ものがたりを解釈する

アニメ、漫画、小説、神話、あらゆるものが語りかけてくること。最も深遠な、でも誰にでも開かれている秘密に、解釈というメソッドで触れていく。

君の名は、を解釈する2 名前の意味、反魂の秘儀。

君の名は。

 

さて、名前の話だ。 名前というのは魔法の基本中の基本だと思う。

 

宮水三葉、みつはめのかみ、罔象女神、水早女神、水の出始め、水神だ。性も名も陰属性。

立花瀧、たちばな、橘、非時香菓、ときじくのかくのこのみ、

柑橘の一種でいつも良い香りがすることから、時を越えるという意味を持ち、

またその実はオレンジ色の球体、太陽的、陽的だ。

瀧、さんずいに龍。さんずいは水に馴染むもので、

龍というのは陰陽の思想では最強の陽なるものだ。性も名も陽属性だ。

 

神事の時、三葉と四葉は龍の頭飾りや竜の鈴をもって踊っている。

これは多分、龍を、陽を、呼ぶ神事だ。

 

どうも、名が、術者の代わりになる鍵として機能していると解釈できそうだ。

もっとどんどん符合していく。

糸守の人達の名前は、

宮水、勅使河原。水、河、水属性だ。

名取早耶香は、制作の途中まで沙耶香、さんずいの名前だったらしいが、

多分それだとみつはとカブるので、名取、名を取るという名字になっている。

つまりもう勅使河原さやかと考えろってことかな。で名前からさんずいはなくなった。

 

なぜ、糸守の人達に水属性の名がつけてあるのか。

もうあの辺がまるごと、対比から見れば幽世であるという意味もあるだろうが、

 

ここでおそらく2400年前、1200年前、湖ができる前のトライの失敗があった、

ムスビが成されなかった事があったのではないかと思われる。

 

湖がないから、木火土金水の五行でいう水の要素が揃わなかった、足りなかったのではないか。

だから人に水に属する名前をつけて、備え、補おうとしたのではなかろうか。

当時は変電所爆破もなかったはずだが、

そのかわり、たたら場が、製鉄、鉄を火で鍛える、金と火になったはずだ。

図書館の本かな?瀧が旅館で見てる本にそういう記事がある。糸森における製鉄の歴史、たたら場集落多数、とか。

 

隕石っていうのは鉄、コンドライトのことが多いから、

昔々、山を掘って鉄を得る前は、拾った隕石も大事な材料だった。

隕鉄でできた剣、流星刀、というのは古代世界で共通の重要な祭具だ。

 

1200年ごとに星が降ってきて辺り一帯吹っ飛ぶっていう土地、隕石を呼ぶ土地というのは、

危なくてそんなとこ住めねーよって見方もあるけど、

生業に必要なレア素材がいっぱい落ちてる土地、という見方もできる。

 

糸守あたりの古代の人は、そのへんも色々含めて考えて、

危ない土地にあえて住み、そしてその危険ももたらす大きな天地のサイクル、星と星が惹き合う摂理、ビッグイベント、巨大なエネルギーに便乗して、その危機を越えることができないかと、神事、魔術を継承してきたんでないかな?

1200年ごととなると、途中で火事があって文献が焼失しちゃったりするけどw

一葉ばあちゃんは「なんもかんも焼けてまった」と嘆いてたけど、

しかし2400年前からの伝承となると、その媒体が文字だったかどうかは微妙なところだ。

むしろ舞や鈴や飾り、口噛み酒をつくり、磐座に奉納するという、儀式、型そのもののほうが言葉以上の、無形の重要な伝承、本質的に意味のあるものだった可能性が高い。

磐座の天井画とか、古代の遺跡っぽい趣があるけど、あれもそうだ。

 

おっと、そう。名前の話をしてたんだけど、繭五郎っていうのもそうだ。

「草履屋の繭五郎の風呂場から火が出て。」

これは実は、災禍ではなく何か善いことが起きてるはすだ。

繭。蚕の繭。それを湯で煮れば、絹糸がとれる。

風呂場、水場から火がでて、繭だからなあ。

繭五郎てのもそうだ。一葉二葉三葉四葉ときて、五郎なんだからな。

繭というのは、中が空洞だ。

竹とか、桃とか、そういう洞(うろ)をもつものは、それが胎となって霊性が宿るという思想がある。かぐや姫や桃太郎だ。

 

繭五郎、彼の中にも誰か宮水の巫女、女性の心が入ってたんじゃないかな~。

 

