ものがたりを解釈する

アニメ、漫画、小説、神話、あらゆるものが語りかけてくること。最も深遠な、でも誰にでも開かれている秘密に、解釈というメソッドで触れていく。

バズるか体癖⁉

バズらせ請負人MEMちょが推しの子のブロ主です。

 

昨日の夜から現在進行形でアクセス数が異常事態で、どしたん?

通常日々200アクセスくらいのところ、一気に7000越えて今日中に10000いくなこれ。どしたん・・・?話聞かして・・・(;゚Д゚)炎上チガウヨ。

 

 

 

 

見た通り、94%ツイッターから、体癖の記事へのアクセスだ。

 

 

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で、ツイッターで何があったのかというと、このツイートがバズりかけている模様。

 

 

美容系の情報発信が主なアカウントかな。

フォロワーは一万。ちょうどインフルエンサーと言われるラインあたりだ。

 

当ブログのイラストは、ブロ主の個人的趣味でつくったものであり、なんの公式でもないのだが。

絵師の端くれとしてわかりやすく描けたと思っているし、整体師に良く描けてると褒めてもらったこともあるし、体癖で画像検索すると上位に表示されるので、

それでツイ主も引用したのだろう。たくさんの人に見てもらえて嬉しい限り。

 

 

いわゆる「バズり」の基準は1300リツイート以上、と言われているようだ。

 

当該ツイートは今20時間で570リツイート

これをどう分析すべきなのかはMEMちょ先生でないのでわかんないのだが。

まだ伸びるのか、小バズりで終わるのか。

 

ワクワクしつつ推移を観察していたが。

 

めでたく一日一万アクセスは越えたが、勢いとしては一日でほぼ終息したようだ。

 

 

 

あっという間に平常運転に戻ったのだった。oh・・・。

 

 

でも、いい夢見れたぜ・・・!ありがとな・・・!

 

 

 

そもそも体癖とは。レジェンド整体師・野口晴哉が提唱した分類。

体格や動作と気質や病歴とに密接な関連があることを発見した。

体癖は世にあふれる診断系をまるごと飲み下しても破綻しない体系だ。

なぜなら、その発見は人間存在の本質的な原理にまで達しているから。

だからいくらでも広く多様に発展していけるし、

それよりなにより、

心も体も自ら癒すことを学んでいけるメソッドなのだ。

ja.wikipedia.org

 

体癖のまとめイラスト。

 

どなたもどうぞ参考にされてください。

認識が進むごとにちょこちょこ修正してるからできれば直近の画像をもってってくれ。

そしていきなりアクセス爆増することがあればワケは知りたいから、できれば一報オナシャス。

 

 

 

 

まず基本をおさえる馴らしの記事。

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心理や哲学や神秘への発展性を忘れてほしくない記事。

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美容への関心が高い女子のみなさんにはこの記事おススメ。

今日から体癖を活かしたキレイを実践できる。

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貴女の推し、好きな歌手の体癖とか、知りたければコメ欄で相談受付。

ブロ主はSKY‐HIとBeFIRSTを推してて考察したよ。

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お笑い芸人も体癖を観るのにいいよ。

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漫画やアニメでも体癖わかることあるよ。

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プロ整体師も引用してくれたことがあり、素人の絵でも大きく間違ってるということはない。ご安心めされよ。

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参考文献

 

 

体癖ガチりたい人はAmazonでなく、公式サイトに野口晴哉の著書がある。

www.zensei.co.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

推しの子はキャラの闇堕ち展開が多すぎるので、

ちょっと輪の外にいるMEMちょの安定感が安心で推せるわ・・・・。

 

アイは4種体癖。

本心を見せないというか、自分が何が好きかも曖昧で、他者の視線を反映する共感力が本質。

 

アイはハッキリわかるのに、後のキャラはよくわかんないな〜。

メンタル低調だと体癖がよくわからんのはある。

鬼滅の刃を解釈する5 選ばれず愛されずとも。

「人に優しくできるのも、選ばれた人だけだから。」の時任無一郎、

「君は神様に特別に愛された人なんだよ。」の甘露寺蜜璃、

そして、どう足掻いても選ばれる者となれなかった半天狗。か・・・。

 

鬼滅の刃、刀鍛冶編もよくよく見れば面白いよな。

アニメ視聴しつつ原作も改めて読んでみた。

 

刀鍛冶編はせっかくチームとしてまとまってきた善逸や伊之助が出てこなくて、

ちょっと盛り上がりに欠けるという評価だったし、

自分の過去記事でも、半天狗や玉壺は体癖がわからんとしてスルーしていたのだが。

 

 

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到底好きになれないキャラ、責任転嫁の権化半天狗について、

それでも掘り下げる視点があると刀鍛冶編全体のテーマが見えてくる気がした。

 

鬼滅の刃はとにかくいつでも対比の構造がよく出来ていて、

たとえば遊郭編では、兄と妹という関係に注目すると面白かった。

 

兄の炭治郎の背の箱で妹の禰豆子が寝ているのの反転で、

妹の堕姫の中で兄の妓夫太郎が寝ていた。

 

兄である炭治郎と妓夫太郎はともに2種体癖だ。

「禍福は糾える縄の如しだろ?良いことも悪いことも代わる代わる来いよ、でなけりゃ神も仏も殺してやる」と慟哭するのは、

世界がルール通りであることを望む2種の感性。責任感が強く家族的な繋がりを好むタイプだ。

 

妹である禰豆子と堕姫はともに6種体癖。

攻撃的な鬼と、かわいい妹の両面性を備えるタイプ。

どちらも殺されかけたところで鬼にされるという目に遭っている。

 

ひたすらに心の美しい炭治郎と禰豆子のダークサイドとして、

鬼の兄妹は世界を呪い、暴力で当たり散らし、仲違いして互いを罵る様子が描かれる。

 

禰豆子が炭治郎をおんぶして鬼の兄妹を探しに行き、

そして妓夫太郎が梅をおんぶして地獄へ連れだっていくのも対比になっている。

 

 

 

刀鍛冶編にもそういう見方ができるところがあるとすればだ。

 

半天狗は、斬られるたびに違う鬼が出てくる。

それは、誰かに否定されるたびに違う人格を演じて生きてきたということかもしれない。

 

積怒、空喜、可楽、哀絶、やたら豪華な声優陣だったが。

 

それぞれ、錫杖をもった僧侶、羽団扇をもった山伏、烏天狗、あとジャージ注連縄を肩に槍を持った(僧兵・・・?)姿の鬼で、

 

 

カッティングステッカー 雷神 トライバル (160mmX140mm) ブラック 黒

四体をまとめると雷神のような太鼓を光背にした憎珀天になる。

能力的には風も使うから風神雷神あわせてモチーフなのか。

中堅声優四名を生贄にレジェンド山寺宏一を召喚したのには笑った。

 

神に近い職から神そのものの姿へランクアップしていくビジュアルの変遷にも解釈は色々ありそうだ。

 

この後、教祖である童磨も蓮池でデッカイ菩薩像を出すのが必殺技だからな~・・・。

 

「神様も仏様もどれだけ祈っても助けては下さらないから」といって最愛の兄が死に、「神も仏も殺してやる」と妹を失う兄が慟哭し、

人食いの鬼こそが神職や神仏の姿で描かれ「神も仏も妄想なんだよ」とのたまう。

ワニ先生の宗教への不信感やばくね?なにがあったし。

 

 

 

そういえば、半天狗は喜怒哀楽に怯・憎・恨、と、分裂した人格をつくりだすほどにある意味で感情豊かなわけだが、

 

童磨は生まれながらにその全てを欠落させてるサイコパスという設定だよな。

半天狗と童磨も、感情という視点を軸にすると対照的なキャラクター造形ではある。

上弦の4番目で僧や山伏、仏の眷属クラスの神と、

上弦の2番目で教祖と菩薩というのもヒエラルキー的に合致してるな。

 

 

んでだ。

 

山ちゃんこと憎珀天の時代がかった口調がお奉行にそっくりという考察があって、

なるほど、畏れ憧れる上位者を真似て強くなったつもりになる。

専門用語でいうところの同一化の防衛機構、それはありそうと思ったが、

 

そうすると、子どもの姿であることと、木の竜という射程の長いムチをぶんぶん振り回す戦法は、絶対強者であろう無惨様をコピーしてるのかもしれないなーって思った。

まあ、作中だと半天狗はそれらを見てないかもだから、俯瞰する神視点の話だけど。

「私は不快の絶頂だ」と「不快不愉快極まれり」とか、おまいう案件で炭治郎をブチ切れさせるムーブとか、似てるっちゃ似てる。

 

バンプレスト 鬼滅の刃 フィギュア 鬼ノ装 漆ノ型 鬼舞辻無惨 少年ver.

