界隈で話題のホラー完走おめでとう!
たいへん楽しめた!めっちゃ怖かった!見つけてくださってありがとうございます!
マジで怖くなってしまった人のために当記事で考察と、
最後に恐怖を解体する話もする予定なので、どうぞ心おきなく読まれたし。
ブロ主はいわゆる学校の怪談や口裂け女や人面犬、地獄先生ぬ~べ~が流行した小学生時代を過ごしたので、まさにドストライク。
本屋にも学校の図書室にも都市伝説系の本が並び、更には父親がムー購読者だったw
作者の背筋さんも同世代な気がとてもしている。
さらに初任給でパソコン買ってネットサーフィンを始めるころには、くねくねや八尺様、ヒサルキ、コトリバコ、巣食うもの、雷鳥一号さんの山怖などの良質ホラーが探す度に更新されているムーブメントの世代でもあった。
最近はもう新作よりもそれらを前提とした派生作品の方が主流となり、
この~近畿地方のある場所について~という作品もそれにあたるが、
特にネット怪異譚のエッセンスが集約された連作という感じで、既視感と懐かしさを覚えつつ、
少しづつ更新されていきファンと感想を共有できるライブ感とボリュームとクオリティで、
漠然と感じていたそういうモノへの飢えをこのうえなく癒してくれた。
「マジで呪われそうで怖い・・・けど、先が気になる・・・。読みたいけど読みたくないけど」と葛藤しつつ、更新ボタンをクリックするのも終わりかと思うと切ないけども。
せっかくだから、もう一度まとめて読み直しつつ感想でも書いておこう。
全ネタバレ注意で!怖いのを誤魔化すためテンションは高めで!
この一話め、マジでツカミはバッチリだよなあ。
怪しい転載サイトへの知見や、怪しい住所をストリートビューで確かめてみようという発想が現代人。
「やるやる、わかる~」で共感できて惹きこまれる。
時代の感性に沿ったホラーで、振り返ったらそこにありそうな怖さの演出として満点。
この連作全体でいえることだけど、媒体による語り口調の再現が素晴らしい。
1984年の週刊誌っぽい、カストリ雑誌の系譜というか、ケレン味というか俗っぽさというか、煽るだけ煽って投げっぱなしのいい加減な書き方の雰囲気が昭和ノスタルジー。
被害者宅に取材が押し寄せて引っ越しを余儀なくされるとか、スキャンダル最優先でマスゴミによる報道被害の概念が未だ無い時代の感じ。
その後松本サ〇ン事件とか〇素カレー事件とかで偏向報道の害悪もそこそこ認知され、
今だとSNSで炎上とか各方面からの苦情を無視できなくなったから、
先んじてだいぶ配慮した表現に変化していることを再確認した。
あの頃TV特番でアメリカの超能力捜査官が事件の霊視してたの懐かし過ぎるwww
マクモニーグルていうおっさんだよねwww妙に語呂が良くて覚えてるわwww
小学生はマジで透視の訓練やったわ~。あの星とか波の記号のカード厚紙に描いて自作したわwww
ESPカードっていうのか、今でも買えるんだね。
女の子の写真見てそれと察するのは巣食うものの印の回や、
厄介さは神様に愛されるということという話を思い出した。
気になったらググってくれ。
まあ、ネットロアじゃなくてもしっぺい太郎とか古典にも見れるモチーフだな。猿神への生贄は花嫁と見立てるのがお約束。
ここでも今という時代の表現がスゴイ。
コロナ禍やリモートワークという概念の登場はもちろん、
出版不況とオウム事件以来ニッチになっていった超常界隈の現状が、実録お仕事ドラマさながらのリアルさで描かれていて惹きこまれた。
ホラー好きのオフ会が高円寺というのもよき。雰囲気わかる。
怪談師のツイートだが。
中央線沿線の怪談を集めてると、(駅は総武線だが)東中野の多さが異様。量だけなら本一冊書ける程、様々な体験談が寄せられてくる。なぜこんなに「東中野」駅周辺(半径五百メートルか、もっと小さい円に収まる範囲)に多数の実話怪談があるのか?謎である。あの第六天神社が怪しいかもしれない……?
