ものがたりを解釈する

アニメ、漫画、小説、神話、あらゆるものが語りかけてくること。最も深遠な、でも誰にでも開かれている秘密に、解釈というメソッドで触れていく。

崖の上のポニョを解釈する2 タロットカードとの照応。

ポニョはこうして生まれた。 ~宮崎駿の思考過程~ [DVD]

 

ポニョとタロットが関係あるってのは割と有名な話なのかな?

自分もまとめサイトのコメント欄でヒントをもらって、大澤義孝著のタロットの謎という本を買って勉強してみた。その本が面白すぎて、後でマルセイユ版のカード一式も買ったったw

 

ポニョのストーリーはタロットカードの大アルカナ順に展開していく。

 

ちょっと興味はあるけど、タロットを調べるのは面倒だな~。という人のために対応している意味や場面をざっと書いてみる。図像は気になったらググってくれw

ちょっと順番が前後するのもあるんだけど。

 

番号なし 愚者

道化(ピエロ)、追放された者、2つの世界を行き来するもの、光る袋、など。

冒頭のシャボン玉の中にいるフジモトだ。あの化粧の濃い奇妙な服のキャラデザは道化なんだね。

 

2番 女教皇

ヒロイン、未婚の女性性、物語の力、赤いローブ。ポニョ登場。

 

1番 奇術師

少年、トリックスター、奇跡をおこすもの。そうすけ登場。

 

3番 女帝

母親。リサ登場。

 

6番 恋人

ポニョがそうすけの血をなめるとか、「僕が守ってあげる」「そうすけ好き」とか諸々。相思相愛でカップル成立の辺り。

 

7番 戦車

ピンクの軽自動車、リサカー。

 

4番 皇帝

父親。またフジモト。水撒きしながら、娘を取り返しに来る。

 

5番 教皇

教師。保育園の先生

 

8番 正義

人事を裁量するもの。

「関係ないもの持ってきちゃいけないんだよ」と言うくみこちゃんだ。

 

9番 隠者

老人、隠遁するもの。ひまわりのおばあちゃんたち。

 

10番 運命の輪

「運命ってあるんだよ」とリサが言うw

あと道がめっちゃカーブしてて、ぐるぐるハンドルをきる。運命の輪の回転運動だ。

 

11番 力

女性が獣を御している図。リサがそうすけを抱きしめる。

あと園にもゾウのぬいぐるみを持った女児がいたな。

 

12番 振り子または吊るされた男

子宮で眠る胎児。泡に閉じ込められたポニョ、さかさまになってる。半魚人に変わる。生まれ変わる。

 

13番 無題あるいは死神

ここより先は人界の外、人智を超えた世界、自然界など。

命の水を貯めた井戸があふれて、世界の蓋が開いて、電波と言う電波がダメになり、世界が魔法の力に満ちたデボン期の海のようになっていく。

 

14番 節制

液体をコントロールする。魚の波の上を走るポニョ、水を操っている。

 

15番 悪魔

これはやや要素が分散している。

灯りをもって駆け回るのは、松明をもった悪魔か、お茶にしたりご飯にしたりというのが宴をしているともとれる。アンテナもなんか二股のツノみたいにも見える。

 

17番 星

アンテナを立てに庭に出た時など、滲んで大きな星が印象的な星空。

 

16番 神の家または塔

「この家は灯台なんだよ」というセリフ。

 

18番 月

印象的な月のカットが何回かある。後述する。

 

19番 太陽

翌朝、太陽のカットもある。が、雲がかかっているぞ・・・。重要、後述。

 

20番 審判

トキさんとフジモトのどちらを信じるか、という審判。

審判の天使、グランマンマーレとの会話。

 

21番 世界

グランマンマーレ「世界のほころびは閉じられました」

 

 

見事にタロットどおりなんだよな~。タロットという魔方陣のとおりに物語の要素を配置してて、しかもその魔法に振り回されず、物語が成立してる。卓越した天才の所業というほかないww

 

まあ、ポニョ=タロット、だけじゃ「で、だから何?」だろうから、解釈を進めていこう。

 

18月の前に、20審判21世界のあたりを詳しくしよう。 
審判、というのは、ある世界の終焉に際して、全てを明らかにする。 
次の段階へ移行する際に総決算やテストをする、進級試験、みたいな意味でいいかな。

 

キリスト教的な世界観だと、天使がラッパを吹く合図でこの世が終わった時、最後の審判がある。すべての死者は甦り、その所業のすべては明らかになり、天国に行くか地獄にいくか決まる、とかなんとかいうやつだ。

 

審判の天使、それはグランマンマーレだ。

 

ポニョが「お母さんとーっても怖いよ」と言っていた。 それは彼女が人智を超えた存在であるということだろう。

観音様の御神渡りだ〜という畏怖を感じる存在だ。

彼女はフジモトの心を読む。彼女の前では何も隠せない。 
8番正義のくみこちゃんのように、人間が理解できる範囲の理屈に基づいて何かを判じるわけでもない。 
彼女の基準は人智の想定外だ。 