キッズ無惨さまとブンブン無惨様

 

っていうか木の竜はさすがにズルくね何あれ。確かに五行思想でいえば雷は木の気ではあるけど。

 

 

 

 

で、まあ。

喜怒哀楽に怯・憎・恨と、次々に違う鬼を繰り出す半天狗は、

「この手が勝手にやった」の手を切り落とされたトラウマもあってか、

仮想人格をつくりだし、その人格を切り離していく、いわば解離性人格障害の血鬼術というか。

手や仮人格に責任を転嫁し、それで自分のせいじゃないんだと言い張って、問題の先送りをし続けているわけだが。

 

仮人格を演じる、というと、

実は時任無一郎と甘露寺蜜璃も同じ問題を抱えていたことがわかる。

 

無一郎は、あまりに傷ついたために主人格の処理を落とし、配慮に欠けた正論を振り回す兄、有一郎を演じていた。

蜜璃は、見合いで髪色や怪力を否定される。異端視されることを恐れ、「私じゃないフリ」を捨てきれずにいた。

 

生命の危機に瀕することで様々な意識の制約が外れ、本来の自分に目覚めるとか新たな力に覚醒するというのは、古典的少年誌的お約束であり、

 

無一郎も蜜璃も回想のなかで自分に向き合い、痣の力に目覚める。

 

一方で半天狗も、憎珀天と恨の鬼は新たな力の覚醒であり、戦いの中で成長しているわけではある。

しかし炭治郎はどの顔の鬼にも惑わされず、「責任から逃げるな!」の追い込みをかけてきて、とうとう最期には過去やお奉行様の言葉を思い出すわけだが・・・。

 

 

 

無一郎や蜜璃は回想の中で、

「誰かのために無限の力を出せる選ばれた人間なんだ」とか

「素晴らしい、君は神様に特別に愛された人なんだよ、誇りなさい」とか。

そういう言葉をかけられていて、それを拠り所に奮起する。

 

しかしその言葉だけ改めてとりだして眺めてみると、

ワニ先生のワードセンスからしても、ややなにかの偏りを感じないでもない。

選ばれた、とか、特別、とか。

つかワニ先生が神様っていうときはどうも否定的なニュアンスの言葉なわけで。

 

生まれながらに才ある人への称賛の言葉。

 

選ばれず特別でなかった人の諦めの滲む言葉。

 

選ばれて愛された者と、そうでない者がいるという言葉。

 

それは、人を分断する言葉だ。

 

この後、縁壱なんか「神々の寵愛を一心に受けた、世の理の外にいる、特別」とまで言われてるが、それも兄弟を遠ざけ分断する寂しい言葉でしかない。褒め言葉じゃないのだ。

 

厳勝兄上はその言葉で弟を突き放して憎み、

お館様は蜜璃を鬼殺へと囲い込んでいる。

 

 

 

半天狗は強さを生む感情をどんどん切り離し、本体は「ワシは弱者だ、此程可哀想なのに、誰も同情しない」っていう自己認識のとおりに盲いた老人の姿だが、

 

老いて醜く弱く、誰にも選ばれず、愛されない、というのは、

若く美しく強く、選ばれて愛されて特別な、無一郎と蜜璃の対極としてデザインされてはいるよな・・・。

 

しかし、人は誰でも老いて、若さも美しさも強さも、愛してくれた人を失う時がくることも、心のどこかで知っている。

 

そうすると、あれほど捻じ曲がった性根の半天狗にもシンパシーの余地がでてきてしまうわけではある。

 

だって、たいていの人は神に愛された輝く才の持主じゃなくて、それを仰ぎ見るその他大勢の方で、

なにも持たない自分を認めたくなくて、弱者でいることを許せなくて、様々に自分を装い演じている方なんだから。

 

君臨する強者であるお奉行様や無惨を模倣した半天狗のように、

 

カリスマ芸能人やスポーツ選手や、親や祖父母や兄姉、それこそアニメ的なキャラクターの化粧や恰好、行動パターンを無意識に模倣していることは、きっと誰にでもあるわけで。

 

そうやって、憧れ仰ぎ見る強く美しい者を演じるうちに、

隠している本来の自分はどんどん卑小に思えてきて、

一人の時ですら演じているペルソナを外すことができなくなっていく。

本来の自分を抑圧し忘却し、作り上げたペルソナを自己と思い込む。

 

そしていつしか、自分に向き合うことができなくなるんだよなあ。

 

選ばれず愛されない自分を生みだし、日の当たらない夜に閉じ込めているのもまた、自分なんだよな。

 

まあ、半天狗はそこで弱者アピール被害者アピールでマウントしてくるほど図太いわけだが。

 

炭治郎は、過大の嘘も過少の嘘も見破り、等身大の自分を認めない弱さを決して許さなかった。

人が夜に閉じ込めておきたい鬼の部分、心のダークサイドを認めてごめんなさいするまで絶対逃がさないと、「責任を取らせる」と、どっちが鬼だかわからない気迫で追っかけてくる。

 

それは、自分も他人も欺き続けのらりくらりと逃げ続けてきた半天狗にしてみれば、

ある意味でとことん自分に付き合って向き合ってくれる他者、自分を選んでくれた者ではある。

厳しいけども、それはやっぱりほんとのところ、優しさだ。

普通はあそこまで面倒な輩とは付き合いきれん。見限って見捨てて斬るわ。

 

 

そして多分、その成り行きこそが、

禰豆子が太陽を克服できたことの意味なのではないかな。

 

鬼になってしまった禰豆子。

人間のときは弟妹が多く「私はいいから下の子たちに食べさせてあげて」と言って古い着物を何度も手直しして着る自己犠牲精神の子だった。花子のように素直な我儘の言えない気質だった。(8種体癖的)

それが鬼になってからは、お兄ちゃんを一人占めでずっと背負って連れてってもらって、唯一人の妹として幼児退行して存分に甘えられて、時には鬼の強い力で兄を助けることもできた。(6種体癖的)

 

人間のとき、我慢していたこと、できなくて歯がゆかったかもしれないことが、鬼であればできる。

鬼でいること、鬼のペルソナを演じていることは、彼女にとって利益があることなのだ。

堕姫と妓夫太郎でみても、妹が役立たずで兄の足を引っ張っぱってると罵られてたわけで、それは炭治郎と禰豆子の間でも解決されない問題として潜在していたのだろう。

 

だから、鬼でいることは望みを叶え自己を実現する心地良いことであり、

無力な人間の自分に戻ること、ありのままの自分を認めることはだんだん恐ろしいことになっていく。

 

しかし、あれほど面倒な嘘つき逃げ癖の多重人格でしかも赤の他人の半天狗に、

炭治郎が驚異的な根気で付き合いきったことにより、

 

禰豆子も、この兄ならば、

蜜璃のように神に愛された特別でも、無一郎のように選ばれた人でもない、

ありふれてめんどくさい、ありのままの妹の自分でも見捨てることは無い、と確信できたのではなかろうか。

 

だから、鬼に、夜に、箱に閉じ篭もるのをやめて、日の当たるところに一歩ふみだすことができた。

 

やや唐突な展開だった、禰豆子が太陽を克服する流れもそういう風に解釈できないこともないなーと思った。

 

陽光のもとで禰豆子が炭治郎をおんぶしてるのも良かった。

兄を背負えるようになった感が伝わった。

 

刀鍛冶編以降、禰豆子は戦わないしな。

無限城の最終決戦に鬼化して戦う禰豆子がいないのはつまんなく感じたりもしたが、

それもまた、意味はあったのだろう。

ペルソナを演じ続ける者の末路を半天狗から学び、

どうあっても誰も見捨てない兄を知ったから、

兄の背から降り、本来の自分に戻る癒しのプロセスに専念し、

そして最後は兄を本当の意味で支えられる自分を取り戻しているんだな。

 

 

 

禰豆子あんなに顔かわいい言われてる娘さんなのに、意外と自信がなかったのかね。

長女の心理ってそうかもね・・・。

8種体癖だと自分に厳しいところがあるし・・・。

いや、かわいいって。それだけでハッピーであれ。

 



根気強い優しさが分断を融和に導く素晴らしい話だったし、

心優しい炭治郎がとても好きだが、

まあ、リアルであんな稀有な人にコミットしてもらえることはほぼないから、

じゃあ私たちは、選ばれず愛されない悲しみと痛みを抱えて生きていくしかないのか、

っていうと、そういうことでもないからね?

 

死の危機を待たずとも意識のリミッターを外すことはできる。

瞑想してもいいし、琴線に触れて響きあう物語に没入することでもソレは揺れる。

痛みから目を逸らし夜に閉じ篭ったのも自分なら、

日の当たるところに歩いていくのも自分の足にできること。

そもそも、超越的な何者かに選ばれたという分断と対立の概念は幻であり、

愛は命のようにどこか奥のほうで滾々と湧き続けているなにかなのだから。

ほんとうは、ただそれに気がつくだけでいい。

許しも喜びもいつもここに在り、

今、生きてるというそれだけで、生きていけるのだ。

 

 

 

 

 

 

ねんどろ時任無一郎と甘露寺蜜璃まだ監修中て。はよきて。

 

 

 

 

 

 

 

 

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半天狗に注目できたのはこちらのブログのおかげ。いつもどうもどうも。

gunber.hatenablog.com

 

 

そして玉壺については特に感想無し!

アニメだとよく動いて楽しいヤツな気がしてきたw

玉壺は半天狗と逆に、めっちゃ素。

あの外見にさえなんのコンプレックスもなさそうw

ああいうタイプは生きやすそうでええな。



近畿地方のある場所について。ネット伝奇の集大成を解釈する。

界隈で話題のホラー完走おめでとう!