草履っていうのもな。藁を編んで結んでつくる。グレードは落ちるが、絹糸を編んでつくる組紐と、良く似たものだ。

 

繭五郎の大火は、絶対なんか善いこと、必要なことが起きてる。

それで神社の場所を移したっていうのがそうなんだろうな。

 

で、名前の話を続けよう。

奥寺ミキ藤井司だ。

 

このふたりの役割は「遠くで見守るよ」と言ってるけど、その通りだ。

 

君の名は、では結構色んな美味しそうなものの絵が出てくるけど、

実際にその食べ物を口に運んでる場面は、意外なほど少ない。

 

三葉と四葉の口噛み酒の米を噛むところ、(マジックアイテムつくる) 

瀧(中身みつは)がイチゴのケーキをひとくち食べるところ(二者の合一) 

奥寺ミキが新幹線でフラン食べる藤井司みそかつ食べる 

奥寺ミキ藤井司が五平餅食べる 

奥寺ミキがラーメン食べる。 

瀧がおむすび食べる、酒を呑む(マジックアイテムを繋ぐ) 

放送室でみつは早耶香てっしーがおやつ食べる。(反魂の供物?) 

半分以上が、奥寺ミキ藤井司の場面なんだよねw

 

まあ供物とみるべきなんだろうけど、ではこの二人の役割はなんだろうか。

 

奥寺ミキ 寺、は宮と対になる。神社の娘と、寺という名のお姉さん。

では、奥、は?立花瀧の、ハナ、と対になる。しょっぱな、端っから、出端、鼻。

ハナっていうのは最初の方という意味がある音だ。

で、もうじゃあ。ミキはあれだ。みつはのミと、たきのキだろう。

 

奥寺ミキは、宮水みつはと立花瀧の中間に、ただ存在するものとして描かれる。

これといったアクションを起こさず、ついてくる、そばにいる。そういうキャラだ。

河合隼雄の日本神話の研究にそういうのがある、中空構造論とか無為の神とかいう。

中立の、なにもしない神。 

高産日、神産日、その間に天御中主 

イザナギイザナミ、その間にククリヒメ 

素戔嗚、天照、その間に月読 

日本の神話は、対になる原理の神の中間にそういう神を配置する。 

白か黒か、イエスかノーか、 

っていう対立を包み込む、和らげる、和する。なんとな~くなんとかする。 

曖昧なままにしとく、まあまあ、なあなあにする。

そういう余地、対立の仲裁、緩衝地帯、グレーゾーン、全体を包む円。 

そういう実に日本人的な心の在り方が、神様の構図にもある。

 

奥寺ミキはそういう役だ。仲立ちの神、ククリヒメだな。

 

藤井司は、ふじ、不二、不死。井は井戸、水を汲む穴、通路。そして司、つかさどる。だ。

もう反魂をやる気満々のネーミングではないだろうかwww

そういう神さまはあんまり日本神話にはいないんだけど。

ティアマトっていうのもメソポタミア神話の女神なので、ネルガルとか冥界を司るような神様が元ネタにあるのかもしれない。

 

また、みつはや糸守の500人が、黄泉にかくれたイザナミ、あるいは岩戸にかくれたアマテラスとみるなら、そこから彼女を現世へ引き戻すアマノウズメアメノタヂカラオという男女ペアの神様がいなくもない。

 

奥寺ミキと、藤井司はついてきて、見守るだけだが、

 

旅館で奥寺ミキが煙草を吸っている。画面の中央にもくもくと煙を吐いている。

で、翌朝、次の場面では曇ってきて雨が降ってくるので、

絵面的には彼女が雲を起こし、雨を呼んでいる、とも見てとれる。

で、雨によって「ここから先は幽世」と言われていた小川、三途の川が増水し、山頂全体が雨に煙っている。

現世と、幽世の境界、狭間が、曖昧にぼやけて広がっているわけだ。反魂の準備が整っている。

幽世、異界は、水の世界、という思想もメアリと魔女の花の記事で前述したけど、

新海誠監督もその世界観を採用している。

あの磐座、大岩は千引きの岩だ。瀧はその下へ赴く。

 

さて、そんなわけでだ。

長くなったけど、GS美神令子が言うような、反魂の条件は揃っている気がしてこないだろうか。

肉体と精神は隕石衝突時の物質と巨大な気の混交で再構成できる。

魂は、宮水の祝詞と神事が保護しているんだろう。以下引用コピペ

 