— 吉田悠軌 (@yoshidakaityou) 2023年4月12日
東中野の隣駅が高円寺。演劇人のコミュニティがあって怪談イベントするハコやオフ会しやすい店が多そうなのが高円寺。あのあたりはなんともいえず空気が淀んでうらぶれて、サブカルも生息しやすい雰囲気ある。
また、作者であるPN背筋が人物として登場するわけであるが、文字媒体ならではの叙述トリックの一種というか、性別が明らかでないのがラストに効いてくる。
怖いよお・・・。
怪異の容姿が見える回。白い巨体、女を呼ぶ、柿が好き、などの共通項が出てくる。
山で遭遇し、姿が見えるモノというとヤマノケやシシノケみたいなネット怪談が有名どころか。有志イラストや漫画出演も多数ある。
山にまつわる怖い話、山怖というのは怪談のなかでも一大ジャンルといえるよな。
山は、人のテリトリーの外、隣接する異界だ。
人の理の通じぬ場というのは恐ろしくも惹かれるものがある。
山のモノで更に人語を操る怪というと、
「すりゃあぬしんんまけ?」「しっぽ しっぽ わたしのしっぽを かえしておくれ」
でググればわかるが、かなり怖め印象強めな話を思い出してしまい、
余計にこの林間学校の話が怖いのであった。
人語を真似てるだけの壊れたレコーダーみたいな怖さはしっぽの話に通づるものがあるわね。
しっぽのやつも赤ちゃんの顔ってーとビジュアル猿系な感じするし。
疥癬とか皮膚病で毛が抜けた猿や動物っていうのはそういうバケモノに見違えやすいということがあるらしい。
この画像は毛が抜けた熊だというが、
正体見たり枯れ尾花、にしても見慣れぬ、異様さがあるものだ。
マジに遭遇したら三度見して腰抜かすね。
うおお読みつつググりつつ書いててだんだん怖くなってきたあああ!!
この回もまた、1900年代のニュータウン開発ラッシュという時代性や、その一昔前のラッシュだった団地というふたつのコミュニティの軋轢を描いていて、ドキュメンタリーとしても読ませる舞台っていうかね!ほんとそういうとこすごいよこの作品!
そして真っ白さんね。
これは読んだとき「ヒサルキ」にインスパイアされたっぽい話だと思った。
子ども達の間でだけ認識され、大人は子どもの異常行動から窺い知るだけという怖さの語り口は きんきらさん を思い出しつつ震えた。
ヒサル、あるいはヒサユキ君、みたいな表記の揺れがあって、
この作品でもましろ(白)、ましら(猿)、まさる(人名)と、表記の揺れそれぞれに意味が肉付けされていくわけだが、
ヒサルキもサル、猿らしき怪異の場合もあり。しかしてその正体は獣の皮を被った不可視の霊体のようでもあり。
名も姿も曖昧なまま、それらしきモノの投稿や考察が盛り上がってた時期があって、あれは今思えば黄金期だったよなあ。
無責任なネット住民まかせではヤマもオチもまとまるはずも無く、ただ忘れられていく話だったわけだが、
この作品内では、ひとつの物語として読みやすく納得いくものとして再編成されていて、
それはひとつの決着であり昇華であり、ひょっとしたら墓標かもなぁと思うのであった。
ヒサルキの噂は、不特定多数の観測者が複数の異なる投稿から共通項を見つけることで展開していったもので、
その在り方こそこの~近畿地方のある場所について~という物語の雛型ともいえるだろう。
中途半端に散らかったまま忘れていたヒサルキの話も、
この物語に取り込まれて諸共に終わったような気がしているのだ。
あとそういえば、
ブロ主はうしおととら世代でもあるわけだが、
幼女を攫い、毛を残していき、猫を〇してる猿っていうと、なまはげを思い出してもうダメww
猫の血痕でうしおを騙すとこの絵が怖すぎてさあ・・・。藤田和日郎の妖怪絵はトラウマメーカー過ぎるww
ユーチューバーによる心スポ凸はそうやって文章化するのかー、と感心した。
怖い噂を扱う媒体を網羅するモキュメンタリー形式としては、いまどき当然動画配信も外せないわけだが。
動画の内容を地の文で書き起こすより、
※現在削除済みのため以下ネット掲示版に投稿されている動画内音声の書きおこしを転載
という形式にするとは、恐れ入った。
こういうこだわりがリアルな怖さを演出してるよなあ!創作乙と言い難くなる!ほんとに有りそうな気がしてきて!怖い!