20番 審判 の場面 
トキさんとフジモトのどちらを信じるか、っていう状況がテスト、試練、審判ぽい。

トキさんは「人面魚が上がると津波がくる」という迷信を信じていたり、 (まぁ津波は来たけど)
そうすけの折り紙の船をバッタだと言ったりする。

グランマンマーレやフジモトを信じないで「あたしは騙されないよ、うまいこと言って皆を連れていっちまったんだ。」と1人だけ山の上に残ってる。足はフジモトに治してもらったんじゃないのか?まぁいいけど。

 

宮崎駿の実母がモデルらしいけど、これは多分、三次元の人類代表、お魚の段階の人間として描かれているんだろう。 
迷信を信じ、直感に欠ける。でも愛情がないわけじゃなくて、どこか憎めないみたいな。


フジモトは、人間をやめたとか、悪い魔法使いとか言われてたなw

何百年とかかって井戸に精製した命の水を貯め、汚れた人間の時代を憎み、再び海の時代をもたらそうと目論んでいる。

まあ、脇が甘くて、娘に甘くて、憎めない男ではあるけども。道化だし。

 

そうすけは、フジモトに背を向けトキさんに向かって走る。

それは転覆や革命でなく、愚かしさをただ愛する、とでも言うのかな・・・。そういう選択だ。

 

「ぼく、お魚のポニョも、半魚人のポニョも、人間のポニョも、みーんな好き」そういう宣誓だ。

 

お魚、トキさんみたいな、頑迷で物質に生きる人類も、

半魚人、リサみたいな、不思議なこともそのまま受け入れる、勇ましい戦士の人類も、

人間、そうすけみたいな自立してて直感に優れてて、やさしい人類も、

みーんな一緒になって生きて行こうね、っていう。

 

そうすけの選択、宣誓はグランマンマーレによって受理される。

審判には土くれの人型に新しい命を入れる、という儀式や、新しい世界へ生まれ変わるという意味もある。

お魚のポニョは五歳の人間の女の子へ生まれ変わり、

 

21番世界、命の水によって洗われ満たされた、新しい世界が始まる。

ポニョは、そんな物語だ。

 

ところで、トキさんとくみこちゃんは水色に白い襟の良く似たワンピースを着てる。

ポニョをディスって水をかけられて服が濡れて台無しという同じような目にあう。

タロットの本によると、隠者の中に女教皇が隠れている、表裏一体であるという暗喩があったり、 
老人と少女は互いにないものを補完しあうという意味でよくペアにされる、というネタがある。

これもタロットネタで間違いなしw

 

さて・・・、タロットでは18番月、というのはあまりいい意味のカードではないという。
月が好きな人はこの先は閲覧注意だ。

ポニョは海の話なので、潮の満ち引きを起こす月は当然重要アイテムだ。 

月の絵がある場面を見ていくと、 
舟の墓場?の上に海がおそらく月の重力に引かれて盛り上がっている。 

月は画面の真ん中にどーんと大きく描かれる。 
その次の19番太陽は画面の左寄りに小さく、しかも雲がかかって描かれる。 

これは色んな意味にとれる・・・、が月(見えない世界・魔法)の力が増して 
太陽(見える世界・文明)の力が霞んでる、弱まってる、としておこう。


そしてフジモトが更に大きくなった月を指して「もう時間がない」と言う。 
どんどん近づいてきてやばい、脅威である、状況にタイムリミットがあるってことに月が使われるんだな。 

アルさんのまとめにも、月に違和感を感じる、人工物な気がするとあったが、 

大澤義孝のタロットの本にも似た印象の記述がある。 
月の図像には横顔が描かれるが、半分の顔しか見せない、裏の顔があるという意味。 
月の下には犬が2匹いて、それは争う二つの陣営の意味だったり、 
四角いプールにザリガニがいるのは養殖池ってことだったり。 

絵で月に向かって雫が落ちているのは、どこぞのインキュベーターのように、 
絶望と希望の相転移の感情エネルギーを吸い上げて利用してる存在がいるんじゃないか、 とか書いてあるwww怪しすぎるww楽しいww 

だからっていうか、まあ、 
ポニョでも、サリマン的な支配するなんかの象徴として月が描かれてる気がする。 
敵キャラ、ボスキャラの代わりに月が使われてるって感じかな。

 

18番月、支配するものの勢力が増し、19番太陽、二人の子供をおびやかしている、ともとれる。(太陽の図像には双子がいる。)

 

次元の上昇の試練も、あんまりのんびりした話でもないらしいし、

子ども達の心を塞がせるような陰謀もいっぱいあるっちゃあるからな・・・。

崖の上の、というけど、人類は今まさに崖っぷちにいるという意味かもねw

 

その辺はスレでは詳しくしたけど、ブログではどうしたものか。

とりあえず書くけど、もうポニョからは逸脱しますのであしからず。

 

いわく、人類種の次元上昇を阻止しようとする勢力がある。

四次元の意識レベルの宇宙人でアルさんは便宜上ネガティブ系宇宙人と呼んでいた。

彼らの方が知能が高いので、政治の中枢とかにいて、色んな方法でヒトの意識のレベルを下げようとしている。

あからさまに、ではなく。生活の中に少しずつ毒を混ぜ込んでくる方法が多い。

 