たいへん楽しめた!めっちゃ怖かった!見つけてくださってありがとうございます!

 

 

kakuyomu.jp

マジで怖くなってしまった人のために当記事で考察と、

最後に恐怖を解体する話もする予定なので、どうぞ心おきなく読まれたし。

 

 

ブロ主はいわゆる学校の怪談口裂け女人面犬、地獄先生ぬ~べ~が流行した小学生時代を過ごしたので、まさにドストライク。

本屋にも学校の図書室にも都市伝説系の本が並び、更には父親がムー購読者だったw

作者の背筋さんも同世代な気がとてもしている。

 

さらに初任給でパソコン買ってネットサーフィンを始めるころには、くねくねや八尺様、ヒサルキ、コトリバコ、巣食うもの、雷鳥一号さんの山怖などの良質ホラーが探す度に更新されているムーブメントの世代でもあった。

 

最近はもう新作よりもそれらを前提とした派生作品の方が主流となり、

この~近畿地方のある場所について~という作品もそれにあたるが、

特にネット怪異譚のエッセンスが集約された連作という感じで、既視感と懐かしさを覚えつつ、

少しづつ更新されていきファンと感想を共有できるライブ感とボリュームとクオリティで、

漠然と感じていたそういうモノへの飢えをこのうえなく癒してくれた。

 

「マジで呪われそうで怖い・・・けど、先が気になる・・・。読みたいけど読みたくないけど」と葛藤しつつ、更新ボタンをクリックするのも終わりかと思うと切ないけども。

 

せっかくだから、もう一度まとめて読み直しつつ感想でも書いておこう。

全ネタバレ注意で!怖いのを誤魔化すためテンションは高めで!

 

 

 

一話「おかしな書き込み」

この一話め、マジでツカミはバッチリだよなあ。

怪しい転載サイトへの知見や、怪しい住所をストリートビューで確かめてみようという発想が現代人。

「やるやる、わかる~」で共感できて惹きこまれる。

時代の感性に沿ったホラーで、振り返ったらそこにありそうな怖さの演出として満点。

 

 

 

二話「実録!奈良県行方不明少女に新事実か?」

この連作全体でいえることだけど、媒体による語り口調の再現が素晴らしい。

1984年の週刊誌っぽい、カストリ雑誌の系譜というか、ケレン味というか俗っぽさというか、煽るだけ煽って投げっぱなしのいい加減な書き方の雰囲気が昭和ノスタルジー

被害者宅に取材が押し寄せて引っ越しを余儀なくされるとか、スキャンダル最優先でマスゴミによる報道被害の概念が未だ無い時代の感じ。

その後松本サ〇ン事件とか〇素カレー事件とかで偏向報道の害悪もそこそこ認知され、

今だとSNSで炎上とか各方面からの苦情を無視できなくなったから、

先んじてだいぶ配慮した表現に変化していることを再確認した。

 

あの頃TV特番でアメリカの超能力捜査官が事件の霊視してたの懐かし過ぎるwww

マクモニーグルていうおっさんだよねwww妙に語呂が良くて覚えてるわwww

小学生はマジで透視の訓練やったわ~。あの星とか波の記号のカード厚紙に描いて自作したわwww

ESPカードっていうのか、今でも買えるんだね。

 

 

 

 

 

 

女の子の写真見てそれと察するのは巣食うものの回や、

厄介さは神様に愛されるということという話を思い出した。

気になったらググってくれ。

まあ、ネットロアじゃなくてもしっぺい太郎とか古典にも見れるモチーフだな。猿神への生贄は花嫁と見立てるのがお約束。

 

三話「近畿地方のある場所について1」

ここでも今という時代の表現がスゴイ。

コロナ禍やリモートワークという概念の登場はもちろん、

出版不況とオウム事件以来ニッチになっていった超常界隈の現状が、実録お仕事ドラマさながらのリアルさで描かれていて惹きこまれた。

ホラー好きのオフ会が高円寺というのもよき。雰囲気わかる。

 

怪談師のツイートだが。

中央線沿線の怪談を集めてると、(駅は総武線だが)東中野の多さが異様。量だけなら本一冊書ける程、様々な体験談が寄せられてくる。なぜこんなに「東中野」駅周辺(半径五百メートルか、もっと小さい円に収まる範囲)に多数の実話怪談があるのか?謎である。あの第六天神社が怪しいかもしれない……?

— 吉田悠軌 (@yoshidakaityou) 2023年4月12日

東中野の隣駅が高円寺。演劇人のコミュニティがあって怪談イベントするハコやオフ会しやすい店が多そうなのが高円寺。あのあたりはなんともいえず空気が淀んでうらぶれて、サブカルも生息しやすい雰囲気ある。

 

また、作者であるPN背筋が人物として登場するわけであるが、文字媒体ならではの叙述トリックの一種というか、性別が明らかでないのがラストに効いてくる。

 

 

 

四話「林間学校集団ヒステリー事件の真相」

怖いよお・・・。

怪異の容姿が見える回。白い巨体、女を呼ぶ、柿が好き、などの共通項が出てくる。

山で遭遇し、姿が見えるモノというとヤマノケシシノケみたいなネット怪談が有名どころか。有志イラストや漫画出演も多数ある。

山にまつわる怖い話、山怖というのは怪談のなかでも一大ジャンルといえるよな。

山は、人のテリトリーの外、隣接する異界だ。

人の理の通じぬ場というのは恐ろしくも惹かれるものがある。

山のモノで更に人語を操る怪というと、

すりゃあぬしんんまけ?」「しっぽ しっぽ わたしのしっぽを かえしておくれ

でググればわかるが、かなり怖め印象強めな話を思い出してしまい、

余計にこの林間学校の話が怖いのであった。

人語を真似てるだけの壊れたレコーダーみたいな怖さはしっぽの話に通づるものがあるわね。

しっぽのやつも赤ちゃんの顔ってーとビジュアル猿系な感じするし。

疥癬とか皮膚病で毛が抜けた猿や動物っていうのはそういうバケモノに見違えやすいということがあるらしい。

 

この画像は毛が抜けた熊だというが、

正体見たり枯れ尾花、にしても見慣れぬ、異様さがあるものだ。

マジに遭遇したら三度見して腰抜かすね。

 

 

 

五話「まっしろさん」

うおお読みつつググりつつ書いててだんだん怖くなってきたあああ!!

この回もまた、1900年代のニュータウン開発ラッシュという時代性や、その一昔前のラッシュだった団地というふたつのコミュニティの軋轢を描いていて、ドキュメンタリーとしても読ませる舞台っていうかね!ほんとそういうとこすごいよこの作品!

そして真っ白さんね。

これは読んだとき「ヒサルキ」にインスパイアされたっぽい話だと思った。

子ども達の間でだけ認識され、大人は子どもの異常行動から窺い知るだけという怖さの語り口は きんきらさん を思い出しつつ震えた。

ヒサル、あるいはヒサユキ君、みたいな表記の揺れがあって、

この作品でもましろ(白)、ましら(猿)、まさる(人名)と、表記の揺れそれぞれに意味が肉付けされていくわけだが、

ヒサルキもサル、猿らしき怪異の場合もあり。しかしてその正体は獣の皮を被った不可視の霊体のようでもあり。

名も姿も曖昧なまま、それらしきモノの投稿や考察が盛り上がってた時期があって、あれは今思えば黄金期だったよなあ。

無責任なネット住民まかせではヤマもオチもまとまるはずも無く、ただ忘れられていく話だったわけだが、

この作品内では、ひとつの物語として読みやすく納得いくものとして再編成されていて、

それはひとつの決着であり昇華であり、ひょっとしたら墓標かもなぁと思うのであった。

ヒサルキの噂は、不特定多数の観測者が複数の異なる投稿から共通項を見つけることで展開していったもので、

その在り方こそこの~近畿地方のある場所について~という物語の雛型ともいえるだろう。

中途半端に散らかったまま忘れていたヒサルキの話も、

この物語に取り込まれて諸共に終わったような気がしているのだ。

 

 

あとそういえば、

ブロ主はうしおととら世代でもあるわけだが、

幼女を攫い、毛を残していき、猫を〇してる猿っていうと、なまはげを思い出してもうダメww

猫の血痕でうしおを騙すとこの絵が怖すぎてさあ・・・。藤田和日郎の妖怪絵はトラウマメーカー過ぎるww

ましろさんはなまはげの猿で脳内再生されています・・・。

 

 

 

六話「ネット収集情報1」

ユーチューバーによる心スポ凸はそうやって文章化するのかー、と感心した。

 

怖い噂を扱う媒体を網羅するモキュメンタリー形式としては、いまどき当然動画配信も外せないわけだが。

動画の内容を地の文で書き起こすより、

※現在削除済みのため以下ネット掲示版に投稿されている動画内音声の書きおこしを転載

 

という形式にするとは、恐れ入った。

こういうこだわりがリアルな怖さを演出してるよなあ!創作乙と言い難くなる!ほんとに有りそうな気がしてきて!怖い!