メリーさんのような、だんだん近づいてくるパターンの怖いやーつ。
夢のなかにも来るのが怖い。
次に眠ったらアウトのフラグたてて終わるところは、
メリーさん+猿夢 って感じ。
はいまた猿系の怪異でね、ネタを天丼にね!わかってるとも!!
神保町と聞くと反射的にカレーが食べたくなるな・・・。
神保町っていかにも編集者が打ち合わせしてそうな町だよねえ~。
神保町といえば、出版社と古本屋と純喫茶とカレーだよね。
各話の繋がりを示唆する、謎解きガイダンス回。
2009年の投稿で八尺様に言及が。
そう、八尺様は超有名ネット発怪異だからね!代表格といってもいい。
アクサラとかの派生も生まれるくらいの知名度というか浸透度があった。
ジャンプ女という派生が生まれてもおかしくなかっただろうっていう、そういう説得力だね。
八尺様とくねくね、口裂け女と人面犬、ジャンプ女とまっしろさん。
双璧として挙げやすい怪異なわけだが、
構図的にはヒロインとマスコットみたいなことに思えてきた・・・。
2015年でIターンブームかあ。そんな言葉あったなあ。
一か月して忘れた頃にやってくるとか嫌な怪異。
この連載も終わって、怖い思いをしたことを忘れたころになんか起こりそうっていうかさあ!?
不動産サイトで心霊写真っていうのもあったねえ。
怖いから画像は載せないけど、白塗りのクローゼットの隙間になんかが見えるっていうのがバズったのは2021年ぐらいのやつだったか。
あれも一枚バズれば、ネット民が我も我もと探しはじめて色々見た気がする。
本当にあった怖い名無し キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 名無しさんキター!
ご存じ洒落怖スレの転載風。
おそるおそるID検索かけてみたけど、該当スレ無し!!!
創作で良かった!!!٩( ''ω'' )و 良かったよお!!
洒落怖の投稿でもありつつ、ブログ文化についても描写されている。
二つの媒体をカバーしてる回。
fc2ブログかあ。SNSって結構、雰囲気や住み分けがあるというか。
はてブロは主婦や陰キャ層多め、アメブロは芸能人やスピ系多め、ライブドアブログは堅め多め、みたいな印象だが、fc2ブログは画像アップに強いというから、それこそバイカーの日記や旅行系が多いのかな。
ところで、祠は地元民からは放置されてるのだが、今風な美少女フィギュアまで詰め込まれてるという。
ねんどろとかレーミクとか詰まってたら草なんだが。
つーかオタクが作る推しの祭壇で脳内再生して怖さを誤魔化そう。
怖いの怖いのとんでいけ~♪
オタがせっせと嫁を溜め込んだ祠。
「確か僕より前にいた先輩なんかはあのあたりの宗教施設の潜入ルポを書いたって言ってました」というのは今まさに会話してるPN背筋さんのことではないのか?
読み直すとはてな。
気がついても知らんふりをする。という護身法はよく聞くね。
見えないフリだけでどこまで逃げられるかの限界を更新し続ける漫画見える子ちゃんとか。
料理したものから「味がしない」というのは、この話以降も出てくるキーワードになる。
これはさほど既視感もなくそこそこ不気味で、オリジナリティのある設定に思える。
コロナの症状である嗅覚味覚障害からきてるのだとしたら、まさかあれがと思い当たる人もいるだろう。なかなか時代を捉えていてゾッとする。
味がしない、か。
味というか、味気、精気だけ吸われちゃってるみたいなことかなあ。
供えられてもいない食物から味をチューチュードレインしてしまうとは。
お行儀も悪いし、人をチューチューするときも情報だけ吸って肉はいらないタイプってこと?
