ものがたりを解釈する

アニメ、漫画、小説、神話、あらゆるものが語りかけてくること。最も深遠な、でも誰にでも開かれている秘密に、解釈というメソッドで触れていく。

モノノ怪、海坊主を解釈する。妖の視座

 

 

ファンアート描いてみた!

当方お絵描き勢ではあるが、薬売りは寄せてける気がしないので猫でファン絵。

猫は好きだ。今も二匹飼ってる。

モノノ怪が化猫で始まり化猫で終わるシリーズっていうのも最高にツボなので、

それぞれの化猫で陰陽の対極になるっぽく描いてみた。

花嫁タマキとネコは作中でひたすら可哀想なので、そういうの二次創作では昇華したくなるよね~。ニコニコにしといたよ!

 

 

さて、前回の記事はその化猫の解釈、

猫を意味するマオという名がついてる理由、

復讐を25年も待っていた謎を解くべく書いてみた。

 

 

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モノノ怪 弐之巻 海坊主 [DVD]

 

で、続けて海坊主も見てみた。

だってDVD持ってるもんね。オーディオコメンタリーも聞けるもんね。デュフフ

 

化猫で登場した女中カヨが再登場し、

「坂井家の化猫騒動」として前作が仄めかされる。

 

だからっていうか海坊主は、化猫を見てるか見てないかで全然見方が違ってくるのだ。

 

化猫の内容がまるごとミスリードになる。驚嘆せよ。

 

既読者は化猫騒動の目撃者であるカヨと同じ目線、同じ疑いを抱きながら見ることになる。

 

化猫では25年、海坊主では50年とちょうど倍の年月だが、

年老いた男が振り返り語る若き日のあやまちが、

とんでもない美化された大嘘なんじゃないのか。

死人に口なしというが、死んだ女性サイドには全く違う言い分が、異なることの有様があるのではないか、という疑問がちらつくのだ。

 

それだけ前作のインパクト凄かったからな。

一見して物静かな隠居、しかし家人を諫める言葉には道理と威厳があって、

この人はマトモそうだなーと思ったジイさまが、アレだった。

 

初見の印象を裏切られたぶん、過剰に警戒してしまうのだ。

 

しおらしく罪を告白する僧も、どうせまた最後には大噓つきの醜悪をぶちまけてくるのでは、と。

 

 

 

いやー、まんまとミスリードにひっかかり、

気持ちよく騙されるのがまた一興ですなあ~。

 

 

海坊主は、まあ今でいうところの

「推しのためなら死ねる」が、ガチのリアルだった女子だな。

しゅきぴ彼ピに貢ぐために体をはる系。地雷系。ぴえん。

おヨウの衣装はリボンやリンゴのいかにも少女なモチーフだったが、

クロミとMCMリュックとモンエナピンクに脳内換装しても違和感なしww

黒髪ロングにぱっつん前髪てのがまたww

 

mtrl.tokyo

 

ほんと十代の女子ってそういう危うい心理あるよなあと思った。

好きな人が世界の全部で、そのために自分をすり減らして堕ちて死にたい、みたいな。

破滅願望でもあるし、自己犠牲には酔える快楽と中毒性がある。

単に世界が狭いだけでもあるんだけど、箱庭には箱庭の退廃の耽美があるわけで。

 

で、まあ。

 

好きな人と兄妹だから結ばれず、それでも尽くすためなら死ねると、

兄の身代わりに、人身御供となって海に流された妹がいて、

 

妹おヨウは一応心残りなく死んだのに、

兄の僧のほうが妄執を拗らせてしまった。

 

その妄執がアヤカシを呼び、50年かけて海を魔境にした。

 

っていう話だったわけだが。

 

しかし、妙にリアルな男女関係というか、

ぴえん女子が尽くしがちな男、

ホストやバーテンや地下アイドル、

女から搾取するのに慣れた男、女が金にみえてる男。

なんでかそーゆー男にばっかりハマってちゃ報われるはずもなかろうけども。

 

僧の兄も「死にたくねえ、いい暮らししてえんだよ、こいつぁバカだ、なんだ金か?金ならねーぞ。」

っていう見事にそーゆークズ男な内面だったなw

 

しかし顔が良くて中身クズで、なぜか女に尽くされる、そういうタイプの男が、

女を踏み台にしたことを思い悩んで、50年も経って弔いにくるなんてことあるもんかねえ。色子ぽい弟子を連れてるあたり性懲りもねえなって感じしかせんのよ。

まあ、他人じゃなくて妹だから、そこは縁を忘れられるものでもないだろうけど。

 

ただ、前回の化猫で、奥座敷の荘厳過ぎる装飾が一種の魔法陣なのではないか、

あの部屋こそがアヤカシなのではないか、と思ったのは、

海坊主を見ていたせいでもあるんだよなー。

 

海坊主では、空中に目が現れたり、鎖のような魚のような船幽霊が飛び交ったり、

なにもないところからモノノ怪がでてくるから、空間そのものがモノノ怪のようだっていう印象をもつのだ。

 

アヤカシの海、という魔境のような空間が意志や指向性を持つ。

あるいはアヤカシ達の視点から考える、という発想があると、

エピローグの解釈が少し変わる。

 

僧と虚船、ペアで半身の妄執が退魔の剣で斬られ、海坊主は祓われるのに、

船に乗り合わせた人斬り侍と妖刀というペアが、次のモノノ怪に成る。という展開。

 

それは、アヤカシの海というモノノ怪が、核の代替わりを行ったのかなー、みたいな、そういう見方だ。

 

アヤカシの海が、アヤカシの集まる場としてのホメオスタシスをもっていたから、

50年の節目に、古い核の主と、新しい核の候補者を、呼び寄せたのでは?

彼らは自発的に行動したようで、実は「呼ばれた」っていうやつだったのでは。

 

「迎え、誘う声こそ恐るるべし」と、薬売りが言っていたのはそういうことかもな、と思うのだ。

 

船の乗客たちを迎え誘っている声の主は、アヤカシの海さんですよね。

 

海座頭だけどういう繋がりで出てくるのかピンとこないのも、それで腑に落ちるんだよな。

空中の右目や影の魚、鎖のような船幽霊は、僧の心象とリンクしてるからわかるけど、海座頭は僧の心のどういう部分の表現なのかわからない。

海座頭はアヤカシの海という場から、代替わりの儀式の執行者として登場したのかな、と思えば。

 

アヤカシもなー、

八百万もいるとなれば弱いものもいるわけで。というか大半はザコなんだろうな。

それを倒して名を上げようとする行者や、捕まえて見世物にしようという商人がいる。

それら外敵はたいへんな脅威だ。だから群れて生存を有利にしようとする。

そこに、「激しい人の情念がアヤカシと結び付くとどうなるか。もはや封印の呪符など効かぬ魔羅の鬼。」という言。

あー、

逆にアレか。

人の妄執を取り込むことは、アヤカシ達にとっては強くなって大きくなって、人に脅かされずに済むようになるっていう側面もあるんじゃあないのか・・・?

その生存戦略に気がついたから、

積極的に情念の強い人間を誘い込もうとするようになったのでは・・・。

 

結局、また人間が諸悪の根源でアヤカシかわいそうなのか・・・。

 

 

まあ、薬売りが居合わせてるから、

新しい海坊主(海侍?)も退魔されちゃうんだろうけど。

 

 

 

つか、そうそう。

それよりなにより当ブログ的に注目なのはだ。

海座頭に問われ、薬売りが答えたあれ。

「私が本当に恐ろしいこと、それは……この世の果てには、形も真も理もない世界がただ存在しているということを知るのが、恐い。」

 

えっ。

 

なにそれすごい。

 

この世の果てには、形も真も理もない世界がただ存在している。

 

だと・・・?