 

 

七話「読者からの手紙1」

メリーさんのような、だんだん近づいてくるパターンの怖いやーつ。

夢のなかにも来るのが怖い。

次に眠ったらアウトのフラグたてて終わるところは、

メリーさん+猿夢 って感じ。

はいまた猿系の怪異でね、ネタを天丼にね!わかってるとも!!

 

 

八話「近畿地方のある場所について2」

神保町と聞くと反射的にカレーが食べたくなるな・・・。

 

神保町っていかにも編集者が打ち合わせしてそうな町だよねえ~。

神保町といえば、出版社と古本屋と純喫茶とカレーだよね。

 

各話の繋がりを示唆する、謎解きガイダンス回。

 

 

九話「読者投稿欄」

2009年の投稿で八尺様に言及が。

そう、八尺様は超有名ネット発怪異だからね!代表格といってもいい。

アクサラとかの派生も生まれるくらいの知名度というか浸透度があった。

ジャンプ女という派生が生まれてもおかしくなかっただろうっていう、そういう説得力だね。

 

八尺様とくねくね、口裂け女人面犬、ジャンプ女とまっしろさん。

双璧として挙げやすい怪異なわけだが、

構図的にはヒロインとマスコットみたいなことに思えてきた・・・。

 

十話「賃貸物件」

2015年でIターンブームかあ。そんな言葉あったなあ。

一か月して忘れた頃にやってくるとか嫌な怪異。

この連載も終わって、怖い思いをしたことを忘れたころになんか起こりそうっていうかさあ!?

 

不動産サイトで心霊写真っていうのもあったねえ。

怖いから画像は載せないけど、白塗りのクローゼットの隙間になんかが見えるっていうのがバズったのは2021年ぐらいのやつだったか。

あれも一枚バズれば、ネット民が我も我もと探しはじめて色々見た気がする。

 

 

十一話「ネット収集情報 2」

本当にあった怖い名無し キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 名無しさんキター!

 

ご存じ洒落怖スレの転載風。

 

おそるおそるID検索かけてみたけど、該当スレ無し!!!

創作で良かった!!!٩( ''ω'' )و 良かったよお!!

 

洒落怖の投稿でもありつつ、ブログ文化についても描写されている。

二つの媒体をカバーしてる回。

 

fc2ブログかあ。SNSって結構、雰囲気や住み分けがあるというか。

はてブロは主婦や陰キャ層多め、アメブロは芸能人やスピ系多め、ライブドアブログは堅め多め、みたいな印象だが、fc2ブログは画像アップに強いというから、それこそバイカーの日記や旅行系が多いのかな。

 

ところで、祠は地元民からは放置されてるのだが、今風な美少女フィギュアまで詰め込まれてるという。

ねんどろとかレーミクとか詰まってたら草なんだが。

つーかオタクが作る推しの祭壇で脳内再生して怖さを誤魔化そう。

 

ねんどろいど プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク 初音ミク ステージのセカイVer. ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア G12495

怖いの怖いのとんでいけ~♪

 

オタがせっせと嫁を溜め込んだ祠。

 

 

十二話「インタビューのテープ起こし 1」

「確か僕より前にいた先輩なんかはあのあたりの宗教施設の潜入ルポを書いたって言ってました」というのは今まさに会話してるPN背筋さんのことではないのか?

読み直すとはてな

 

気がついても知らんふりをする。という護身法はよく聞くね。

見えないフリだけでどこまで逃げられるかの限界を更新し続ける漫画見える子ちゃんとか。

 

 

十三話「待っている」

十四話「待っている掲載前原稿」

料理したものから「味がしない」というのは、この話以降も出てくるキーワードになる。

これはさほど既視感もなくそこそこ不気味で、オリジナリティのある設定に思える。

コロナの症状である嗅覚味覚障害からきてるのだとしたら、まさかあれがと思い当たる人もいるだろう。なかなか時代を捉えていてゾッとする。

 

味がしない、か。 

味というか、味気、精気だけ吸われちゃってるみたいなことかなあ。

 

供えられてもいない食物から味をチューチュードレインしてしまうとは。

お行儀も悪いし、人をチューチューするときも情報だけ吸って肉はいらないタイプってこと?

 

 

十五話「謎のシール、その正体に迫る!」

あああ力士シールね!あったねそんな事件!!

力士シール (りきししーる)とは【ピクシブ百科事典】

2008年のね!あれも謎だったなあ~。そう2種類あったらしいね。

そのころはもう東京に住んでなかったから実物を見たことはないのだが。

異様に手足が長いっていうとスレンダーマンみたいな?

やっぱそういうネット怪異のモチーフがそこかしこにあるなあ。

きっと自分も全部は拾えてないから、いつか考察サイトとかで網羅してほしいところ。

 

チェーンメールというのも懐かしい。90年代、携帯やピッチが女子高生のアイテムだったころの言葉。ルーズソックス履いてケータイにストラップをいっぱいつけた女子高生が最強の存在だったころの言葉だ。

もう時代はSNSで、若者はメールなんか使ってねンだわ。

 

 

十六話「近畿地方のある場所について3」

アムウェイみたいなネットワークビジネスの怖い話もぶっこんできたかあ・・・。

それは山怖よりも怖い、人怖というカテゴリ。にんげんがいちばんこわい。

 

 

十七話「インタビューのテープ起こし 2」

いわゆるひとつの意味怖、意味がわかると怖い話ィ!

短編としてもそこそこ秀逸ゥ!

 

エビ→メダカ→ヤモリ→ハムスター→インコ→猫→犬・・・

そして次は子ども、その次はきっと嫁。

 

だんだん身代わりが大きくなっていくの怖い。

いやむしろ、身代わりを次々と淡々と用意する男が一番怖い。

 

こいつきっと次は実家に帰って親と同居するぞ。

 

星新一の「暑さ」みたいな。

 

しかし、ゴールデンレトリバーなどと気性の穏やかな犬でなく、

しっぺい太郎のように白くデカく強く、紀州犬や秋田犬みたいな猟犬を仕込めば猿には対抗できた可能性もあったような。

犬は飼い主に似るから無理なような。

 

十八話「新種UMAホワイトマン発見!」

月刊誌はきっとムーww

UMAとUFOの無駄な知見が差し挟まるのウケるww

こういう小技が楽しい作品だよなあ。媒体の雰囲気再現度というか。

 

カレー回というのはアニメ漫画では一種の定番なんだけど、この作品だとそうくるのか・・・。OH・・・。

 

 

十九話「読者からの手紙2」

色々気になるサイコさんからの手紙風。

山に誘う女好きの白い大きいサルぽいやつと、赤いジャンプする女は、なんか似てるとこありつつ仲良くはなさそうな。

アレら、と、山に誘うものを複数形で呼び、それが神でもなく、すでに人でもないと?

あー、ていうか、ワタシ(赤い女)と、己(山へ誘うもの)が混線して交互に書いてるみたいなことか。

いふ、とか、さうやって、とか言葉遣いが古いところは明治生まれの語彙なのか。

 

言葉遣いで色分けするとこんな感じか?

一行の中でも混線してる可能性もなくはないが。

 

例の味がしない料理って食べたら毒なの?

神饌や仏壇のお供えはお下がりをいただいても良いが、

施餓鬼に供えたものは食べてはいけないというけども。

ケガレ(気枯れ)たものは食べても力にならず、腑を重くする。さらに伝染するかもってか。

 

まぁ、変だなと思ったら勘を信じて食べない選択もできないとなぁ。

現代日本人は安全であることに慣れ過ぎて、疑わずに接種摂取しすぎ。

もっと生物として鋭敏であれし。

 

二十話「ネット情報収集3」

心スポ凸実況。安価、保守、通報しますた。あるあるw

釣りであれー。

 

実況系の伝説といえば蓋スレとか?

 

二十一話「心霊写真」

前半はお仕事ドラマ風、後半は巨大建造物侵入の舞台の切り替わりがイイ。

どっちも好きな舞台だし、細かな描写で作者の取材力が確かなのをここでも感じる。

まじでカクヨムの他の作品とかほぼなろうと変わらないナーロッパ転生俺ツエーか悪役令嬢ザマーが主流で、ほんとに異色作だし、クオリティがアマじゃなくてプロのそれ。

 

ダム怖もまあ、ジャンルってほどではないが。

道は整備されてるし夜は無人の環境から心スポとしてメジャー。

怪異と水辺というのはいかにもだし、

だいたい集落が沈んでるしな・・・。

ダムの建設までには、だいたい蓋をされた闇深い話があるものだ。

「先祖代々の田畑が」で集落が消失するのに当然反対する派と、

補償金もらって他所でやりなおすアテがある推進派で、内輪揉めがおきる。

そもそも村内で揉めてた問題や派閥が絡んで陰湿な骨肉の争いに。みたいなのがパターンか。

でも作者もそこを掘り下げる年代でもないんだろうなっていう。

 

 

二十二話「ネット収集情報4」

山に誘うモノは若い娘がターゲットで、

赤いジャンプ女は経産婦がターゲット。

住み分けてるから何だというのかww全年代逃げられない怖さしかないww

男性はどの場合も供物の運び手や媒介者として使われるみたいだねwww

それ以外の年齢でも身代わり需要がありますからwww

老若男女逃げられない怪異でしかないんですよwww

 