あああ力士シールね!あったねそんな事件!!
2008年のね!あれも謎だったなあ~。そう2種類あったらしいね。
そのころはもう東京に住んでなかったから実物を見たことはないのだが。
異様に手足が長いっていうとスレンダーマンみたいな?
やっぱそういうネット怪異のモチーフがそこかしこにあるなあ。
きっと自分も全部は拾えてないから、いつか考察サイトとかで網羅してほしいところ。
チェーンメールというのも懐かしい。90年代、携帯やピッチが女子高生のアイテムだったころの言葉。ルーズソックス履いてケータイにストラップをいっぱいつけた女子高生が最強の存在だったころの言葉だ。
もう時代はSNSで、若者はメールなんか使ってねンだわ。
アムウェイみたいなネットワークビジネスの怖い話もぶっこんできたかあ・・・。
それは山怖よりも怖い、人怖というカテゴリ。にんげんがいちばんこわい。
いわゆるひとつの意味怖、意味がわかると怖い話ィ!
短編としてもそこそこ秀逸ゥ!
エビ→メダカ→ヤモリ→ハムスター→インコ→猫→犬・・・
そして次は子ども、その次はきっと嫁。
だんだん身代わりが大きくなっていくの怖い。
いやむしろ、身代わりを次々と淡々と用意する男が一番怖い。
こいつきっと次は実家に帰って親と同居するぞ。
星新一の「暑さ」みたいな。
しかし、ゴールデンレトリバーなどと気性の穏やかな犬でなく、
しっぺい太郎のように白くデカく強く、紀州犬や秋田犬みたいな猟犬を仕込めば猿には対抗できた可能性もあったような。
犬は飼い主に似るから無理なような。
月刊誌はきっとムーww
UMAとUFOの無駄な知見が差し挟まるのウケるww
こういう小技が楽しい作品だよなあ。媒体の雰囲気再現度というか。
カレー回というのはアニメ漫画では一種の定番なんだけど、この作品だとそうくるのか・・・。OH・・・。
色々気になるサイコさんからの手紙風。
山に誘う女好きの白い大きいサルぽいやつと、赤いジャンプする女は、なんか似てるとこありつつ仲良くはなさそうな。
アレら、と、山に誘うものを複数形で呼び、それが神でもなく、すでに人でもないと?
あー、ていうか、ワタシ(赤い女)と、己(山へ誘うもの)が混線して交互に書いてるみたいなことか。
いふ、とか、さうやって、とか言葉遣いが古いところは明治生まれの語彙なのか。
言葉遣いで色分けするとこんな感じか?
一行の中でも混線してる可能性もなくはないが。
例の味がしない料理って食べたら毒なの?
神饌や仏壇のお供えはお下がりをいただいても良いが、
施餓鬼に供えたものは食べてはいけないというけども。
ケガレ(気枯れ)たものは食べても力にならず、腑を重くする。さらに伝染するかもってか。
まぁ、変だなと思ったら勘を信じて食べない選択もできないとなぁ。
現代日本人は安全であることに慣れ過ぎて、疑わずに接種摂取しすぎ。
もっと生物として鋭敏であれし。
心スポ凸実況。安価、保守、通報しますた。あるあるw
釣りであれー。
実況系の伝説といえば蓋スレとか?