それは、恐いことでは無いはずだ。

 

理、心のありさまが無い、ということは、

恐い、ということも、そこには存在しない。

 

有限の世界の果てを越えて至る、無限。

 

それは涅槃、あるいは空(くう)というのだ。

 

薬売りスゲーこと言うなぁ。

 

それは海座頭の幻覚でいいから是非味わってみたい感覚だ。

それは究極の瞑想の境地そのものと言っていい。

 

幻覚攻撃を利用して見たいものを見てみるとか、さすが策士よのう。

饅頭コワイの本質を見事に応用しているw

 

 

 

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~ayakashi~化猫 を解釈する。マオは猫。

怪 ayakash 化猫 [レンタル落ち]

 

というわけで早速視聴、徒然に書きはじめてみる。

 

一作目の化猫はオムニバス企画のなかのひとつに過ぎなかったのが、

あまりにビジュアルが素晴らしかったので、後にモノノ怪シリーズが制作されることになったのだとか。

 

漫画雑誌とかではよくある話だよね。

読み切りのつもりがバズったから連載企画になる、みたいな。

アニメオリジナルでは珍しい成り行きだけど。

 

そんなわけで、化猫では薬売りの髪質がややストレートだったり、

オープニングがいかにもなサイケデリック模様だったり、

台所の3Dオブジェクトがもろ素材で低予算感だったり、

モノノ怪シリーズほどビジュアルが定まってない感を楽しむのも乙なものだ。

 

あらすじは、まあ。

とんでもねえ悪代官が花嫁行列から花嫁をさらって、

座敷牢で監禁虐待死させたのを、一族郎党で幇助と隠蔽。

あまりの所業に、花嫁が隠していた猫が祟って皆殺し。

 

三行でざっくり言うとそんだけの話ではあるが、

隠蔽された事実が証言で少しずつ暴かれていくサスペンス感や、

不可視の化猫がひたひた迫るホラーな演出、

なにより他に類を見ない独特な美術に、何度見てもずっと目が釘付けで、処理能力が飽和状態なので、

筋書きも追いつくだけで精いっぱいっていうビジーな感じマジ最高。

 

で。

なにか新しいことに気がつかないかな~と思って観てたから、

真央、という名前が気になった。

マオ、中国語で猫のことだね!

 

マオは坂井家の娘。諸悪の根源の悪代官の孫娘。

拉致虐待殺人から25年経った、マオの輿入れの日に化猫騒動が起こる。

 

25年。

 

怒り恨んでいるのに、それだけの長い間復讐を待ったのはなぜなのか?

 

作中で「この家から花嫁が出ていくことが許せなかったんだろう」と、

一応納得できるセリフがあることはあるのだが・・・。

 

化猫は、原作なしのオリジナルシナリオではあるけど、

鍋島の化け猫伝説からモチーフをとっているのは伺える。

鍋島騒動 - Wikipedia

つまるところ、女主人の仇討ちをする猫、だ。

子どもの頃、なにかの漫画で読んだのだが、

「猫や、仇を討っておくれ」と言い遺して懐刀で自害する奥方、

その血を舐めて飼い猫が化け猫に変じる場面がうっすらトラウマ・・・。

 

台所で油がこぼれている場面があるが、それは猫が舐めたのだ。

魚を絞った生臭い油を安価な灯りとして使い、それを猫が舐める。

女に化けて潜む化け猫だが、それで正体がバレるっていうアレ。


そう、化猫は、

 

女に化けて潜む。

 

マオ。

 

孫娘のマオは、猫だった?

 

いつから?

 

まさか25年間、ずっと・・・?

 

 

ゾッとした。

 

そう思ってみたら、

最初の犠牲者であるマオの遺体が、

さらわれた花嫁タマキの顔に変わって口裂け笑いを浮かべ、

赤い爪を長く伸ばして薬売りの足首を掴む、あの場面の意味が変わって見えてくるね!

 

死んだ花嫁マオに猫が憑いたのかと思ったけど、そうではなく。

 

マオ=猫だったのだ。25年きっとずっと。

 

そうだ。

化猫は、花嫁の仇を討つ。

監禁を知っていながら見殺しにした使用人や嫁いできた奥方、

粗末な食事を運び蔑んできた女中、死体を井戸に捨てた家臣、強姦した長男。

加害者はみんな食い殺して、吐き出して壁に塗りたくってやった。

罪の重い者ほど後に残して、たっぷりと恐怖する時間を与えてやった。

 

ただ、最初の犠牲者であるマオは、花嫁の仇ではない。

花嫁の死後に生まれたんだもんな。

だから、マオを殺すことには復讐の正当性が無い。

 

モノノ怪の理(ことわり)は人に理解できるものとは限らないから、

係累というだけで同罪として殺すこともあるかもしれないが。

 

しかし、そうだ。

ただの猫が化猫に変じるためには、なにか代償やエネルギー源が要る。

鍋島の化猫は恨みの篭もった女の血を舐めたが、

花嫁タマキは猫に「お逃げ」と言ったのだ。

復讐の代行を頼んだりしていない。

 

猫は、花嫁と母猫も殺されているので、

自発的に復讐を決心するのもわかるが、

生まれて数年の猫には、そこまでの力が無かった。

 

だから、その家の娘に成り代わり、25年をかけて力を蓄えたのではないかな・・・。

 

成人は無理でも胎児に憑くとか、それくらいならできたのかもしれない。

主犯の孫娘といいながら、主犯は息子の嫁にも手を付けてたから、娘かもしれんし。

 

25年は猫の平均寿命を大きく越えてる。化け猫と呼ばれるには十分な年月だ。

あるいは、それだけの時間をかけて見極めていたのかもしれない。

家人が悔い改めたなら、花嫁を弔ったなら、なにか善行を積んだなら、

恨みは薄れたのかもしれなかったが。

 

それどころか、猫を20匹ばかり買って刀の試し切りにするとか、ろくでもない悪行を積むばかりだったからなー。

しかもその猫の死体、花嫁と同じ井戸に捨ててそう。

怨念が積もり積もってゆくばかりの25年だ。

ただの猫が、七人ばかり祟り殺して家を断絶させるモノノ怪になるに十分な因縁というもの。

 

輿入れの日、タマキと同じ花嫁衣裳という最後のピースを得て、そこで化猫マオは完成した。

冒頭の花嫁マオの頓死は単に死んだフリか。

25年体を動かしていた中身が化猫に変化して抜け、抜け殻となったのか。

 

モノノ怪の理(ことわり)は、

恐怖を除いてあるがまま観てみれば、

因果応報等価交換、やられたぶんだけやりかえす。

オーバーキルなんてことは無く、人のする支配や暴力よりよほど道理にかなってる。

・・・のかもしれない。

 

だから、あんなにキレイさっぱり清め払われて逝けるのかもね。

 

 

いや、あくまで解釈だけどね!

 

コミカライズで前日譚があるらしいが未読なので、的外れだったら恥ずかしいが、

二次妄想として楽しめたっていうことで。

 

しかし、深読みしても納得できる筋書きだけでも素晴らしいけど、

ほんっと美術が凄いのだ。

 

日光東照宮もびっくりのハデな屋敷の、屏風絵ひとつとっても舞台装置として機能している。

手前の座敷は畳ナシの板間と鶏の絵で身分が低いものが控える感じ、

四間続きの奥の座敷に行くほど金がかかった感じになっていく上に、

二の間で家臣の勝山と笹岡が言い争う背景の屏風は犬と猿、犬猿の仲だったり。

三の間の奥方の背景には華美な扇柄の天井や、マオの亡骸の背景には散った花。

 

そして主犯の隠居の四の間には冬景色と鶴。

 

・・・鶴?