記憶が抜け落ちて、自分がなにをしたか分からない恐怖か。映画だけどパーフェクトブルーを思い出した。ジャンル的にはサイコホラーというやつか。

 

二十三話「浮気」

ましろさまとジャンプで、二つの怪異が混じってますね? ふむ。

 

この話の男は、ペットを次々に身代わりにする男と違って、髪と人形で身代わりをつくりなんとかして女性を守ろうとしていて哀しい。

しかし、ペット男のとこで住職も言っていたが、このテの神系にマーキングされると時間稼ぎはできてもいつかは・・・っていう感じが否めない。

「一旦は大丈夫だから」って、一旦が過ぎたら大丈夫じゃなくなるってことだし。

 

こんなちょっとした、すぐ真似できるような仕草の儀式から取り返しのつかないことになっちゃう系のやつというと、リアル の読み心地に似てるかもしれない。

 

 

二十四話「近畿地方のある場所について4」

「情報をお持ちの方はご連絡ください」のタイトル回収のやつ。

同じ表題のやつがここからラストへ向けて加速していく仕掛けになるとは。

ここから、

二十六話二十八話三十話三十二話三十四話と一話ごとにこの話のバージョン違いが差し挟まれるのだ。

更新されて「あれ?これ読んだような・・・あれ、前のもナンバリングが4?」という既視感からの仕掛けに気がついて戦慄したw

 

なんかこう、様々な怪談をオマージュしている連作だから、いつもなんとなくどこかで読んだような既視感が付きまとうことを逆手にとって更に強調する天丼な仕掛けというか。

疑問を抱かせ、サイトを行きつ戻りつ数回読ませる体感型のホラー。脱帽の手法っすわ。いやプロだろ。

 

考察するとなるとクソまぎらわしいので数字つけといたんだが、

空白の間隔のとおりの順に読むと、冒頭のカフェでの振る舞いで小沢君がだんだん余裕をなくしていく描写になってるから、間隔が時系列で、

二十四話と二十六話の間隔にまだ加筆される話があるということか、

それとも4の位置をなぞると 了 になるということか。

 

あと小沢君は十八話ホワイトマンでのキャンプ家族が助かった例としてるけど、

二十九話の老婦人が語る知り合い家族が後日談だとすると助かってませんね・・・。

 

二回り年下の彼は背筋さんの息子とほぼ同じ年代で、子を失う母の哀れが赤い女にオーバーラップする。

 

 

二十五話「学校の怖い話」

そう、こういうヤマもオチも無いような噂がひたすらに書いてある怪談シリーズ本が雨後の筍のように出版されていた小学生時代だった・・・。

限られたこづかいで駄本を買ってしまったときの落胆と、それでももったいなくて隅々まで読んだ悔しみを思い出した。

 

学校の怪談ブームは1990年代が最盛だと思うが、

公衆電話のさとるくんは2000年あたりの都市伝説なんで、この怪談本も2003年の出版なんだな。

さとるくん (さとるくん)とは【ピクシブ百科事典】

 

怪談本といえば、

宿直の先生なんてシステムは1990年ごろにはもう全国で撤廃されてたろうに、妙にそのイメージが怪談と結びついて鮮明ですよw 

自分の行った小学校には畳敷きでちゃぶ台が残ってて宿直室という札のかかった部屋だけ、まだあったような。

宿直制度は1975年くらいまでなんだって。生まれてねえw知らんはずなのにw

昔の学校には宿直室があり、用務員さんとか、教師が寝泊まりしていた記憶がありま... - Yahoo!知恵袋

 

しかし七不思議なんて、誰が言い出したのやら。

どこの学校にもあることになっていたが、まあトイレの花子さんか、歩く二ノ宮金次郎像か、音楽室のベートーベンの絵が笑うとかの似たり寄ったりのレギュラーだけで七つ以上になっちゃうんだよな。

それよりも、通学路の途中にあるヤベー人の家とかのほうがリアルなスリルあったっけ。また性格の悪い犬が放し飼いにされててさあ・・・。

 

二十七話「読者からの手紙3」

十九話と同じ人からにしては随分知能が進んだ感の手紙。

内容的には赤いジャンプ女からだけど。

二十話の廃墟お札屋敷のスピママで、

次の二十九話で怪異となった経緯が語られる人。

十九話の電波レターは直接投函だというが、

この手紙は近畿からの郵送だったのだろうか、消印が気になるところ。

まだ人であった彼女がだんだん狂っていく過程の描写でもあると。

 

てことは、

時系列的には十九話の電波レターのほうが後なのかも。

憑かれた背筋さんが書いたものっていう可能性もあるな。

夢遊病状態でも東京にある出版社に直接投函できそうな人物という意味で。

 

 

二十九話「インタビューのテープおこし3」

メタ的な認識を語る回。

怪談は繰り返されるって、そりゃネット怪談を集積したこの物語のことではw

 

三十一話「辺境で見た異端、カルト教団潜入レポート」

アムウェイやったらオウムやら統一教会やらのカルト宗教もやりますよね。わかります。そこをネタにできるの素直にすごいです。

十二話の伏線回収回でもある。

やっぱこういう体当たり取材って村田らむさんみたいな男性がやってそうと思うよな。

で、そうか。男子禁制カルトだったから、男性のOさんではダメでそこから4年後に背筋さんが潜入するのね。

 

三十三話「インタビューのテープ起こし」

過去回想突入からの因縁を明かす回。

って言い方をすると漫画などではラスボスバトルに入ってのお約束みたいなもんだがw

 

ネット上の情報を検索で手繰るだけではどうにもわからないことが、現地に行ってみるとあっさり判ったりするというのは、

ググればなんでもわかるつもりになっちゃう現代だからこそ、あるあるとして心得ておきたいところ。

ものを見る視点が違うからな。自分の知りたいことを見て撮ってアップしてる人は稀。

昔の人はなんでもネットに書いたりしないしね~。身内の恥には口を噤むし。

 

まーまー、この辺を詳しくしてくれるのが作品であることの有難さだなと思った。

ネットの怪談は一人称の経験談に終始してものごとの成り立ちまで遡れないことの方が多く、

かといってヘタなバラシ方をするとそれはそれで創作乙と野次られる、匙加減の難しいところなのだ。

「お前たちあそこへ行ったんか!」とか叱ってくる訳知り顔の爺ちゃんキャラとか住職神主とか登場すると、あーそのパターンかーで萎えるっていうw

八尺様にくねくね、姦姦蛇螺とかコトリバコとかリョウメンスクナとか裏S区とか、有名作でさんざん見た展開だからな・・・。

 

記者がわざわざ出向いて取材して聞けた話、という語り口は良かった。

 

 

ネット伝奇の集大成といえる、実に良質なホラーだった。

この物語をリアルタイムに理解できる世代で良かった、心から楽しめた。

 

あと作者の近況ノートとツイッターも使い方が秀逸だから忘れずに。

なんならカクヨムのレビュー欄もなかなか読み応えがあることになっている。

すでに書籍化も決まったとのこと。

 

 

 

 

よし!では総括といこうか。

二十八話あたりから怒涛のネタバレとまとめで情報量がやや飽和するわけだが。

 

つまりそもそも、山に誘うモノはさしたる由縁も無く形だけ祀られたヒトであり?

忘れられた神の祟りなどでは無かったけど、それだとかえってタチが悪いともいえる。荒神でも御霊でもない、神格も権能もない、凡夫をのぼせさせただけの神て。

 

てかそんなことでこうも強力な怪異になるというのもピンとこないが。

じゃあ、怪異の核なのはマサルじゃなくて黒い石なのでは?

そもそも彼らがおかしな死に方をしたのも石の誘惑によるものなのでは。

隕石か何かなのか、珍し気な黒い石が、人の血を吸い人に祀られてどんな存在に成ったやら。

人を食いたい虫のような本能だけの存在ってエイリアンな感じするわ~。

ウェルズの宇宙戦争のやつみたいな。まさかのUMAオチw未確認生物説だったかww

 

蜂や蟻などの社会性昆虫、鳥の編隊飛行や魚群のような群知能の生態ぽいから アレら というのか。

スイミーで脳内再生すれば怖くないぜ。

フェイスタオル レオ・レオニ スイミー 34×80cm FD472600

 

 

小道具扱いだった黒い石を中心に考察するとパズルのピースが合う感じがしてくる。

 

そういや怒涛のネタバレがあったのに、ラストで黒い石の所在、不明だねえ・・・。

明治から祠→2000年まで宗教施設→2011年まで廃墟お札屋敷→そこから軍曹が魅入られてどっかに持っていったと。

ああ、赤いジャンプ女は宗教施設からお札屋敷(自宅)に石を持ち込んで拝んでたのか。

そして、黒い石は経年変化で白猿化したまさると、加えてあきらという新しいアバターもゲットしたと。

発生源が同じだからふたつの怪異はちょいちょい混線すると。

でも赤い女には白猿=黒石=あきら であることがわかっていない、と。

宗教のご神体が、祠から盗まれたモノと知らなかった?のかも。

 