水道水に塩素。農薬、殺虫剤、化学調味料、保存料、添加物。

ケムトレイルで毒を空中から散布。

インフルや子宮頸がんワクチンの保存料にアルミだか水銀。

 うつ病と診断して大量の薬を飲ませる。

ハイブリットカーやwi-fiの強力な電磁ノイズ。

どこもかしこもファブリーズでファブれと訴えてくるCM、

シャンプーや界面活性剤、柔軟剤、経皮毒

 

ま、そんなもの全部を生活から除こうとすると、かなりの手間になるだろうね・・・。

それだけ愚民化社畜化の洗脳と施策は浸透してしまってるってことだ。

 

そういえばポニョはハムが好きだ。

最初にハムを食べる場面はヨモツヘグイでもあるけど、

フジモトは「あんな恐ろしいものを食べたのか!?」って言うね。

ハムてのは、豚を畜産するノウハウ、その肉を長期保存する燻製加工のノウハウ、人の文明が発達したことで食べられるようになったものだ。

そんで、日本ではそれをできるだけ安く食べようと工夫するうち、ハムといえば燻製もしてない増粘多糖類とかナントカたんぱくとか着色料とか香料とかの、肉と混ぜ物の塊のことを指すようになった。

そういう背景まで鑑みて、好物がハム、てのはなかなか象徴的で納得のチョイスだと思う。

 

健康を害するものが氾濫してる状況を知れば知るほど、義憤を感じるのは当然なんだけど、怒りも意識のレベルを下げる。

悲しみも同様だ。かと言ってあまりに無知無関心でも毒まみれになるからなぁ。

 

フジモトの「いつまでも幼く、無垢であればいいものを」ていう気持ちもわかる。

ほんと、こんな毒まみれの世界に生まれてくるなんてな。優しくて清浄な存在は、レインボーチルドレンになんて生まれてこないで、ずっと天上の世界で清らかな存在のままでいればいいものを。きれいなものが汚れてしまうのは悲しい。

それでも生まれてきて、毒にまみれても優しさを失わないか、みたいな試練に挑むわけだ。お魚レベルの人間たちのためにな。泣けてくらぁ…。

 

 

漫画ナウシカのクライマックス、墓所の番人とのやりとりで、そういう義憤とかどうしようもなさが言語化されている。

ナウシカ達は腐海の毒に耐えられるよう遺伝子改良された人造品種であり、

そのような操作をした旧人類の代表が墓所の番人だ。

彼らは、同様の人造浄化機構である腐海が環境を回復させるのを待って復活するつもりでいる。

 

ナウシカは支配者にこう言い放つ。


お前は、亡ぼす予定の者達をあくまであざむくつもりか!! 

おまえが知と技をいくらかかえていても 
世界をとりかえる朝には結局ドレイの手がいるからか 


私達のからだが人工で作り変えられていても 
私達の生命は 私達のものだ 
生命は生命の力で生きている 


その朝が来るなら 私達はその朝にむかって生きよう 

私達は血を吐きつつ くり返しくり返し 
その朝をこえて とぶ鳥だ!! 



引用ここまで。 
どれだけ毒を流し込まれても、その朝に向かって生きよう。 
それこそが番人達が最も恐れていることだ。

ナウシカ墓所巨神兵のビームでぶっとばしちゃうんだけど、それは実は本質的解決ではない。

宮崎駿も若い時はそういうオチをつけたけど、ハウルではそうではない本当の自立を描いている。

で、ポニョではもう、月でそれを暗示するだけになってるw

駿は同じことを二度は描かないんだよなあ。常に新しいテーマを描く。すごいポリシーだと思う。

 

だから、自分たちの健康、クオリティオブライフを守りたいなら、

暴いて抗って対決して毒の流布をやめさせようとするよりも、自分の心や体の声を聞けるようになること、センサーの感度をあげることだ。

 

なんか変だな、とか、これは体に合わない気がする、という直感、自分の体が発する警報を察知することだ。

 

国や大企業がやってることだから安心とか、CMでやってるから平気とか、みんな食べてる、みんなやってるから大丈夫とか、そういうのは何の役にも立たないガラクタの思考パターンなので、手放すことだ。

 

科学的根拠とかそんなデータはない、というのは「ただちに影響はない」ていう意味だ。

複合汚染とか生物濃縮とか、複雑で長期的な影響は調べようもない。

科学は単純化の累積で、人体は複雑系だ。複雑なものをコントロールする方法はインスピレーションとなる。これはこのブログ通してのテーマになる。

 

 

まぁ、宮沢賢治注文の多い料理店みたいなもんよ。

なんか変だな、の直感が、舶来だから本格だからという理屈で掻き消されて、

二人の紳士は銃を置いて服を脱いでクリームを塗りこんで、みずから捕食者のご馳走になっていくんだな。

はぐれてしまった白い猟犬は、自らの内に再び見出すことができる。

 

さて、ポニョの髪が素敵な赤毛と言われていたのも駿ワールドでは意味がある。

次のメアリと魔女の花の記事からその辺も書いていこう。

 

 

 

 

 

 


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