 

で、その鶴は、仕掛け扉になっていて、隠し座敷に続く。

 

「決して覗いてはいけませんよ」の鶴の恩返し、

河合隼雄的な、民俗な心理学でいうところの「開かずの間」か。

地下へ降りる階段があるのは、ラビットホールや異界、根の国や黄泉、深層心理へと降下する装置。

 

そして隠し座敷は、暗く篭った劣悪な座敷牢であるはずのところが、

豪華を通り越して神社仏閣レベルの荘厳な装飾、

六色の竜の柱が支える広大な六角形の空間になっている。

壁画は海中でまるで竜宮城だ。

 

地下と女、女と猫、女と海、海と無意識、海は常世、という象徴の連想は解るんだけど、

それでもあそこまで非現実的な荘厳さになるのはすごい発想だわ・・・。

 

竜宮城とすれば花嫁は乙姫、そして最期に白髪の老人が家族を失いひとり取り残されるオチは浦島太郎ってことだろうか。

 

竜宮城では時間の流れが違うのもあるな。

浦島太郎がはるか先の時間に放り出されたように、

あれだけの化猫騒動のあいだ、屋敷の外ではほとんど時間が経っていなかった。

 

乙姫は美しく浦島太郎をもてなすが、

開ければ年をとる玉手箱、呪いのアイテムともとれる箱を土産に渡す意味わからん悪女という見方もできる。

 

主犯の隠居は、誘拐した花嫁が自分を誘惑し厚遇したとか、この期に及んで意味わからん嘘をつく狂悪と思っていたが、

あの奥座敷が竜宮城であったなら、

あのあまりに荘厳な龍の柱は単なる飾りではなく、なにか意味のある結界のような魔法陣のような呪術の装置であったとしたら。

あれは、矛盾する現実を両立させ、生贄を欲するアヤカシの間であったのかもしれない。

 

・・・知らんけど。

 

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ヘビーな見心地の本編を涙で洗い流してくれるエンディング、

猫視点になって歌詞を理解するとぴったりくる。

 

空を埋める花の色 うつりにけりなわが恋

やがて全てが過ぎ去る後も貴方だけを想う

いつか春の夕まぐれ 初めて口づけした

幻のような香りの中で貴方だけを想う

あなたの胸にこの身を任せ 私は死んでゆこう

 

ネコ・・・おま・・・おお・・・もう・・・(TロT)

 

作詞作曲・松任谷由実で歌は元ちとせ。流石すぎる。

 

 

劇場版を見に行くまで死ねない。

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中村監督、10種体癖っぽいな。

横に開く力を感じる体形。頭脳型との見分けは首の短かさ。

忘れっぽいらしいw10種は監督に向くだろうな。個性を伸ばしてやれる親の気質、

しかし一方で支配が強いから、クリエイターとか独立心のある人は従うのがキツイかも。

 

 

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モノノ怪、劇場版製作決定。

まじか。

 

化け猫含めDVD全部もってる。大ファン。絶対見に行くわ。

 

ちょっとあらためて見なおして、何か感想の記事を書く!

 

心理方面で語れそうなりそうなのはのっぺらぼうだな。

オカルト的に語れそうなのは海坊主か。

 

公式で名場面投票とかやってる~。

自分はアレ、薬売りがお札を空中に展開するかっちょいいやつが好き。

 

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劇場版薬売り、衣装チェンジしてるけど烏帽子か?眉がマロだし。

陰陽師風か、平安時代の唐文化ぽいかもな。柄ゆきや刀の顔は雅楽っぽくもみえる。

最後の化け猫が大正時代だったし、

薬売りは時空を超えて存在できる概念的な存在っぽいもんね。

 

 

 

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MONONOKE

 

YouTubeに残っとるなwあの当時はユルかったものだ。

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なろう小説と体癖。

ねんどろいど 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった・・・ カタリナ・クラエス ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア G12156

 

 

以前、無職転生の主人公の内面が5種体癖そのもので面白い、という着眼点を持ってから、

なろう小説を読むとき、作者の思考回路は何種体癖だろうか、ということを考えるようになった。

 

思い立てば誰でもすぐ投稿できる小説家になろうサイトでは、

剣と魔法、異世界転生、チート無双、追放からのザマァ、悪役令嬢、婚約破棄などのテンプレがあって、

それを自分だったらどう展開させるかという大喜利合戦のような状態になっているので、

展開にしろキャラにしろ、作者の内面が粗削りなままの表現で露呈する。

ほぼ一人称視点なのもあるし。主人公=作者の一致率が高い。

もうね、ダダ洩れの脳内を考察し放題ですよ。

 

各種体癖の人が、世界とどう向き合い、世界に何を望むのか。

垣間見えるその感受性の形を興味深く拝察している。

 

ネットで読み放題のなろう小説に、体癖演習としての楽しみ方があったとはね。

 

 

では自分なりに忘備録も兼ねてレビューしてみたい。

 

 

 

1種体癖的なろう小説

婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ【Web版】 作者:山崎 響 / Spa-ox

https://ncode.syosetu.com/n5577es/1/

 

★★★★★ 星5評価。

婚約破棄ざまぁ系。

ちょっとブラックなコメディでめっちゃ笑える。ホームアローンとか思い出す感じ。

婚約破棄からの投獄コンボはテンプレだが、

このヒロインはこれ幸いと地下牢を快適な生活空間に改造し、

牢の中から、手勢にあれこれと指示を出し情報戦を制していく。

 

そういう、直接自分が動くことなく、俯瞰的に盤面を見渡すことを快とするのは、

1種体癖だ。こういう相手をおちょくる1種の人、親戚にいるなあ。

孤独を好み、恋愛とか他者への興味や共感に乏しいサイコパス感、美人でも地味~な外見、というのも1種的だなーと思った。(巨乳は違うけど)

読書や執筆が得意で、あと眠ることがとにかく好きなのもそうだな~。

頭脳型は睡眠が足りてないと途端にダメになる。

 

1種2種頭脳型はラブい展開も苦手だし、チートは好きでも面倒事は嫌いだ。

薬屋のひとりごと 1巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックス)

推理ジャンルで常にランキング1位の

薬屋のひとりごと

https://ncode.syosetu.com/n9636x/

とかも1種っぽい主人公と展開だ。★★★★☆ 星4。

 

人間関係の面倒を避け、地味を装いマッドサイエンティスト気味の、一人で知的興味を追求するのが至福の主人公。うん、それは1種。

相方は6種かな。演技派で多面的で言葉で人を動かすタイプ。

引きこもりスローライフを欲するのは1種の気質っぽいよね。

 

 

 

2種体癖的なろう小説

もう、いいでしょう。作者:綾瀬紗葵

https://ncode.syosetu.com/n4435dj/

 

★★★☆☆ 星3評価

婚約破棄断罪系。

毀誉褒貶が頭脳型の感受性だ。

ラブやざまぁより、因果応報、罪と等価の罰を与えよう、登場人物に等分に紙幅を割こう、という公平さ・客観性・生真面目さが出てて、読み心地は陰鬱

各章のタイトルのつけかたからして顕著に2種的だと思う。

皇女皇帝側室将軍宰相騎士、親と子などの役割ありきでキャラを造詣し、

その役、その地位、それにふさわしい責任を果たさないものを悪とする。

役目のある者には厳しく、目下や子どもには優しい。すごく炭治郎ですね。責任感の権化

 

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これこれ。こういう叫びに最も魂がこもるのが2種というか。

で、良くも悪くも家族がテーマになりがち。

誰より家族的結束を好む一方で、不仲だと苦しみもまた大きいということのようだ。

 

断罪の基準が神というのがどうにも気になったけど、

加護と呪いの表裏一体、贄を召すなど、メリットとデメリットがあるらしい描写は悪くないなと思う。

意思疎通を言語に尽くせる程度の神、怒りや感情があるレベルの人格神というのは、神格がそこまで高くないことをうかがわせる。

そういう神様を使役するのは、ハイリターンかつハイリスクなことなのだ。

 

 

で、似た傾向の作品でもう少し考えてみたんだけど。

自由気ままな精霊姫 作者:めざし

https://ncode.syosetu.com/n8614gq/

 

★★★★☆ 星4

 

これも婚約破棄が導入だが、やたらに断罪が苛烈でざまぁの域をこえてる。

少女への虐待の代償に国ひとつ更地にするのでは天秤が釣り合ってないはずだが、

しかしそこに精霊や自然の摂理という、人間より上位の基準を持ち込めば帳尻があってるというロジックは興味深い。

 

2種は夢と現実の境が無いというが。

神や精霊という、当人にだけ認識できる存在、他者からすれば夢や妄想のような存在。

 

人の倫理、人の常識、人道よりも、彼らのルールを順守する。

人ならざるもの、この世ならざるものの基準によって裁きを実行するという発想、

それは2種の思考回路かもな~、と思った。

2種さぁ…、それがルールだったらやっちゃう、みたいなとこあるよね…。

いやフツーそれはしないだろっていう感情的なブレーキがポンコツなことある。

悪くするとマニュアル人間、ルール遂行がすべてに優先する無情マシーンになるタイプ。

 

