がある。

緑の女性は木に属するモノノ怪だろうか? 

植物っぽい妖怪ってなんだろ?? 木霊? 山童、キジムナー、ドライアド あんまピンとこないか。

 

なんにせよ、水属性に対抗できるモノノ怪で祠(お水さま)を囲むために、

モノノ怪が生まれやすい抑圧的な環境を作ろうとして、少女達に思い入れのあるものを捨てることを強要してましたね?

っていうことではありそうな。

 

ヒトがモノノ怪を生み出して利用するところまで来たか~・・・。

またどうせろくでもないことのためな気はするが。

 

大奥は天子の世継ぎをつくるための場所なんだから、

お水さまを三方からがっちり封印できれば世継ぎを授かるとか?

逆にいうとお水さまは世継ぎを水子にしてしまう祟りなんだろうか。

 

しかし、天子と御中臈のフキもあの水を飲んでるからな・・・。

生贄にすることも役目のうちみたいな大奥の女達だけならまだしも、

天子までヤバそうな臭い水をなぜ飲むのか。いや、こぼしているから実は飲んでいないってことか?

フキは「乾いておりませぬ」と言うのも気になる。フキもお水さまの井戸に何も捨ててないし水も飲んでないのかも?

 

ていうかまず臭い理由も気になるな。

カメのおにぎりを井戸に放るとか、ナマモノを捨ててりゃそら腐るわ衛生観念どうなってんねんと思ったが、

それどころか二か月前にはその井戸に投身自殺した人さえいたわけだからな。

そんな水飲めるか!遺体は回収したんだろうな!?回収されてても飲みたくねえ!!とも思ったが、

 

水死体でなく、あの祠にあるなにかが生臭い異臭の原因という気もする。

水だけでなく、大奥全体に臭そうな茶色いエフェクトが漂ってたし。

水神といえば正体は白蛇かなにかだろうか。祠の周りの壁の絵は鱗や樹皮のようにも見えたけど。

てか、井戸に張った札は反応していないのでお水さまはまだ形を得ていないのかも。

 

とりあえず一回観て気になったのはそんなとこか。

もし2回目行ってなにか気がついたらまたメモしておこう。

 

 

ところで次回、歌山は不在から始まるんだろうか?

そうすると歌山失脚を狙ってた三郎丸はなにをするんだw

アサとのフラグは立つのだろうか。

 

次回のモノノ怪は火鼠だというが、

そういえば水を配っていた双子、溝呂木の娘の顔にあった赤い痕は火傷かなーとおもったんだけどどうなのか。

(登場人物紹介によると化粧とのこと)

溝呂木が煙草(火の気)を扱ってたし、火鼠は溝呂木親子がメインの登場人物になるのかも。

 

 

あ、小説版まだ読んでないんだった。そっちでも何か気がつけばメモしておきたい。

 

 

カメがぴかぴかの櫛を飾って大奥を去るが、

おばあちゃんに貰った少女趣味な櫛を、アサのピカピカの高価そうな櫛と交換して帰ったってことかな。

アサがカメを大奥から出したのは、人を変えてしまう場所である大奥から、友人の純粋さを守ってやりたかったからで、

それは北川も同じだったのかも。それが北川と唐傘の理(ことわり)で動機ってことか。

 

てかそもそも、大奥といえば江戸城なんだろうけど、天子って天皇のことじゃないっけ? 江戸城(東京)にいるのは将軍で、天皇は御所(京都)にいるもんじゃないのか? 将軍を天子と呼んだら天皇に不敬な気もするけど、その辺の時代考証みたいなのはこないだのYouTube特番で自信ありげだったやつかな?

江戸の井戸というと、湧水でなくて多摩川から引いてきた川の水ということもあるのだろうか。とするとそもそも飲用は適さなさそう。

 

そういえばなんで人形は片目だったのか、

蛇の目傘ともいうように傘は目の姿でも描かれた。黒い左目のほうが唐傘だったってことか。

 

平基が最後に持ってた風呂敷包みから髪の毛見えてない??誰の首??という疑問とか、

 

唐傘は三郎丸と平基の部屋を覗いて何をしたかったのか?ただ男がいるのが珍しかった?とか、

 

ていうか、あと2回だけど火鼠と緑の女とお水さまだから、薬売りは3回退魔しないといけないってこと?三匹がかりで封印されてるお水さまかなり強そうだし、これは更なる薬売り達の参戦もありえる・・・?薬売りのチームプレイとか始まったら画面のカオスに耐えられる気がしないwww

 

女たちが三角の桝をなぞって「清めたまえ」と水を飲ませるのは、つまり女たちの中に分散してお水さまを封じている?オエー。

唐傘は女たちから水を絞り出したが、それはそれまで体内に蓄積してきたお水さまだった・・・?

淡島と麦島、井戸に大事なものを捨てたことを軸に凶暴化した女達を標的にしたということは、

お水さまの分身として覚醒した女達がそれ以上暴走するのを止めていた、ということなのかも。それが真か?

 

歌山がなんで急に老いたんだというか、手のシミを気にしてたけどその割に顔は若かったので、つまりモノノ怪的なパワー、大奥の女子達から恨まれても仕方ないような裏技で若作りしていた可能性があるのではとか。

それでモノノ怪を知ってたから、モノノ怪を斬るという薬売りをあっさり信じて通行手形を出したのではとか。

色々疑問もあるが、

全て意味ある描写だと神谷浩史が請けおってくれてたし、考え続けていきたい。

 

そういえばCV神谷の薬売りも割とアリだったわ。

やっぱちょっと性格も違う感じがした。フットワーク軽いというかw

作画パワーが増し増しだから、CV櫻井の独特の間がなくても余裕で画面がサクサクヌルヌル動いて楽しめた。声の良し悪しよりまず目が忙しかった~。

シリーズのセルフオマージュっぽい場面もちょいちょいあって、今のアレの!アレじゃん!うおお!ってなった٩( ''ω'' )و

 

やっぱモノノ怪のビジュアルは唯一無二。

襖絵やら柱絵やら隅々まで眺めたいから画集も欲しい~。

和だけじゃなくて今回はゴーギャン風?の絵もあったね。

海坊主のときもクリムトが使われてたけど、意外と馴染むというかなんというか。

 

小説 劇場版モノノ怪 唐傘 (角川文庫)

 

 

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