前半はお仕事ドラマ風、後半は巨大建造物侵入の舞台の切り替わりがイイ。
どっちも好きな舞台だし、細かな描写で作者の取材力が確かなのをここでも感じる。
まじでカクヨムの他の作品とかほぼなろうと変わらないナーロッパ転生俺ツエーか悪役令嬢ザマーが主流で、ほんとに異色作だし、クオリティがアマじゃなくてプロのそれ。
ダム怖もまあ、ジャンルってほどではないが。
道は整備されてるし夜は無人の環境から心スポとしてメジャー。
怪異と水辺というのはいかにもだし、
だいたい集落が沈んでるしな・・・。
ダムの建設までには、だいたい蓋をされた闇深い話があるものだ。
「先祖代々の田畑が」で集落が消失するのに当然反対する派と、
補償金もらって他所でやりなおすアテがある推進派で、内輪揉めがおきる。
そもそも村内で揉めてた問題や派閥が絡んで陰湿な骨肉の争いに。みたいなのがパターンか。
でも作者もそこを掘り下げる年代でもないんだろうなっていう。
山に誘うモノは若い娘がターゲットで、
赤いジャンプ女は経産婦がターゲット。
住み分けてるから何だというのかww全年代逃げられない怖さしかないww
男性はどの場合も供物の運び手や媒介者として使われるみたいだねwww
それ以外の年齢でも身代わり需要がありますからwww
老若男女逃げられない怪異でしかないんですよwww
記憶が抜け落ちて、自分がなにをしたか分からない恐怖か。映画だけどパーフェクトブルーを思い出した。ジャンル的にはサイコホラーというやつか。
ましろさまとジャンプで、二つの怪異が混じってますね? ふむ。
この話の男は、ペットを次々に身代わりにする男と違って、髪と人形で身代わりをつくりなんとかして女性を守ろうとしていて哀しい。
しかし、ペット男のとこで住職も言っていたが、このテの神系にマーキングされると時間稼ぎはできてもいつかは・・・っていう感じが否めない。
「一旦は大丈夫だから」って、一旦が過ぎたら大丈夫じゃなくなるってことだし。
こんなちょっとした、すぐ真似できるような仕草の儀式から取り返しのつかないことになっちゃう系のやつというと、リアル の読み心地に似てるかもしれない。
「情報をお持ちの方はご連絡ください」のタイトル回収のやつ。
同じ表題のやつがここからラストへ向けて加速していく仕掛けになるとは。
ここから、
二十六話、二十八話、三十話、三十二話、三十四話、と一話ごとにこの話のバージョン違いが差し挟まれるのだ。
更新されて「あれ?これ読んだような・・・あれ、前のもナンバリングが4?」という既視感からの仕掛けに気がついて戦慄したw
なんかこう、様々な怪談をオマージュしている連作だから、いつもなんとなくどこかで読んだような既視感が付きまとうことを逆手にとって更に強調する天丼な仕掛けというか。
疑問を抱かせ、サイトを行きつ戻りつ数回読ませる体感型のホラー。脱帽の手法っすわ。いやプロだろ。
考察するとなるとクソまぎらわしいので数字つけといたんだが、
空白の間隔のとおりの順に読むと、冒頭のカフェでの振る舞いで小沢君がだんだん余裕をなくしていく描写になってるから、間隔が時系列で、
二十四話と二十六話の間隔にまだ加筆される話があるということか、
それとも4の位置をなぞると 了 になるということか。
あと小沢君は十八話ホワイトマンでのキャンプ家族が助かった例としてるけど、
二十九話の老婦人が語る知り合い家族が後日談だとすると助かってませんね・・・。
二回り年下の彼は背筋さんの息子とほぼ同じ年代で、子を失う母の哀れが赤い女にオーバーラップする。
そう、こういうヤマもオチも無いような噂がひたすらに書いてある怪談シリーズ本が雨後の筍のように出版されていた小学生時代だった・・・。
限られたこづかいで駄本を買ってしまったときの落胆と、それでももったいなくて隅々まで読んだ悔しみを思い出した。
学校の怪談ブームは1990年代が最盛だと思うが、
公衆電話のさとるくんは2000年あたりの都市伝説なんで、この怪談本も2003年の出版なんだな。
怪談本といえば、