主人公は引きこもりがちでよく寝るし、頭脳型は寝起きイチャイチャ系のシチュが書きやすいのかも。

あと執事役とメイドの出番が多いのも、2種的で書きやすいキャラだからじゃないかな。職務忠実系

 

この作品は、精霊女王の描写が元型的な混沌の女神の性格というか、

気まぐれに豊穣と破壊、生と死をもたらす、自然そのものの神格化だと感じられた。

精神体と肉体についての含蓄も頷ける。

 

世界の在り方について公平で高い視点をもつ一方で、

残虐に人間をすり潰して愉悦する感性は、2種よりは1種みかもな。

研究所とかマッドサイエンティストっぽいとそんな気がしてくる。

 

 

 

3種体癖的なろう小説

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…作者:山口悟

https://ncode.syosetu.com/n5040ce/

 

★★★★★ 星5評価

悪役令嬢系では唯一の出世作か。アニメ1期にはたいへん癒された。

典型的3種体癖の見本。愛され体質の食いしん坊のポンコツ主人公。

そのムードにはもれなく読者も魅了されること請け合い。

3種は人当たり、場当たり的対処は最も優れるが、長期的展望をもつのは苦手。

なろう小説の先も展開があるけど、拉致されるが犯人を魅了することで解決、というワンパターンしかない。

左右型の思考回路では、三角関係とか陰謀とかバトル展開とかは快じゃない、書けないんだろうなー、と思う。

右にやって左にやってヨシ!というな発想はなんとも左右型って感じがするw

 

まあ、主人公は無自覚だけど、攻略される人たちの内面でなにかが解決されて救われていく描写はベタなりにテンポよく爽快で、読み心地の明るさにも3種感があると思う。

友情エンドでわいわいちやほやが好き、という人間関係の築き方とかもすごい3種。

子どもみたいなんだよな。

子どもがいると家庭がパッと明るくなって、あぶなかしくて皆目が離せないけどなんだかんだ癒されてる。みたいな。

 

 

4種体癖的なろう小説

真実の愛を見つけたと言われて婚約破棄されたので、復縁を迫られても今さらもう遅いです!作者:彩戸ゆめ

https://ncode.syosetu.com/n4616go/

 

★★★★☆ 星4評価

婚約破棄ものというテンプレを確立させた作品のひとつかな?時期的に。

婚約破棄される主人公令嬢は、妃教育というものを受けているのもテンプレなのだが、

その教育方針、感情をあらわにすることなく常に優雅な微笑みをうかべているように、というのは、4種らしさが理想像・・・ってコト? へ~。

この作品は恋愛ものかと思いきや、後半がサスペンス展開なのだが、

十年がかりの恨みつらみを清算する場面があり、その陰隠滅滅とした復讐の雰囲気はまさに4種と思わせる。

4種の感情は固まらないプリンとか言われるが、

いつも穏やかな4種は怒るべき時に怒ることができず、

内部に滞った感情は何年経っても発散されずにぐるぐるどろどろしている、という。

ゆるふわは表で、ヘビのよーに陰湿で執念深い裏面もある、みたいな。

 

10種も怒るのが苦手な体癖だが、忘れっぽいもんな。

9種なら、十年どころか五十年でも怒りをそのまま抱えているが、発散するときは陽型の印象になるだろう。ザクっと刺してスカッとみたいな。血を見る展開。

 

この作品の、ちくちくしたイヤミはてんこもりだが暴力は無しの断罪劇というのは、闘争に快がない左右型っぽいなあと思う。

 

のらくらと言い逃れようとする悪役が、その場しのぎ力の3種っぽいのも、

4種と左右型の裏表みたいで興味深いところ。

 

ちな、もし左右型が暴力に訴えるときは、物を投げるという行動になりがちだという。

夫婦喧嘩になると皿を投げてくる奥様、とか本にあったな。

7種ならパンチ、8種ならキック、5種なら肩からタックル、6種なら人の襟首を掴む、9種なら腰の入った刺突。みたいに、咄嗟にでやすい攻撃のパターンというものがある。

 

 

5種体癖的なろう小説

無職転生 - 異世界行ったら本気だす - 作者:理不尽な孫の手

https://ncode.syosetu.com/n9669bk/

 

★★★★★ 星5評価

これは過去記事参照。

キャラクターの多彩さという点で、なろう界隈ではトップだと思う。

ほぼすべての体癖のキャラが登場し、その内面に説得力がある。

やっぱ5種は周囲の人間模様をよく観察してる人なんだろうな。

察し力、空気読み力、コミュ力おばけ。

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しかし、陰型偶数型である2種や8種の小説が陰気とか暗い雰囲気なのは判るが、

 

呼吸器型の陰陽、5種と6種だと、これは比較して5種の書く小説の方がウジウジして陰気である気がして、大変面白い。

 

多分それは書き物への適性ではないか、と推測する。

前のめりで行動的な5種体癖は、じっとして机にかじりついてると、だんだん不安が増大するのでは無かろうか。

前のめりが過ぎて、俯いて肩を落とすような心持ちになるというか。

6種は室内に独りで、じっと机に向かってても大丈夫だ。

前後にぐらぐら体を動かし、不安を言葉に変換し、昇華していける。

 

5種の物書きには、取材ありきの旅行記とかレポートのほうが向きではありそう。

 

 

6種体癖的なろう小説

これがなろうで最もよく見るパターンではないだろうか。

転生系はそもそも前提として、一人の人物に前世人格と現地人格があることになるので、その裏表の激しさ、両面性が必然的に6種っぽさになるし、

恋愛面でも、特定の人物と緊密な関係性を築くのは6種の得意分野だからだと思う。

異世界恋愛系は、どこかしら6種的な感じがしてくると言っても過言ではない。

 

お前みたいなヒロインがいてたまるか! 作者:白猫

https://ncode.syosetu.com/n3059ch/

 

★★★☆☆ 星3評価

乙女ゲーム転生、悪役令嬢破滅回避系。

主人公の内面や行動パターンがものすごく6種体癖で興味深かった。

6種体癖というのは、ボケて突っ込まれると幸せというか、人を振り回して楽しむ。

誰かと密な関係を築くのが得意であると同時に、一匹狼であることも好む

オラついてハッタリをかます、すぐ虚勢を張るけれど、実は戦うことが快ではない。

「オラわくわくすっぞ」みたいな興奮や高揚、戦うことで得られる達成が無いんだな。

退けるときは退くし、戦うしかない時はバーサク特攻モードになる。自己犠牲で自爆する悲壮感しかないというか。

 

波乱が起きそうな不穏な空気を醸しだすのは巧いのに、直接対決やバトル展開を避けるので、読む方は肩透かしを食らった気になる。

不穏な空気→人を動かす→示威行動→一抹の不安、みたいなパターンが繰り返し、

あーもーいい加減タイマンで殴り合ってスカッとさせろやぁぁ!っていう欲求不満になった(7種的感想)

6種めんどくさい。でも好きなの悔しいww

 

ああ、悪役令嬢ものの元祖のひとつと言われている、

謙虚、堅実をモットーに生きております! 作者:ひよこのケーキ

https://ncode.syosetu.com/n4029bs/

 

っていう作品と設定が良く似てるんだけど、

謙虚堅実がエタってしまった問題をうまく回避して完結してるので、そこはひとつ消化不良が解決されたような気がしている。

三角関係のドツボにハマらないように、カップリングは初志貫徹のやつを用意しとけってことだな。

 

 

あにてんシリーズ:内河弘児

https://ncode.syosetu.com/s4066g/

 

★★★☆☆ 星3評価

悪役令嬢破滅回避もの、で令嬢の兄が転生者のパターン。

兄が乙女ゲームの攻略対象(男)をオトしていくので、絵面がBL なのが目新しさ。

6種体癖は看病とか子守りとか誰かのミスのフォローとかさせると、とても甲斐甲斐しくて気が利くところがある。

また逆に、構われたいがためにヒステリー的な体調不良をおこす。

看病というシチュエーションが好きなのは、

すごーく6種的な思考回路で6種的な展開といえると思う。

 

 