石からすれば、人間を友釣りにするための疑似餌やデコイみたいなものなのかねえ。

知能のスケールが違う獲物を狙う時、人間だってキラキラの魚そっくりのルアーを使うもんな…。

人だったころの残りカスを再構成した式神みたいなものだろうが、

白猿まさるは娘ばかり選り好みをするが、

あきらと赤い女の導入で獲物の守備範囲も行動パターンも広がって、

黒い人食い石は大漁でホクホクなのでは。

 

 

 

ふむ。

では、その黒い石とやらを破壊ないし海にでも投げ込めば根本的解決なのかもしれないね。

まあ、簡単にそうさせてはくれないだろうがw

 

 

さて、ここまで読んで怖くなってしまった方がいれば申し訳ない。

詫びというわけではないが、オカルト大好きブロ主から、心整うホラ話をしておこう。

 

自分はオカルトのすべてを否定しない。

幽霊も、妖怪も、宇宙人も、神も悪魔も。

そして有限のすべてを内包する無限であり、

始まりの前にあり終わりの先にある神秘も。

 

一切皆空 一切有為法夢幻泡影 

だから、ほんとうはなにも怖くはないのだ。

 

二十九話の老婦人作家と、三十三話の老爺、語り部のじじばばの示すメタ。

怪異は語られることによって、神は祀られることによって、力を増すという思想。

 

人間集団の無意識の力をある対象に方向づけて束ね、強化するという思想。

 

そういうことはあるだろう。

そしてそれは、ヒトが己の心の力というものに無自覚無責任だからそういうことになるともいえる。

 

対象がなにかも知らず、恐れ、あるいは縋り。

一人ならまだしも集団でそれやっちゃって、ますます無責任になり、手に負えないほど膨れ上がれば忌避して封じる。

 

いい加減そんなこっちゃいかんのですよ。

 

自分のもつ、一人分の意識の力、それを正しく自分のもとに在らしめる。

それができれば、怪異も支配も振るえる力を失くすのだ。

 

噂を恐れることも、神に縋ることも、

自分のもとに在るべきパワーを不用意にダダ漏らしにしている行為であることに気がつき、律することを覚えればいい。

それは本来、あなたのもとに在って使われるべき力、使命を実現するための祈りの力なのだ。

 

 

まあ、

もっとてっとりばやくこのテの怪異への解決策を提示するなら。

怪異の引き寄せる力に抗えないなら、

怪異より強い神様に帰依すればよくね?

とは常々思うところ。

 

老婦人作家のように「幽霊なんていない」と言いつつ、

そこに自己正当化とか「もしかしたら」みたいな恐怖や矛盾があると防御として隙だらけでダメ。つけこむ余地みえみえ。

 

たとえばダムの近隣住民は「うちは仏教だから」と言っていて、

まあそれでどのくらいの信心か推し量れるわけではないけども、

 

天部や菩薩ならまだしも如来クラスなら、百年やそこらで一部地方限定の怪異なんぞに負けるわけねえから。二千年のワールドワイド宗教は信仰強度レベチだから。

あとは、怪異との縁が強いか、仏との縁が強いかってことになり、そこを決めるのは自分自身の意志でなんとかなる。

祟られたからって住職や神主や霊能者に縋ってもそりゃダメだよ。かれらにんげんだもの

仲介者なしで直に如来創世神クラスの神にアクセスして帰依する。これでイケる。

怪異があると認識したなら、神仏があることもまた認識できるところにきている。

時間も空間も越えて存在を感じ縁を結べるのは神仏とて同じこと。

ジャンプして名を呼ぶだけで怪異と繋がってしまうこともあるように。

神仏と繋がる方法も基本的にはよく似ている。身口意の秘儀ということだが。

滝行とか出家とか大袈裟にしなくても、般若心経百回写経読経とかでもいけるいける。

そしてそこで助けて欲しいと縋るのではなく、己を手放してすべてを委ねるのだ。

神仏と一体となり調和すれば、マーラの付け入る隙も無し。

 

それがスピリチュアルスペースで高みに導かれるのと何が違うかっていうと、エゴの捨て具合がコツ。

自我、我欲、執着、恐れ、四苦八苦みたいな色んなものを持ったままだと、近い波長の存在が寄ってきてしまう。

だから正しい心のセッティング、アファメーションが重要になるから、間違いのないところとして般若心経を例にあげるのだが。

 

 

 

いやまあ。

別に「幽霊なんているわけない」派もそれはそれでいいし、

日本人の日常から素朴な信仰心が薄れたことを嘆いてるわけでもない。

 

自分の心の在り方を、自分で決められるなら、

それが自由であり自在であり、最も素晴らしいことだから。

 

ちな自分のスタンスとしては、神も悪魔もいるにはいるだろうが、

「祖に逢うては祖を殺し、仏に逢うては仏を殺せ」という禅の精神に心を定めている。

神や仏に縋りたい己の弱さを斬り捨てて進めば、

神仏を越え、理法(ダルマ)を越え、最後のポータルをくぐって至る涅槃の境地があるからだ。

それは普く惜しみなく万物に万人に、ただ開かれている。今この時にも。

 

 

よし、心が整ったからもう怖くない。

 

メンタルケアメソッドを会得したことで、

いっそう心置きなくホラーに没頭できるようになったというww

高尚と卑俗は陰陽引き立てあってこそ味わい深いものですね。

 

 

 

 

dic.pixiv.net

洒落怖有名作のタイトルがまとまってるサイト。リンクまでググるかはご随意に。自分も久しぶりに巡回してみようかな。

 

 

ねんどろいど 虚構推理 岩永琴子 ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア

虚構推理の岩永琴子。

 

これもネット発怪異のムーブメントからの派生作品だ。

くねくねや八尺様が生まれたように、掲示板の書き込み、ネット民の無責任でゲスな集合的無意識から怪異が生まれ、

琴子はネットの書き込みを誘導することで怪異を消してもみせた。

 

そういえば、隕石が核になった怪異というネタもあったっけ。

 

 

洒落怖派生作品てどのくらいあるんだろうなあ。

 

映像化とかもあるよね。

“洒落怖”の最恐トラウマ話「ヒッチハイク」映画化! 主演は「原因は自分にある。」大倉空人 : 映画ニュース - 映画.com

ミッキーマウスマーチは差し替えでしょうなwww

怪異よりディズニーのほうが怖いというホラーwww

 

【コラム】洒落怖『リゾートバイト』の映画化が「リング」みたいになりそうで死ぬ程洒落にならない | ロケットニュース24

きさらぎ駅も映像化されていたのか。

 

まあ、自分はホラー映画よりアニメ派なんであしからず。

 

 

 

 

石が人食いで思い出したチキタ・グーグーこれ名作。

石の人食い、水玉のクマの人食い、美少年の人食い、人を食えなくなっていく哀れでいとしい人食い達、各種取り揃えております。

 

 

HGウェルズとスピルバーグトム・クルーズとかいう約束されたクオリティ。

 

 

今敏監督もきっといつまでも色褪せないよな・・・(T_T)それがオリジナルということ。

元祖水星の魔女・ウテナ全話公開くる!! 脳の義体化。

水星の魔女2期と併せてオススメしたい!

少女革命ウテナが公式で全話配信くる!!歓喜!!全力待機!!!

第1話〜3話は4月10日21時、続きは毎週順次公開とのこと!

 

 

ウテナの1話は常時公開されているので今すぐご視聴いただけるのだが、

この1話を水星の魔女1期1話と見比べるだけでも相当オマージュが詰め込まれていることがわかる。

youtu.be

巨大全寮制学園で、花嫁を巡る決闘とそれを取り仕切る生徒の組織があり、

横暴な婚約者・西園寺ワカメがグエル、訳知り顔の会長・桐生冬芽がシャディクのポジションにいる。

トマトの温室の前でグエルがミオリネに無体を働く場面があるが、それは

鳥籠に似た薔薇の温室の前で婚約者が花嫁にビンタする場面とあからさまにオマージュ。

くるくる回るOPとかマスコットはチュチュとか他にも色々それらしき箇所はあるので気がつけば気がつくほど楽しい。

 

花婿と花嫁、ウテナとアンシーでは、色黒と身長差が逆転してミオリネとスレッタになっている。

洗脳依存でメンタルがヤベーお人形娘というキャラ属性がアンシーでありスレッタで、

謎解きしてその心に寄り添って解き放つ役目がウテナでミオリネになると信じてる。

 

信じているが、そこに至るまでが結構ドロドロでキッツイだろうな~っていうのもウテナ履修済みだと覚悟してしまうところだ。

まあ、当時それでもウテナに夢中だったのは、独特かつ唯一無二の演出や美術の素晴らしさだよなあ。今見てもほんとにカッコイイから!傑作!ほんとに!