宿直の先生なんてシステムは1990年ごろにはもう全国で撤廃されてたろうに、妙にそのイメージが怪談と結びついて鮮明ですよw
自分の行った小学校には畳敷きでちゃぶ台が残ってて宿直室という札のかかった部屋だけ、まだあったような。
宿直制度は1975年くらいまでなんだって。生まれてねえw知らんはずなのにw
昔の学校には宿直室があり、用務員さんとか、教師が寝泊まりしていた記憶がありま... - Yahoo!知恵袋
しかし七不思議なんて、誰が言い出したのやら。
どこの学校にもあることになっていたが、まあトイレの花子さんか、歩く二ノ宮金次郎像か、音楽室のベートーベンの絵が笑うとかの似たり寄ったりのレギュラーだけで七つ以上になっちゃうんだよな。
それよりも、通学路の途中にあるヤベー人の家とかのほうがリアルなスリルあったっけ。また性格の悪い犬が放し飼いにされててさあ・・・。
十九話と同じ人からにしては随分知能が進んだ感の手紙。
内容的には赤いジャンプ女からだけど。
二十話の廃墟お札屋敷のスピママで、
次の二十九話で怪異となった経緯が語られる人。
十九話の電波レターは直接投函だというが、
この手紙は近畿からの郵送だったのだろうか、消印が気になるところ。
まだ人であった彼女がだんだん狂っていく過程の描写でもあると。
てことは、
時系列的には十九話の電波レターのほうが後なのかも。
憑かれた背筋さんが書いたものっていう可能性もあるな。
夢遊病状態でも東京にある出版社に直接投函できそうな人物という意味で。
メタ的な認識を語る回。
怪談は繰り返されるって、そりゃネット怪談を集積したこの物語のことではw
アムウェイやったらオウムやら統一教会やらのカルト宗教もやりますよね。わかります。そこをネタにできるの素直にすごいです。
十二話の伏線回収回でもある。
やっぱこういう体当たり取材って村田らむさんみたいな男性がやってそうと思うよな。
で、そうか。男子禁制カルトだったから、男性のOさんではダメでそこから4年後に背筋さんが潜入するのね。
過去回想突入からの因縁を明かす回。
って言い方をすると漫画などではラスボスバトルに入ってのお約束みたいなもんだがw
ネット上の情報を検索で手繰るだけではどうにもわからないことが、現地に行ってみるとあっさり判ったりするというのは、
ググればなんでもわかるつもりになっちゃう現代だからこそ、あるあるとして心得ておきたいところ。
ものを見る視点が違うからな。自分の知りたいことを見て撮ってアップしてる人は稀。
昔の人はなんでもネットに書いたりしないしね~。身内の恥には口を噤むし。
まーまー、この辺を詳しくしてくれるのが作品であることの有難さだなと思った。
ネットの怪談は一人称の経験談に終始してものごとの成り立ちまで遡れないことの方が多く、
かといってヘタなバラシ方をするとそれはそれで創作乙と野次られる、匙加減の難しいところなのだ。
「お前たちあそこへ行ったんか!」とか叱ってくる訳知り顔の爺ちゃんキャラとか住職神主とか登場すると、あーそのパターンかーで萎えるっていうw
八尺様にくねくね、姦姦蛇螺とかコトリバコとかリョウメンスクナとか裏S区とか、有名作でさんざん見た展開だからな・・・。
記者がわざわざ出向いて取材して聞けた話、という語り口は良かった。
ネット伝奇の集大成といえる、実に良質なホラーだった。
この物語をリアルタイムに理解できる世代で良かった、心から楽しめた。
あと作者の近況ノートとツイッターも使い方が秀逸だから忘れずに。
なんならカクヨムのレビュー欄もなかなか読み応えがあることになっている。
すでに書籍化も決まったとのこと。
よし!では総括といこうか。
二十八話あたりから怒涛のネタバレとまとめで情報量がやや飽和するわけだが。
つまりそもそも、山に誘うモノはさしたる由縁も無く形だけ祀られたヒトであり?
忘れられた神の祟りなどでは無かったけど、それだとかえってタチが悪いともいえる。荒神でも御霊でもない、神格も権能もない、凡夫をのぼせさせただけの神て。
てかそんなことでこうも強力な怪異になるというのもピンとこないが。
じゃあ、怪異の核なのはマサルじゃなくて黒い石なのでは?