悪役令嬢ですが攻略対象の様子が異常すぎる 作者:稲井田そう

https://ncode.syosetu.com/n1080es/

 

★★★☆☆ 星3評価

6種は拗らせるとヤンデレを発症するが、

これはヒロイン以外全員ヤンデレの狂気の世界でスリル満点だった。

世界の殺意が高すぎる。アムネシアかよ

ひとつ間違えば即ゲームオーバーの世界というのは6種がもつ破滅願望の世界観なんだろうな。不安が大きく悪夢を見がちだという心の様子が伝わる。

 

6種には好きな人と二人っきりの世界がほしい、という願望や独占欲がある。

「美しい君を他の男に見せたくない」「僕しか見えないように閉じ込めてしまいたい」

とか、そーゆーよーなことを言いだすのはだいたい6種とみて間違いない。

すーぐ監禁を画策するが、やや実行力に欠けるところをついて回避可能なのも妙にリアルで面白かった。

ただマルチエンディングは認めない派なのでそこは不満。

 

 

7種的なろう小説

屋根裏部屋の公爵夫人 作者:もり

https://ncode.syosetu.com/n9587ek/

 

★★★★☆ 星4評価

これは何系なのか、あえて言うならチート開拓系か。

闘争が快、ずっと戦うことを求める展開は7種気質の書き手によるものだと思う。

主人公も基本的に喧嘩腰、カッとすると口より先に手が出てる。怒りながら仕事するとめっちゃ捗る。相手が王様でも余裕で殴れる度胸脳筋戦闘民族の7種体癖でしかなくて草なんだ。

 

女性がパートナーに、共に戦える相手であること、同格の相手を望むというのも珍しかった。

なろう恋愛は、王子とか溺愛とか、高い地位の者に愛され守られたい願望が圧倒的大多数だからな。

自らが力をつけ、身内認定したもの、慕ってくる者の面倒を見ようとする、親分な気質。

10種体癖も親分なんだけど、忘れっぽいというか身内にしてしまった者、取り込み終わった者への興味が薄れがちなところ、

7種、屋根裏の侯爵夫人は、そいつ誰だったっけ?っていうモブみたいなキャラを助けに奔走する展開がある。

一度懐に入れた者のことは忘れない、そういう情に厚い親分な気質なんだなと思った。いやこの場合は姐御か。

 

 

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました (1) (角川コミックス・エース)

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました 作者:永瀬さらさ

https://ncode.syosetu.com/n2766dz/

 

★★★★★ 星5評価

 

これも姐御系主人公で、熱血王道展開がすごく面白くてオススメできる。

主人公と展開を貫く感受性が勝ち負け。負けたくない、勝つ!という気持ちで積極性をおしだし、子分を率いてバトる。

好敵手と戦って成長し、勝ってなにかを獲得していく。少年漫画の精神だ。

勝気な7種女性はかわいげがない、というコンプレックスを抱きがちなのも伝わってくる。守られるより守りたい、頼るより頼られたいタイプだからなー。

恋の相手である魔王は6種かな。

 

オカルト的にもちらほら玄人感のある描写が頷ける良作。

魔王の在り方、神の如き力をもつと、世界を壊さないために感情から遠ざからなくてはいけない、その葛藤。

精神と肉体と魂の三位一体を揃えれば、死者蘇生は禁忌でなく、成功するとか。

 

 

 

8種的なろう小説

 

目的は生き延びること 作者:大菊小菊

https://ncode.syosetu.com/n4201gx/

こっちは令嬢巻き戻り破滅回避系。

 

煤まみれの騎士 作者:美浜ヨシヒコ

https://ncode.syosetu.com/n3511hb/

こっちは追放系かな。

 

★★★☆☆ ともに星3かな・・・

どっちも、もうタイトルからして8種が漂っている。なろうらしくない。

流行りに乗らない頑固さ。

下半身の粘り強さは、フットワークの重さ、ノリの悪さってことでもありそう。

煤まみれとかの不潔や劣悪な環境に耐えるのが得意みたいな。

 

で内容としては、

いわゆる不遇パートというものはざまぁのための下拵え、

ストレスはスカッと展開をより爽快にするバネなわけだが、

その不遇パートがやけに長いっていうか、不遇にひたすら耐え忍ぶことが主題みたいになってくると、さては貴様8種体癖だな、と思う。

 

読み心地はシリアスというか陰気。

魔法もなくチートもなく、軽んじられ傷つけられ大切な人を失い、

え、これいつ事態は好転すんの?するよね・・・?

と読んでる方が先に音を上げそうになる。要ストレス耐性。

ハピエンのフラグさえ無くても平気そうで、報酬や結果が無くても頑張れてしまう。

なんていうかもう耐えるために耐えているとしか言いようのない何か。マゾい。

 

どっちの小説も、8種はそういう世界観を持ってるんだなーと伝わってくる。

 

そしてそんな割に残酷耐性が高いというか、

人死にの描写が苛烈なところはやはり捻れ型だ。闘争に快あり。

 

ざまぁや覚醒までがすごく遠い感性は、

転生チートで楽して無双、というなろうメンタルとは水と油だけど、

それでもそれなりに高評価の作品もできるというのは、

10種類の体癖の、どの感性にも一定の需要があるというか、

何種であろうとモノは書けるし、またそれを受け入れ喜ぶ読者が必ずいるってことかな。

万人に認められ愛される完璧人間など有り得ず、

人間は相性で、補い合って生きてるってことなんだろうね。

 

 

あとこれ体癖特徴が顕著で面白かった。

嫉妬とか承認欲求とか、そういうの全部捨てて田舎にひきこもる所存

https://ncode.syosetu.com/n8390gi/

★★★★★ これもタイトルからしてw

 

婚約破棄&ざまぁのテンプレだが、

8種らしいのはまず貴族とかじゃないこと。

地位の高さや贅沢はかえって苦になるんだろうな。

で、限界まで我慢した後のキレ方とか、刃傷沙汰上等の凄味。人が人を殴る場面も多い。

引っ込む田舎がガチの限界集落で、そこからチート内政とかの展開に一切ならず、

繰り返し悪意に虐げられることに耐える流れであー8種か…ってなったんだけど。

8種は、人間関係を断つとか切るという発想が無いっていうのが判って興味深い。

1種とか5種6種とかは人間関係リセット癖やスパっと縁切って二度と顔も見ないっていうことが割に平気なんだけど。

8種は、人を見捨てないのだ。

揉めた後でもできる限り付き合いを続けようとする。

ざまぁした後の加害者を、反省とか改心とかじゃなくクズのままにじっくり書く。

すごくない?許してないし話が通じてない相手とそれでもコミュニケーションを続ける謎の根気があるのだ。

老人や孤児や唖者、弱いものに寄り添おうとする献身、

湖の精とか神聖なものへの親和性、

なんなら、なろう恋愛なのに異性がなんのチートもない美形でもないおっさんなのにそのまま寄り添おうとするとか。

8種の感性ってそういうことか〜っていう。

善悪も損得も強弱も美醜も、8種の心を動かし得ず。

およその人が価値を感じない、省みないものにこそ尽くしたがるんだなあ・・・。

難儀というか有難いというか。

それを反骨といえば反骨だろうし、献身といえば献身なんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

9種体癖的なろう小説

Re:ゼロから始める異世界生活作者 鼠色猫/長月達平

https://ncode.syosetu.com/n2267be/

 

★★★★☆ 星4評価

同じ人生を何度も周回するようなループ系は9種の気質がないと耐えられない。

なろうで死に戻りループといえばリゼロだろ、と思って原作を読んでみたのだが、

これ、初っ端から主人公スバルもヒロインのエミリアも全開の9種体癖だわ。

直感的な決断力、懐に入れた者への面倒見のよさ、人の意見を聞けなくて自分の思ったとおりにしかできない気質、集中力、反射スピードの速さ、執着の強さ、勘の良さ。寝起きの良さとかw

 

あと、なんていうかコミュニケーションの唐突さ

途中からスバルがインディアンスのきむで脳内再生されて困ったww

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ツッコミもボケもキレキレで喋りまくるんだけど、

なんかこう一方的というか。相手の気持ちの推移を待てないというか。

共感というか気持ちのキャッチボールはヘタなんだなーっていう。

 