かけまくもかしこき宮水の神社(かみのやしろ)の大前に、かしこみかしこみ白(まを)さく。 
大神の広き厚きみたまのふゆによりて、 
食物(をしもの)、衣物(きもの)、住居(すみか)をはじめ、 
よろずのことども、求むるまに得しめたまひ、勤むるまに成らしめたまひ、 
親族(うから)、家族(やから)、和(にぎ)び睦(むつ)び、 
日に異(け)に心やすく楽しく、撫でたまひ守りたまひて、 
顕世(うつしよ)を去りぬるのちの魂(たましひ)も永久(とこしへ)に治めたまひ恵みたまひ、 
幽世(かくりよ)の制(みのり)のまに、神の列(つら)に入らしめたまひ、 
裔(はつこ)の弥(いや)次々をも守り幸(さきは)ひぬべく、あななひたまひ助けたまひて、 
顕世も幽世も、楽しみ喜びの変わることなく盡(つく)ることなく、 
恵みたまひ愛(うるはし)みたまはむことを嬉しみかたじけなみ、 
称事(たたへごと)を竟奉(へまつ)らくを、 
御心のなごやかに聞こしめせとかしこみかしこみ白す。 

 

顕世(うつしよ)を去りぬるのちの魂(たましひ)も永久(とこしへ)に治めたまひ恵みたまひ・・・というのは、ちょっと他では聞かない文言なんでないかなww

 

彗星衝突で、糸守の住人500人はやはり死んだ。

そして3年経って、反魂の術の鍵となる瀧が17歳、みつはより年上になり、

米を陰と陽に加工したもの、おむすびと口噛み酒を呑んで、顕世と幽世の間にある磐座に座す。

 

それでスイッチが入り、散りばめられた何かが、すべて噛みあって発動する。

幽世から500人が復活する。反魂の秘儀だ。

 

瀧から組紐を受け取ったみつはが、何をどうやって住民全員を避難までもっていけたのか、が大胆に省略されてるのもそーゆーことなんでないかなー。

それは実際に起こったことではなく、そういうことで助かったんだろうと状況に合わせて後から記憶がつくりあげられて補完されてるというか。

 

「霊の体験なんて夢のように儚いものだもの、目覚めた時ほとんどの夢は泡のように消えてしまう。とどめていようと思っても指から水がこぼれるように失われてしまうわ。」これ美神のセリフなんだけどw

君の名はでも、まんまこれでイケる。

瀧の携帯から文字が消えていくのも、五年前のことはほとんど忘れてしまったと瀧や奥寺ミキが言うのもそうだ。目が覚めれば、記憶は不鮮明になっていくというセリフもあったな。

 

そもそも、過去とは、時間とは、なんなのか、という話だ。

 

それはどこにも存在しない。この世界にはいつでも今、この瞬間しかない。

 

「人の記憶こそが、時間なのです。」というのは、

こないだまで無料配信してた仮面ライダー電王の世界観だけど、その通りだと思う。

 

人々の、共通の認識。集合的無意識のなかの認識、記憶。それが言うなれば過去だ。それは思うほど確かなものではない。思い出す度、観測する度に微妙に変化し、解釈次第で変わり得る、曖昧なものだ。

 

イマジン、想像するという名のクリーチャーが、人をパカッと開いてそこへ入り、暴れれば現在に影響が出てしまう、そのくらいの感じのものだ。

 

復活して、肉体があって生きてる。暮らしている。そういう間違いない結果がある。

で、過去三年ばかりの記憶が思い出そうとすると夢のように曖昧だ。

新聞や雑誌の記事を見てみると、そういうことだったらしいけど、そうだったかなあ?

 

くらいで済む。500人、日本人全員の集合的無意識の中でそうなれば、そうだったことになるだろう。

 

そのへん、実にうまいこと誤魔化してると思うw

キャラの主観では曖昧な感覚、記憶を夢とか、思い出せないとか、そういうことにして

客観の情報はニュースや色んな記事でフォローするというw

 

この辺を考え詰めると、だんだん禅問答か観測問題みたいになってくるからな・・・。

 

考える材料だけ散りばめといて、解説はナシで、ボーイミーツガールの主題に焦点をあてて描くのはすごい画期的だと思うw

サラッと楽しみたい層も、考察厨も両方満足できるようになっている。

 

 

さて、次の話題、次の記事に行く前に注釈~。

この辺はスレの人達からたくさん情報提供をもらってみんなで考えたことです。

ミュトスさん、龍使いのお母さん、名前考え中さん、特異点さん、皆ありがとー。

当時のスレのURLhttps://mao.5ch.net/test/read.cgi/comicnews/1543836203/-100