そもそも彼らがおかしな死に方をしたのも石の誘惑によるものなのでは。
隕石か何かなのか、珍し気な黒い石が、人の血を吸い人に祀られてどんな存在に成ったやら。
人を食いたい虫のような本能だけの存在ってエイリアンな感じするわ~。
ウェルズの宇宙戦争のやつみたいな。まさかのUMAオチw未確認生物説だったかww
蜂や蟻などの社会性昆虫、鳥の編隊飛行や魚群のような群知能の生態ぽいから アレら というのか。
スイミーで脳内再生すれば怖くないぜ。
小道具扱いだった黒い石を中心に考察するとパズルのピースが合う感じがしてくる。
そういや怒涛のネタバレがあったのに、ラストで黒い石の所在、不明だねえ・・・。
明治から祠→2000年まで宗教施設→2011年まで廃墟お札屋敷→そこから軍曹が魅入られてどっかに持っていったと。
ああ、赤いジャンプ女は宗教施設からお札屋敷(自宅)に石を持ち込んで拝んでたのか。
そして、黒い石は経年変化で白猿化したまさると、加えてあきらという新しいアバターもゲットしたと。
発生源が同じだからふたつの怪異はちょいちょい混線すると。
でも赤い女には白猿=黒石=あきら であることがわかっていない、と。
宗教のご神体が、祠から盗まれたモノと知らなかった?のかも。
石からすれば、人間を友釣りにするための疑似餌やデコイみたいなものなのかねえ。
知能のスケールが違う獲物を狙う時、人間だってキラキラの魚そっくりのルアーを使うもんな…。
人だったころの残りカスを再構成した式神みたいなものだろうが、
白猿まさるは娘ばかり選り好みをするが、
あきらと赤い女の導入で獲物の守備範囲も行動パターンも広がって、
黒い人食い石は大漁でホクホクなのでは。
ふむ。
では、その黒い石とやらを破壊ないし海にでも投げ込めば根本的解決なのかもしれないね。
まあ、簡単にそうさせてはくれないだろうがw
さて、ここまで読んで怖くなってしまった方がいれば申し訳ない。
詫びというわけではないが、オカルト大好きブロ主から、心整うホラ話をしておこう。
自分はオカルトのすべてを否定しない。
幽霊も、妖怪も、宇宙人も、神も悪魔も。
そして有限のすべてを内包する無限であり、
始まりの前にあり終わりの先にある神秘も。
一切皆空 一切有為法夢幻泡影
だから、ほんとうはなにも怖くはないのだ。
二十九話の老婦人作家と、三十三話の老爺、語り部のじじばばの示すメタ。
怪異は語られることによって、神は祀られることによって、力を増すという思想。
人間集団の無意識の力をある対象に方向づけて束ね、強化するという思想。
そういうことはあるだろう。
そしてそれは、ヒトが己の心の力というものに無自覚無責任だからそういうことになるともいえる。
対象がなにかも知らず、恐れ、あるいは縋り。
一人ならまだしも集団でそれやっちゃって、ますます無責任になり、手に負えないほど膨れ上がれば忌避して封じる。
いい加減そんなこっちゃいかんのですよ。
自分のもつ、一人分の意識の力、それを正しく自分のもとに在らしめる。
それができれば、怪異も支配も振るえる力を失くすのだ。
噂を恐れることも、神に縋ることも、
自分のもとに在るべきパワーを不用意にダダ漏らしにしている行為であることに気がつき、律することを覚えればいい。
それは本来、あなたのもとに在って使われるべき力、使命を実現するための祈りの力なのだ。
まあ、
もっとてっとりばやくこのテの怪異への解決策を提示するなら。
怪異の引き寄せる力に抗えないなら、
怪異より強い神様に帰依すればよくね?