エミリアもスバルも9種、同じ体癖なので、

途中からヒロインがレムに交代した成り行きに納得した。

同じタイプどうしっていうのは相性がいまひとつ・・・というか両方とも作者自身の投影、分身のキャラってことかな。レムは2種っぽい。

 

あとごめん、リゼロは自分と感性が合わなくて読むの挫折してる。

 

 

10種体癖的なろう小説

転生したらスライムだった件 作者:伏瀬

https://ncode.syosetu.com/n6316bn/

 

★★★★★ 星5評価

これ体癖視点でみると、ものすごくいかにも良くも悪くも10種だ。

リムルの良いところは寛容で鷹揚

君臨すれども統治せずで各々の裁量に任せ、最も子どもの才を伸ばしてやれる親。

百人でも千人でも国まるごとでも受け入れる度量の広さは、10種でしか成し得ないと思う。

が、一方で短所としては、子の自立やプライベート、プライバシーに無頓着だ。

ベニマルの結婚はまだしも、シオンの復活はよく考えるとちょっとどうかとも思う。

死ぬ、という究極をもってさえリムルの手の内から出られないのかという恐ろしさもあるのだ。

ラスボスさえ未熟な子どもと見做して呑み込み受け入れてしまうわけで。

作中のリムルの眷属は、全員リムル様マンセーで忠誠MAXイエスマンだけど、

リアルだったら絶対反乱分子や新興勢力がでてくるからね。

 

それはそれとして、

10種の世界観には遠大なロマンがあり、異世界という設定を与えると最もイキイキと想像の翼が広がっていく感がある。

国、種族、神話的な世界の成り立ち、次元を超える描写、どれも素晴らしく読みごたえがあった。

 

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世界がどんどん広がってインフレしていく感じっていうと、

魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ 作者:秋

https://ncode.syosetu.com/n1578dx/

これとかも10種っぽいな。★★★★☆ 途中で挫折したから星4で。

学園、地底世界、天上世界、夢の世界、別次元世界へとどんどんステージがインフレしていく。その割に破綻なく面白い。

直観に優れた10種は、この世界の真実や法則みたいなものを肌で感じ、それを表現におとしこむことができるんだろう。魔法とか必殺技の設定の痺れる憧れるカッコよさが異常。

 

転スラもアノスも魔王を自称するあたり、

なんていうか10種の感受性のダークサイドを自覚してるというか。

その露悪感はイイよね。自身の欠点を認め受け入れ、表現に昇華してるというか。

 

 

さて、

 

あとそうだな。

体癖うんぬん関係なく面白かったのはこれ。

★★★★★星5

ガリ勉地味萌え令嬢は、俺様王子などお呼びでない 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

ガリ勉地味萌え令嬢は、俺様王子などお呼びでない  作者: 鶏冠 勇真

https://ncode.syosetu.com/n9289fr/

 

これすっごいテンプレへの逆張りが効きつつ、

ラブがコメディでバトル展開も妥当でバランスよく面白かった~。

なろうテンプレに慣れたり飽きたりしてきたころに読むと最高。

そう、俺様系王子はリアルだとイタイよね。二次元だから許される属性だよね。

っていうのがそこまで面白い言い回しになるのかっていう漫才的ツッコミセンスの勝利。金髪碧眼を掃いて捨てるな。

 

9種ヒロインと1種ヒーロー、かな。

周囲と違う感性を貫くヒロイン、ややコミュニケーションが唐突だし、好き嫌いもハッキリしてる。

地味モヤシながら独創的で知略が得意なヒーロー。ついでに恋愛オンチ。

 

9種1種はなるほど、権力や人間関係の序列に興味のない感性だな。

 

王子様とか、隣国の王位継承者とか、継承を辞退した元王子とか、

なろう恋愛は呆れるほど、より地位の高い男性が好きだが。

権威に対する態度にも体癖は影響しそう。

1種8種は権威や序列を煙たがり遠ざかる。

2種は権威や序列に尽くす。

3種4種は権威に守られたがる。

5種は権威を利用する。6種は権威を揺るがしたがる。

7種と10種は序列の上位を望む。

みたいな?

 

 

 

あとこの

悪役令嬢の中の人〜断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします〜 - pixivコミック

悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~ 【連載版】: 1 (comic LAKE)

とか、

 

 

最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える 1 (ガルドコミックス)

最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える|無料漫画(まんが)ならピッコマ|やもりちゃん じゃき

 

は、コミカライズの絵がたいへんよろしい。

悪役令嬢の中の人、の顔芸は絶品。

 

 

しっかし、100や200作品読んだところで、

日々新作が投稿され続けるなろう界隈ではニワカでしかないのであった。

魔境だなあ~。

 

 

 

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この記事、納得いくまで加筆修正を繰り返してるので良かったらまたどうぞ。

 

 

 

 

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参考文献

 

 

体癖ガチりたい人はAmazonでなく、公式サイトに野口晴哉の著書がある。

www.zensei.co.jp

 

 

今週のお題「本棚の中身」

陰謀論の先の未来を語れよ。

スレの方では何度か書いた内容だけど、

このトピックだけまとめたことは無かったかと思うので書いとく。

 

陰謀論者がリアルの身近にいる。

普段はまあ理性的な人なのだが、

勤勉に善良に生きてるのに報われない、クソな社会への不満をくすぶらせていて、

その原因を欲する気持ちが、本屋にもネットにも溢れている陰謀論を引きつける。

 

なぜ、自分が苦しまなくてはいけないのか、という理由を外に求めると、

際限なくゴミ情報、ゴミ人脈が引き寄せられてくるので気をつけないといけない。

 

その人は議論ができる知力がある人なので、何度か対話の中で希望の方へ誘導してみたが、ダメだ。

その時は納得したと言っても、また何度でもネットを回遊して闇の真実(w)をくっつけてきて、

人類の危機を啓蒙する使命感と高揚のままに声高に、

そのイヤ~なフィーリングを周囲にお裾分けしないと気が済まないらしい。

やれやれだ。

 

ワクチンの陰謀とか、武器商人の陰謀とか、イルミナティ三百人委員会かレプタリアンかディープステートかニューワルドオーダーかQアノンか、なんか知らんけども。

 

つまるところ闇の支配者が、人口を削減して、1割だか1%だかの支配者層とそれ以外の奴隷層の階級を固定しようとしてるってことでいいのかね?

 

よくあるディストピアもののテンプレでしかないと思うのだが、

情報源が小説や物語ではなく、動画や暴露本だとなぜか本気でのめりこんでしまうのだから、

人間の脳の創り出すイリュージョンというのは面白い。

 

しかし例えそれが事実だったとして、

そこに義憤や無力感を感じるかどうか、

というのはまたちょっと別の話なんですよ。わかるかな。

 

今回はちょっと、

囚われから自由になって思索をしてみよう。

 

闇の支配者が勝利し、彼らの計画、陰謀を達成したとする。

独善的だけど知に優れた支配者が、その他大勢を従えるという構図、

さながら、羊飼いと盲目の羊の群れ。人間牧場。

世界中で人間社会の雛型がそう固定された、と仮定する。

 

それは、人類の生存戦略としてアリなのか、ナシなのか。

それを決めるのは人類でも宇宙人でもなく、地球だ。

生命体の意志決定ではなく、環境への適応力で、生物の繁栄は決まる。

 

羊飼いと愚民の群れ、という組織は、

人間という生き物のつくりに合致しないスタイルであるように思う。

人間の身体の構造からいうなら、

直立二足歩行、四足歩行の半分の燃費で移動できる人類は、まず長距離移動が得意な種だ。

さらに空いた両手で運搬、投擲、道具の作成と、器用さと共に知能をどんどん発達させてきた。

移動すること、知的追及をすることは、人間の身体から内発する機能快といえる。

そんな動物にとって、囲い込まれること、無知を強いられることは、苦しいことだ。

持って生まれたパフォーマンスを発揮できない。

 

生物本来の性能を大きくムダにした、脆弱なシステムを運用するとどうなるか。

 

不自然、すなわち淘汰だ。

 

闇の支配者とやらが、どれだけ人間集団に対して狡猾でも、

地球を騙しおおせる知力など持てるわけもない。存在のスケールが違う。

 

隆盛を極めた種も衰退すれば、そこに新たな種が台頭し、生存競争が始まる。

森で大木が倒れれば、その木が占めていたスペースと日光で新たな若木が育つように、

 

きっと人類に代わる新たな知的生命体が地球の主役になるだろう。

 

たとえば、人類は衰退しました、とか、翠星のガルガンティア、あるいは風の谷のナウシカみたいな世界。

 

星の主役は、妖精さんとかクジライカ腐海王蟲みたいな、

ヒトとはまるで違う思考回路をもつ知的生命群になり、

人類は脇役として細々と、でもそれなりにちゃんと暮らしていくこともできる、

そんな世界。

 

それも意外と悪くないじゃない?