 

歌や影絵少女など、演劇や寺山修司からの文脈もあるんだよな。

もちろんセーラムーンからの変身バンクや少女漫画の系譜でもある。

そういう文化的な側面が自然とわかるようになったのも年経たオタクの醍醐味よ・・・。

 

そういえばウテナ1話では、

女生徒が男子の制服を着てることで一悶着あるわけだが、

20年も経った現代だと「女子は女子の服を着てるのが当然」の感覚が薄れたよなあ。スラックスを公式で導入するジェンダーフリーがトレンド。水星の魔女でも制服は男女同じくの半ズボンだ。

女子高生が「スラックス制服」を選ぶ実用的な理由、彼女たちの本音とは | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン

 

教師や常識に逆らって自分のスタイルを貫くウテナのカッコよさが伝わらないというか、伝わるけど、「ああ当時はそういう感覚だったな」っていう懐古のワンクッションが入るようになった。

こういうのを隔世の感っていうのかねえ・・・。(:3」∠)

 

 

 

inspiration.hateblo.jp

 

あとついでにここに書いとくか。

 

スレッタの正体について様々な考察が紛糾しているオタク界隈だが。

スレッタは記憶喪失のエリクト説、

スレッタはエリクトのクローン説、

スレッタはエリクトを移植するための器、つまりガンド、義体である説などがある。

 

これ、なかなか新しくて今時で考えさせられるテーマだとおもった。

 

ガンド、義体

 

攻殻機動隊やいわゆるサイボーグ、

機械の体に脳を移し替えるという設定は、すでに感覚的に受け入れられるものとなっているわけだが。

 

脳死した人間の肉体から、脳を取り除いてAIを積む。

果たしてそれは人間か、という問いが肌感覚でリアルな時代なんだなあ。

 

水星の魔女でいえば、

母プロスペラの義手は外見からは普通の腕だが、電池で動いている。

娘スレッタはご飯を食べて活動して、電池切れはおこさないようだ。

エネルギー源の問題は容易に互換できない。

つまり、スレッタの肉体は人間だと思われる。

 

エリクトがガンダムに同調し過ぎて意識を持っていかれた的な事件があったとして、

糸の切れた人形のようになったエリクトの肉体に、脳かあるいは脊髄付近に、生命活動を維持し肉体を統括する補助AI的なガンド、脳の働きを代替するガンドを積み込んだ。

肉体を動かし始めた意識をスレッタと名付けたが、

それはあくまでエリクトを再インストールするまでのツナギである、と母は考えているとしたら?

 

これはなかなか、考え応えがあるわ・・・。タブーに触れてるわ~。

 

私達は漠然と、アイデンティティというものが頭部にあると思っている。

 

手を失い、足を失っても、自分は自分だ。

義手義足をつけても自己の連続性は失われない。

 

臓器移植はどうだろうか。

心臓とか重要な臓器を代替物に置き換えること。

まあ、内臓は普段見えないからな。

考えはじめると夜も寝れなくはあるが、

意識されないから、気にしないことはできるから、まあ、うん。

 

顔は?

顔は自己認識に大きく影響する。

エラン4号君は顔を変えられた、それはかなり自我の拠り所を危うくする。

 

脳は。

 

例えば、誰か親族が脳死したとする。

現代医療では手の施しようもないが、ガンドという技術で、「代わりの脳」を積めば、肉体は再び動きますよ、と言われる。

施術して目を覚ました親族は何も覚えていない、外見はそのままだ。

だが、それはただの記憶喪失とは違う。

その頭の中に入っているのは機械なのだ。

それを、元の人と同じと認められるだろうか。

 

う~ん・・・。

 

あるいは、それが自分だったら。

臓器移植カードを書くことを想像する。

問、貴方が脳死と判定された場合、脳を他のユニットに代替しますか?

 

う~ん。これは悩む・・・

脳を失って、記憶を失って、そしたらそれはもう自分ではない気がするな・・・。

でも肉体は新しい意識らしきものによって動かせますとか正直やめて頂きたい。

 

そこに外部に委託した自分の記憶を再インストールすれば自分は自分かって?

いやぁ・・・。

 

アンパンマンのアレ、ツブアンマンの思考実験じゃん。

外部から見て同一人物としても、自己の連続性としてはそれは死んでるねぇ・・・。

 

 

一歩手前の、

機械やガンド的なもので脳機能を拡張するという発想までなら、

電脳化とかマルドゥックスクランブルみたいなニューロンネットを皮膚に拡張とかあるけどね~。

記憶や自己連続性が地続きで、何かを付け足すことはあるとしても、元の脳を損じるようなことは、やっぱかなりのタブーだったと思う。そういう発想がでてこないのだ。

 

 

脳機能の大部分をAIに置き換えた動く肉体を、人間と呼べるのか。

 

これは素晴らしいSF、興味深い問いだ。

 

人間が主で機械が従なら、それは人間と思いやすい。

草薙素子少佐は、

人間の頭が機械の体を操っている。

全身義体で生身の部分はほんとに脳だけしか残っていないけど。

 

この黒い殻の中に入ってるものだけが人間というのも奇妙な感覚ではあるが。

 

しかし、

機械が主で人間が従となると。

機械の頭が、肉の体を動かしているとすると。

それは、人間なのか・・・?

 

このイメージ、脊髄や脳核などの中枢をガンドで補い、肌色部分は生身で。

人格や意識はガンド部分の担当だったら?それがスレッタだったら?

 

フムン。

 

そうなるとそれは人間とは呼べない存在かもしれないね。

 

それでも、ミオリネからすれば、スレッタはスレッタだろう。

 

機械だろうが人間だろうが、ガンド星人だろうが。自律する生命体であるなら。

その人格らしきものを尊重し関係を築くことはできる。

 

スレッタが人間じゃなくても、ひとつの心ある命として、自由と自立を獲得していけることに変わりない。

 

でも、夫も師も仲間も失ったプロスペラが娘までは失うまいとし、

スレッタをガンドに宿った仮人格に過ぎないと思おうとするのも、いずれ消すものとして人形扱いするのも、ちょっとわかるかもな気がしてしまったというか。

 

いや、全部もはや推論ともいえない妄想だけどね!

水星の魔女二期まで時期が空き過ぎだから、考えて楽しんだだけ。

 

 

 

そして、やはりそれは思考実験でありSFに過ぎないとも思う。

体癖を学んで身体を練って、瞑想で自我を手放す練習をすると解るようになる。

頭と体、意識と身体は主従のようで、もっと切り離せない不可分なものなのだ。

意識は頭部や脳に独立してあるのではなく。

身体性が生む動作や感受性が無意識の基底を形成している。

自然と人間を対立させる近代的な思想が、意識と肉体の分離と支配という発想に敷衍してる、それは根本的な勘違いなんだねえ。

 

それらは太極図のように陰陽になり支え合い響き合い循環して成立しているものなのだ。

どっちか取ってしまったら、傾いて崩れてしまうだろう。

 

複雑精妙な動的平衡でできてる肉体を、後付けでくっつけて制御できるAIなど作れようはずもなく。

 

また、自己の連続性や記憶や自意識を失うことは死と同じほど恐ろしいが、死と同義ではなく。

人を構成するパーツのいくつかが失われても、他がそれを補って平衡を保つうちは、やはり生きている。

 

エリクトとスレッタは、すでに不可分に同じ心身に同居しているものであり、

記憶を再インストールするまでは仮人格のお人形と思ってるプロスペラはやはり間違っている。

 

自我の在り処は、心身の保つ恒常性のなかに流動的にあるものなのだ。

 

例えば、音楽に例えるなら。

アイデンティティは主旋律やサビみたいなものだ。

その曲をその曲たらしめる特徴的な旋律。

オーケストラが奏でる調和のなかに繰り返しあらわれるパターンみたいなものだとして。

 

サビに固執してそこだけ強調すると、曲の調和を壊してしまう。

 

また、演奏が進むうちに、特徴的だったサビを全く使わない転調が来ても、曲の連続性が失われないうちは、同じ曲目として認識すべきだろう。

 

もう一度あのサビを聞きたいと思っても、演奏の流れを邪魔してはいけない。

その時が来るまで待たなくては。

転調のなかにも、やはり主旋律と響き合っている調和があることに気がつかなくては。

 

まあ、そういう例えっていうか。

自我も人格も記憶も、流動的であってそんなに確かなものでもないし、

アイデンティティが頭部にあると考えるから生まれる間違いがあるということなんだが。

うーん。これは言語化できるまでもう少しかかるテーマだな・・・。

 

 

 

 

 

 

 

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第1話〜3話は4月10日21時、続きは毎週順次公開となる。


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クラスに1人はいる女の子の体癖

ツイッターでちょっとバズってたやつ、体癖でもすごいわかる~!。と思ったのでメモらせていただきたく。

 

 

体癖とは

体癖 - Wikipedia

 

 


クラスの中心タイプ女子ちゃん 呼吸器型前後型5種体癖

そういうタイプは、肩幅があるほうで、膝下が長い方で、アゴの奥行きがあるほうの顔をしているはずだ。

全方位外交型のトップオブ陽キャ

スポーツ万能、行動的で器用で視野が広い。

モノマネがうまいのというのも判るところ。人間観察が得意でパッと特徴を掴んでしまうセンスの良さがある。先生の真似とかして笑いをとるんだよなあ。

人目を惹く最も羨ましい体癖のひとつではあるが、欠点もある。

好きな人に奥手とあるが、そう。内面は不安が大きく肝心な時にビビりなのだ。

悪くすると利益優先の裏切者になったりするタイプ。

小学生くらいだと単純にガキ大将の7種がクラスの中心ではないかとおもうが、思春期の高校生くらいだとコミュ力おばけの5種の天下ですよね。

 

