ものがたりを解釈する

アニメ、漫画、小説、神話、あらゆるものが語りかけてくること。最も深遠な、でも誰にでも開かれている秘密に、解釈というメソッドで触れていく。

一年は正月に、一生は今に在り。

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一年は正月に、一生は今に在り。

 

正月からちょいと車で出かけたら、

晴れている夕空にひとすじの虹が見えて、今年は幸先がいいなと思った。

写真に撮ったらほぼ見えないような幽かな虹だったので、画像は借り物だが。

 

そして流し聞きしてたラジオから、

なんだかとても味わい深くうつくしい言葉が飛び込んできたのでメモしておこう。

一年は正月に、一生は今に在り。

正岡子規の句だという。

 

なるほどなあ。

 

似た言葉、前提の言葉として

一年の計は元旦にあり、ならよく聞く。

新年度の抱負とか、目標とか計画とか、書初めとか、そんなんをあれこれする。

小学生くらいのころは親族で団欒がてら、そんなんを親の前で発表させられた覚えがあるかもしれん。

 

しかし近年はとんとやらないな。

今にして思うと、そんな新年から妄想逞しくというか、欲望や想念で頭をいっぱいにするというのもなんだかなーだ。

 

人間の処理能力をPCに例えるなら、

一年の計ってのは、デスクトップにアイコンを置いとく、みたいなことに思える。

するべきことをいつでも目につくところに、というわけだ。

それ自体はまあ、いいんだけど。

 

ただもし、デスクトップがこういう状態だったとしたら、

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新しいアイコンを増やしてもあかんよね。

紛れてわからないし、負荷がかかって動作がモッサリになるばかりだ。

 

一年の計というアプリを能くするためには、

デスクトップは青く澄んだ空の如く、初期状態に近ければ近いほど好ましい。

 

今年はああしようこうしよう、あれが欲しいこんなふうにしたい。

そういう想いのちからを最大にするためには、

積もり積もったいろいろの思い込みをアンインストールして、

ワークスペースをクリアにして再起動、

スカッと快適明瞭な頭脳にするメソッドこそ、何度でもおすすめだ。

 

なにかと慌ただしい一年の初めこそ、

身を清め、心を鎮めて、

これから起こる様々なことを、我の視点から嘆き憤ることなく、

ありのままを受け入れ、最適のアクションで越えていけるような。

 

そんな心身に、天心に調えていけたらと思う。

 

一生は今に在り。

 

いつでも、人生にあるのはこの一瞬だけだ。

 

過去も未来も、観念の幻。

 

一年というサイクルの始点に元日をおくように、

一生という円の中心に今をおく。

 

すると過去も未来も包括して、自身の本性を、魂の在り様を眺めることができる。

小さくて愚かで愛しい、自我の影を越えて、

ただ無から有を汲みだしている通路、井戸のような泉のような星のような、魂のはたらきを感じて委ねる。

 

そんなんでいいのだ。

 

それがわかれば、抱負も目標もいらない。

だって「せねばならぬ」という思い込みはなんであれ、心身を固くしてしまう。

 

その時が訪れたとき、最善に、インスピレーションのままに動くために必要なのは、

すべてを映して穏やかな明鏡止水の心、しなやかで勘のいい体なのだから。

 

じゃ、今年もそんな感じで、

混迷の世を臨機応変に波乗るように。

融通無碍かつ虚心坦懐で自在にぼちぼちやっていきたいので、よろしくお願いします。

 

あけましておめでとうございました。