 

 



 

どうも陰謀論が示す未来図、というのはあまりに人間が生物群として脆弱になり過ぎ、

その人工的過ぎるディストピアは荒涼として、

圧倒的に移りゆく自然の前に無力、みたいな気しかしない。

 

これは自分の自然観が日本のものだから、そう思うのだろう。

刈っても刈っても無限に雑草が湧き、木造の人工物は速やかに朽ち、緑がすべてを覆っていくような自然。

 

陰謀論のベースにあるのは、羊飼いの思想、羊飼いの戦略、羊飼いの自然観だ。

砂漠か荒野か、そういう環境で種を存続するためのニッチな戦略。

それは一神教の生まれた地、乾燥していて建材は石で、他の生物が少なくて競合のない環境でなら、最適解で有り得るかもしれないが、

その戦略が、地上のどんな環境でも通用するとは思えないねえ。

 

 

そんで、ここ数百年、人間がヒャッハーで自然を開拓してこれたのは、一種のボーナスタイムというか。

後先考えないで滾るリビドーとフロンティアスピリットがあったからで。

去勢された愚民人類にされては、これまで通りにナワバリを維持できる気がしないのだ。

今ですら、人口の減った土地で無人の家は朽ち、畑はサルやシカやクマに脅かされてるわけで。

 

 

なんていうかなあ。

 

自然から切り離されて肥大した脳内妄想を実現しようとしても、

脳内世界の秩序より、大自然の秩序のほうがどーやっても上位だから。

行き詰まって淘汰される。それだけの話でしかない。

有限の世界の法であるそれは知では覆せない。

連中はそこが解らないのか、何なんだろうなあ。

 

人工と自然、人の世界と外界は相対し相容れぬものであると、

有史以来、そういう世界観を構築してその枠の中からモノを見ることに慣れきってるけど、

ほんとうの世界の姿はそうじゃないよね。

人工は自然に内包されているに過ぎず、ヒトは自然の一部で、不可分だ。

自然から採ってきて加工することしかできない。

水の一滴、石ころ一個、細胞のひとかけらさえ、無から生み出すことはできない。

 

 

自然から切り離された、自我という枠、人間や社会という枠、その認識の檻を外して、

常にケースバイケースで柔軟に、自然の在り方に沿うように、

ただ生かされてるという安らぎのなかで生きるとき、

生命体のパフォーマンスは最大に発揮され、種もまた繁栄していく。

 

それだけ。

 

真実はいつもシンプルだな。頭がスッキリする。

陰謀論は頭がゴチャゴチャするから、何かが間違ってるんだと思う。

 

 

それで、人類はどっちの道を選ぶのか。

 

知らんけど。ま、どっちでも大丈夫だ。

人類が主役を退いても地球は回る。

 

陰謀論から伺える思想には、最初から破綻の芽が織り込まれている。

どんなシナリオを展開しても、結末は必然として淘汰される。

これは幾多の物語を解釈してきた自分の直観。

バッドエンドになるしかない初期設定というものがあるが、それだ。

彼らは彼らなりに懸命なのに、お気の毒さまでしかない。

 

だから、いったん落ちつこ。

 

何か隠されていた真実に気がついたとしても、

「人類諸君」「日本人のみなさん」みたいなクソデカ主語で啓蒙を叫んでもダメなのだ。

喧伝、扇動、不快を共鳴させたらダメ。台無し。

怒りや悲しみや焦りから行動しても、次元を先に進めることはできない。

 

不幸や不遇の原因を外に求めてはいけない。

誰かのせいにしていたら、いつまでも終わらない。

責任ある誰かのせいにして、自分は知らなかった、自分は無力だ、自分は悪くないと言いたいだけではいつまでも変われない。

 

苦しみを生んでいるものは、自分の内にある。

ただ静かに観つめればいい、それだけで幻はほどけていく。

 

陰謀論がウソでもホントでも、どっちでもいいのだ。

 

隠された真実とやらは確かめようもないが。

己の心と身体で至る真実は、いつも何度でもそれであると確かめられる。

 

それを指針に生きれば、誰の思惑も関係なくなる。

 

誰にも踊らされずに生きられる。

 

己の最奥から湧くものに耳を澄ませ、その流れていくままに踊れば、最高の今、無上の生が叶う。

 

一人一人がそうすれば、誰も誰かを支配などできなくなる。

 

一人一人で調律した演奏が、いつしか大きなハーモニーになっていく。

 

そんな未来も選べるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディストピア作品の例。

 

 

星の主役交代作品の例。

やっす!!!人衰とガルガンティア全話で今こんな値段なの!?買っちゃおうかな・・・。

 

 


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数世紀先の未来、人類が衰退している世界。

かつての文明の多くは失われ、しかしそこに悲壮感はなく、人類は種として穏やかな老後を過ごしてるような感じだ。

旧人類がのんびり隠居して、地球の主役、次世代霊長類は「妖精さん」と呼ばれるカワイくも驚異的な生物群になっている。

楽しいことがあるとどこからともなく湧いて群れてくる彼らは、

どうも生殖で増えてるんじゃなく。アメーバみたいに分裂増殖してそうで、

しかし群れが散っても死体も残らないので、もう肉体の次元を超えた生命体として納得すべきかと思ふ。

知能の在り方も、個体では幼児並みだけど、群れると爆発的に処理能力が加速するのは、あれだ、群知能。

群知能 - Wikipedia

蜂や蟻、魚の群れのような。そんな知的生命が霊長の未来、ロマンだ。

 


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ガルガンティアのクジライカの設定はものすごくよく出来ていて好きだ。

イカというか、タコなどの頭足類は器用な手足と高い知能をもち、寿命さえ長ければ海の覇権をとるポテンシャルは十分にある。クジラ程のサイズと寿命を追加したなら勝ち確であるという発想、SFとしての説得力満載だ。

作中人類が、行き詰まった文明を捨て肉体を強化して、海と共に生きる方向で選んだ進化の姿でもある。

一方で宇宙進出組はお決まりの不毛な戦争に終始しているのも説得力だ。

そしてここまでのロマン溢れるSF世界を構築しながら、アニメの主題は少年の精神的自立なのだ。最高に過ぎる。

 


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人の思想と、自然の法則と、どっちが上位かなどと考えたこともないほうが大多数と思うが、世の中にはそんな考えを体系化して出版する人もいる。存在の7つの層。

一度わかると実に便利な分類方法なのでよく使うモノサシになった。

 

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体癖イラストが引用された件。

えっ。ちょっと待って。

 

心が追いつかないんだけど。えっ。

 

まず大変お久しぶりです。

フツーに淡々と暮らしてましたけど、

ウクライナの件とかでやや何を書くべきか見失ったというか、

無力感でブログ書くモチベまで無かった。未熟ですまん。

自分の心を平静に保つのに手いっぱいで、人にかける言葉まで持てなかった。

 

自分の立場から言えるような事はなんも無いけど、

ウクライナ人のボグダンさんのYouTubeいいよ。おススメ。

この人、めちゃめちゃに目がキレイ。吸い込まれるような深い知性を湛えた目をしていいる。

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中の人は高度に進んだ星から来た宇宙人とかでは、と思ってしまうほどだ。

語る内容はもちろんだけど、ここまで進んだ人を観るときは心を開いて目を見つめながらでも大丈夫だ。精神汚染はなく、高い認識の世界を垣間見せてもらえるだろう。

戦地という、悲しみと怒りに満ちた場所にもこんな人がいる。

彼はこの戦争をイニシエーション、皆が大人になるための通過儀礼だと意味づけ、気づきと成長の機にしていけると語る。

ウクライナにもロシアにも中国にもウイグルにも、きっとどこにでも。

苦しみに染まらない人がいる。それが希望になっていくんだと思う。

 

動画から意訳すると、

殺すか、愛するか、一人一人が心で決めるなら戦争にはならない。

自分の心でなく、誰かの命令に従っているから、

メンタルが、心の段階が、親に依存し責任を転嫁する子供のままだから、

誰かの言うなりに他人も自分も傷つけてしまう。

だから、一人一人が自立すること、

自分のほんとうの心のままに、その決断に責任を負って生きられる大人になること。

それが遠回りのようで本質的な道なんだろう。

 

だから、まず自分の心を快晴にしていこう。いつもそこからだ。

 

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で、じゃなくて、

 

ブログの新着を見たら、

自分なりのまとめとして描いていた図が、

整体のプロのブログで引用されてたっていう件。

 

 

kawamuraseitai.hateblo.jp

kawamuraseitai.hateblo.