とは常々思うところ。
老婦人作家のように「幽霊なんていない」と言いつつ、
そこに自己正当化とか「もしかしたら」みたいな恐怖や矛盾があると防御として隙だらけでダメ。つけこむ余地みえみえ。
たとえばダムの近隣住民は「うちは仏教だから」と言っていて、
まあそれでどのくらいの信心か推し量れるわけではないけども、
天部や菩薩ならまだしも如来クラスなら、百年やそこらで一部地方限定の怪異なんぞに負けるわけねえから。二千年のワールドワイド宗教は信仰強度レベチだから。
あとは、怪異との縁が強いか、仏との縁が強いかってことになり、そこを決めるのは自分自身の意志でなんとかなる。
祟られたからって住職や神主や霊能者に縋ってもそりゃダメだよ。かれらにんげんだもの。
仲介者なしで直に如来か創世神クラスの神にアクセスして帰依する。これでイケる。
怪異があると認識したなら、神仏があることもまた認識できるところにきている。
時間も空間も越えて存在を感じ縁を結べるのは神仏とて同じこと。
ジャンプして名を呼ぶだけで怪異と繋がってしまうこともあるように。
神仏と繋がる方法も基本的にはよく似ている。身口意の秘儀ということだが。
滝行とか出家とか大袈裟にしなくても、般若心経百回写経読経とかでもいけるいける。
そしてそこで助けて欲しいと縋るのではなく、己を手放してすべてを委ねるのだ。
神仏と一体となり調和すれば、マーラの付け入る隙も無し。
それがスピリチュアルスペースで高みに導かれるのと何が違うかっていうと、エゴの捨て具合がコツ。
自我、我欲、執着、恐れ、四苦八苦みたいな色んなものを持ったままだと、近い波長の存在が寄ってきてしまう。
だから正しい心のセッティング、アファメーションが重要になるから、間違いのないところとして般若心経を例にあげるのだが。
いやまあ。
別に「幽霊なんているわけない」派もそれはそれでいいし、
日本人の日常から素朴な信仰心が薄れたことを嘆いてるわけでもない。
自分の心の在り方を、自分で決められるなら、
それが自由であり自在であり、最も素晴らしいことだから。
ちな自分のスタンスとしては、神も悪魔もいるにはいるだろうが、
「祖に逢うては祖を殺し、仏に逢うては仏を殺せ」という禅の精神に心を定めている。
神や仏に縋りたい己の弱さを斬り捨てて進めば、
神仏を越え、理法(ダルマ)を越え、最後のポータルをくぐって至る涅槃の境地があるからだ。
それは普く惜しみなく万物に万人に、ただ開かれている。今この時にも。
よし、心が整ったからもう怖くない。
メンタルケアメソッドを会得したことで、
いっそう心置きなくホラーに没頭できるようになったというww
高尚と卑俗は陰陽引き立てあってこそ味わい深いものですね。
洒落怖有名作のタイトルがまとまってるサイト。リンクまでググるかはご随意に。自分も久しぶりに巡回してみようかな。
虚構推理の岩永琴子。
これもネット発怪異のムーブメントからの派生作品だ。
くねくねや八尺様が生まれたように、掲示板の書き込み、ネット民の無責任でゲスな集合的無意識から怪異が生まれ、
琴子はネットの書き込みを誘導することで怪異を消してもみせた。
そういえば、隕石が核になった怪異というネタもあったっけ。
洒落怖派生作品てどのくらいあるんだろうなあ。
映像化とかもあるよね。
“洒落怖”の最恐トラウマ話「ヒッチハイク」映画化! 主演は「原因は自分にある。」大倉空人 : 映画ニュース - 映画.com
ミッキーマウスマーチは差し替えでしょうなwww
怪異よりディズニーのほうが怖いというホラーwww
【コラム】洒落怖『リゾートバイト』の映画化が「リング」みたいになりそうで死ぬ程洒落にならない | ロケットニュース24
きさらぎ駅も映像化されていたのか。
まあ、自分はホラー映画よりアニメ派なんであしからず。
石が人食いで思い出したチキタ・グーグーこれ名作。
石の人食い、水玉のクマの人食い、美少年の人食い、人を食えなくなっていく哀れでいとしい人食い達、各種取り揃えております。
HGウェルズとスピルバーグとトム・クルーズとかいう約束されたクオリティ。
今敏監督もきっといつまでも色褪せないよな・・・(T_T)それがオリジナルということ。