 

夢か? なんか自分に都合のいい夢でも見てるのか??

ほっぺたつねる???眉にツバつける???

 

っていうか、この心が風邪をひいたならブログは何度かここで引用したこともある、

とても優れた知見に満ちたブログだ。

整体の現場からの実地の重みがあって、更新も頻繁で、よく読んでてファンだ。

足上げ体操、自分なりの瞑想の導入に組み込んで続けてる。

腰が落ちると肩こり歯痛。 - 心が風邪をひいたなら

足上げ体操で筋トレ 公民館@おうち - YouTube

 

心を調えるには、まず体から整える。それが最もセーフティでスタンダードだ。

目を閉じて座るとこから瞑想を始めても、すぐ迷走になる。

脳の前頭連合野、高度なイメージの機能だけ使おうとするのは、

根も幹もなく、花や実を得ようとするようなものだ。

生命の基礎である脳幹、哺乳類の辺縁系

身体や体操を通して、下から順にチューニングしていってから、

ようやく座って目を閉じての瞑想に入るべきである。

 

 

さてところで、心が風邪をひいたならブログはコメ欄が無いし、

ブロ主も携帯チェックは最小限とのことで、絡みはNGっぽい。

当方が読者であることを認識してるかどうか謎だ。

「体癖」で画像検索して出てきた図を貼っただけかもしれない。

 

まあしかし、

なんにせよ尊敬できるプロから見ても、使える画像と文章だったとは嬉しい限り。

 

やっぱり夢なんじゃないのか?魚拓しとこ。

 

せっかくだから、次は何か体癖の記事を書いてみよう。

最近YouTubeで冒険家や旅人みたいな人の動画を見てるので、それをまとめられるかやってみようか。

 

 

あとは、心が風邪をひいたならブログの自分的お勧め記事をいくつか。

日誌的で更新頻度が高いのはいいけど、

記事数が膨大で珠玉の言葉が埋もれがちってこともあるな。

まあ、日々少量ずつで考え方に慣らしていくっていうスタンスなのか。

 

あるおばあちゃんの通い方。 - 心が風邪をひいたなら

足の構造で解る正しい歩き方 - 心が風邪をひいたなら

センターラインへの囚われ。。 - 心が風邪をひいたなら

1日の殆どは、意識されない。。 - 心が風邪をひいたなら

予期せぬ事に対応できる動き、強さ - 心が風邪をひいたなら

自閉の子から学ぶ事。。 - 心が風邪をひいたなら

 

 

 

参考文献

 

 

体癖ガチりたい人はAmazonでなく、公式サイトに野口晴哉の著書がある。

www.zensei.co.jp

 

当方体癖記事

 

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お裾分け地蔵。

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田舎のおばあちゃんというものは、杖代わりにカートを押して歩いているものだが。

 

今日見かけたおばあちゃんは、

この寒いのに割烹着だけで上着もなしに、

日に焼けた顔で、縮んだように小柄で、

キャリーにでっかい大根やら白菜を載せてちょぼちょぼ歩いていた。

 

目が合ったらこちらに寄ってきて、野菜をくれると言うではないか。

畑で大きくなり過ぎたのか、出荷調整なのか、捨てるばかりでもったいないからと。

 

ちっちゃいおばあちゃんがえっちらおっちら運んできたデカ野菜。

なかなか味わい深いギャップ萌えを感じ、萌えたならお布施したくなるオタ気質と、

タダでものを貰うなどありえぬ1種気質で小銭を出そうとすると、

いらない、そんなものを貰ってはもう来れなくなるから。という。

 

お裾分けであって、物売りや押し売りにきたと思われたら心外なのか、これは失礼した、と思って、

代わりに小分けの袋菓子を出した。

お気持ちとお気持ちの交換なら良かろうと思ったのだ。

 

1種って多分、貸し借りみたいになるのがヤなんだよねえ。

一方的な施しとかボランティアみたいな発想に馴染まない。

イーブンで公平じゃないと落ち着かない、みたいなとこある。

 

おばあちゃんのほうは、本当に何の対価も望まず、ただいつもそうするように近所に野菜を配って歩いていたので、

自分がどうしても袋菓子を受け取って欲しくて引っ込めないでいると、

 

たいへん恐縮されて、押し戴くように、拝むようにして、

ありがとうと受け取ってくれた。小さな袋菓子がさも有難い宝物であるかのように。

 

ええ・・・、なんかメッチャ癒されたんだけど・・・・。

ハートがウォーミングなんだけど・・・・。なにこれ推せる・・・。

 

自分の祖母は父方も母方も亡くなったので、

知らぬ間におばあちゃんという生き物が発するなにがしかの成分に飢えていたのかもしれない。

おばあちゃんかわいいよおばあちゃん。

 

なんていうか、お地蔵様みたいだったな。

即身仏に成りかけてるとでもいうかww

 

枯れて縮んで、上手に水分が抜けて干し柿のような、自然な老いのさま。

畑の実り恵みをうち捨てては置けないさま。

一銭の見返りも求めず、惜しみなく与えて歩くさま。

しわの中に目が埋もれるような笑顔。

 

尊いか。語彙が死ぬわ。

 

ああいうふうに惜しみなく、余分なものを手放しながら老いていくと、

最期は何も持たずにさっぱりと、気持ちよく死ねるんじゃないかなあ。

 

自分はあんまり人に憧れない性質で、「あの人みたいになりたい」と思うことは無かったのだが、

今日のおばあちゃんとの一期一会に、老境の理想をみたかもしれない。

 

もらった大根は、包丁を入れるとあらぬ方向に割れたw

破裂寸前ってことだったのかな。流通には耐えられなかったのだろうが、

みそ汁が甘~くなって、味は良かった。

っていうかデカ過ぎて明日も明後日も大根祭りだなこりゃ。何味で煮よう。

 

しかしなにか今日は、大根より袋菓子より、

形のないありがたいものをお裾分けしてもらったように思う。

イーブンになどなりようもない、小賢しさの及ぶべくもない、

素晴らしいものに触れさせてもらったような。

 

なんだろうなあ。おばあちゃんの人生の  みたいなものかな。

 

僧になるより、学者になるより、財を成し名を成すより、悟りの成就は各々の道の先にある。

農家のおばあちゃんでいいのだ。そこにも無為自然の至高の人生が在り得る。

 

 

 

 

 

 

体癖でいうと、あのおばあちゃんは9種やろなー。

小さく縮む老い方、というのは骨盤を閉じる力のあらわれだ。

ちっさくても身体は野生的で頑丈。割烹着で2月の外を歩きまわるほどに。

生殖器型だから面倒見がいい、地域の人に食べ物を配って歩くとき、力が出て、人生が笑顔が輝く。

基本排他的なはずなのによく自分に声かけてきたなあ。何度か挨拶とかしてご近所認定されてたということか。

謝礼を断るかたくなさも10種というより9種的。自分が引かなかったから受け取ってくれたけど。

今度があったら、も少しおばあちゃん向けの菓子を考えておこう。

 

 

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今週のお題「自分に贈りたいもの」