 

天然おっとりタイプ女子ちゃん 消化器型左右型4種体癖

 

色白で微笑みが魅力的で、着痩せして見えるがしっかり胸はあり、おっとりした癒し系の雰囲気で無自覚に男子をオトしている。

うん。4種はそういうモッテモテのハーレムヒロインのタイプ。

ツイッターのアンケでも一番モテている。

「モテるけど誰とも付き合った噂を聞かない。」

あー。4種は自分の感情が曖昧なので、積極的に誰かを好きというよりはアプローチを受けてどーしよっかなーと思うほうだろうけど。

陰型・偶数体癖は、陽型よりも隠しごとは得意。ポーカーフェイスというか感情を表に出さず相手に覚られないことができる。

なので、噂はなくとも彼氏がいることはおおいにありえる。多分彼ピは同学年じゃなくて年上。

モテはいいけど、押しの強い悪い男に捕まらないよう注意が必要なタイプだ。自衛できる強さも大事だよ。

 

ミルクティーか。4種は食が細くなりがちだから、流し込めるものでちょこちょこカロリー補給してるのかもね。

 

 

 

ミステリアスタイプ女子ちゃん 泌尿器型捻れ型8種体癖

 

この子はやや審議中。

まず「いつも一人で音楽を聞いている」

独りでいるのも快な体癖といえば、1種、6種、8種、9種。

だが、この子は大人しくミステリアスとある。

1種と9種なら、自分の好きなことになれば流暢に喋り出すだろう。

感情やパーソナリティが一見してわかりにくいのなら陰型・偶数体癖だろうか。

6種か8種か。

ラインの文面に外見とギャップがとか言われると6種な気もするが、

おじいちゃん先生と仲が良い、というスローテンポが合うところで8種かな、と思うことにした。

この絵も、肩をみると撫で肩で、髪型と髪色の感じから色白かつ面長めに見えるしな。

6種だと巻き肩でやや地黒とシャクレ傾向だから。

ただ、捻れ型で感受性が勝ち負けの8種が本当におとなしいということはない。

adoちゃんのように家の押し入れでロケンロールしている可能性はおおいにある。

 

 

実はオタクなタイプ女子ちゃん 呼吸器型前後型6種体癖。

 

二面性の人格というと6種感。

オタクというと1種か9種かと思うが、

この子の着飾り方は1種でも9種でもない。

赤系のツインテの巻き髪にリボンが三個というchuかわいくてごめんみたいな盛り気味で威嚇的なファッションというのは6種かと思う。

まだヘアピンだがそのうちピアスもあけそう。

オタクにも色々界隈があるが、この子は「遠征費」と言ってるのでイベントやライブに行くタイプだね。舞台のような非日常空間が好きなのは6種だ。

意外とハスキーボイスもあるかもな。6種は肩が重いので声の出が悪いし、潰れて掠れた声になることもある。

まあ、声質より喋り方のほうがあると思うが。息を惜しむような独特の、どことなく色気や気怠さのある話し方でそれとわかったりする。夜の酒場感。

「感情がジェットコースター」ああ、うん。っていうか本人もだけど6種は付き合う方の感情をめちゃくちゃに振り回したがるというか・・・。

ピクトグラムもそうしたけど、姿勢がもう、人の胸ぐら掴んでガクガク揺さぶる予備動作の形っつーか。

6種の恋愛は最高に劇的だが、ヤンデレ注意報でもある。

 

 

 

イケメン王子タイプ女子ちゃん 泌尿器型捻れ型7種体癖

 

ハンサムな頼れる姐御。それは7種。

そうか、アネゴ系と思ってたけど、宝塚王子様タイプという解釈もアリだな・・・。オスカルゥ・・・。

勝ち負けの感受性をもつ7種は、闘争本能を昇華させたほうがいい。

さもなければ不良になりがちというのはよく聞くところだ。

プリンに醤油くらいならおちゃめだが、考えなしの迷惑系をやらかすタイプでもある。

弓道剣道、武道系の部活イイと思います。あとは陸上短距離系とかね。

勝ったり負けたりして、痛い目をみて学び体を動かすことでどんどん良いところが出てくる。

積極的なムード、弱い者においでよって言ってくれる親分肌な面倒見のよさ、人の喧嘩の仲裁とか。

ただ、この絵だと穏やかそうなスパダリ風味だが、7種は基本声デカイ脳筋戦闘民族だから、そこは過度な期待はしてやるなと思った。頼れるようで実は殴って解決できない複雑な話は苦手。王子だって人間なんだぜ。

もし彼氏ができたらめっちゃ尽くす系になったりもする。

 

 

おバカな愛されタイプ女子ちゃん 消化器型左右型3種体癖

 

愛嬌は最強。愛されて世渡り上手。それは3種。

流行に敏感で、美味しそうによく食べる子なのも追加。

頑張り屋さんはわかるけど、飽きっぽく努力の方向オンチをやらかしがちなのもまた3種。

・・・? 待て、なんか若干の悪意が・・・。絵からも・・・・?

3種のかわいさをあざとさとして嫌うタイプというのも一定数いるよね。

要領の良さよりも、努力や誠実さが評価されるべき、などと思うのは嫉妬だろうかw

そうだなぁ。

でも3種も意外と頼れて有難い場面っていうのもあると思うよ。

平和な日本、学校とか守られた場所では3種は守られっぱなしかもしれないが。

世の中、話の通じないヤバイ人や、治外法権の場所というのはあるものだ。

7種の正義感で対応すると大ケガする場面で、3種の場当たり対応力で相手を怒らせないようにバイバイできると助かること、あるんだよな・・・。

 

いや、例えば学校でも、めっちゃ怖くてメンドクサイ先生がブチ切れて連帯責任で怒られることになった場合があったとして、

7種が先生に正論で反発して火に油より、3種がなんとなく先生の機嫌をとってくれて早く終わらせてくれたらそのほうが有難いじゃん・・・?

 

家庭でもそうだ。ウチは7種の父親がいたのに、家族に左右型がいなかったので、父親がキレるといつまでもギスギスした空気が残った。

そういう時、3種の空気やわらげ能力があったら一番有難かったと思うんだよな。

 

3種はバカではない、みんなのためにあえて道化になってくれる優しさは、賢さで勇気なのだ。

 

 

 

頼れる秀才タイプ女子ちゃん 頭脳型上下型1種体癖

 

メガネ=頭脳型。モチーフが本=頭脳型。それはキャラメイキング界隈の不文律。

シャツとネクタイをきちんと着るのも頭脳型。デコだしが似合うのも頭脳型。

頭脳型ってだけでは1種と2種があるわけだが、

この子は「長い目で見たら~時には~正解だと思いますよ」という物言いをする。

これは1種の言葉遣いだね。俯瞰的で客観的だ。

時間の流れを俯瞰し、また、自分の意見を推すより、そういうことあるよねっていう事実を提示するにとどめる。「諦めなよ」とか言わないで、断言明言を避けた。

人の意志決定や人生に干渉したがらない、誰かと深く関わることを避けている。とも言う。

俯瞰の世界は達観になるから、感情の振れ幅は狭いし人生何周目っぽい言動になるが、

なんていうか、頭でっかちでその達観に人生経験の深みが伴ってるわけじゃないから、

実際の態度を見てると、わりとすぐ慌てるし、客観が過ぎて自己評価が低めになりがちで卑屈な言動もするし。

あれだ、ぼっちざろっくのぼっちちゃんみたいな。ああいうイジラれキャラにはなりやすいね。

孤高が快なタイプだが、話しかけてみれば空想の世界が広くて雑学も多いので、楽しい相手ではあるだろう。

 

ただ、オバケが怖いのはなんでなんだぜ?

自分は1種だと思うがオバケ関連話は全部大好物だ。まあ世代もあるけど。

空想がリアル過ぎるのかなぁ。不条理なものが嫌いとか?

怖いのであれば、恐くなくなるまで追求してみればいいのにね。

無知が恐れを生むのだから。

 

 

無気力ゲーマータイプ女子ちゃん 生殖器型開閉型9種体癖

 

うーんこの子も要審議か。6種っぽくもあるが。

興味あることにだけ夢中で、後のことは無関心。

パン買うときにすごい俊敏、「今日はこれに決めた!シュバッ!」っていう直感的な決断力と瞬発力があるのは9種でほぼ確定なんだけど。

9種ってそんなに眠たくないはずなんだよな~。

いつでもどこでも眠たいのは頭脳型だよなあ~。

ひょっとして、夜通しゲームやってて学校には寝にきている、なら有り得るか。

友達少なくても別にだし、人からどう思われるかも気にしないから、寝ることで周囲にどう思われてたとしてもそこは無問題。

9種のゲームオタクか・・・。めちゃくちゃやりこんでるんだろうな・・・。

新しいゲームを次々にとかじゃなく、ひとつのタイトルを何年もやるガチ勢だろう。

見た目がカッコイイ系で、喋るとカワイイ系というのは・・・?

9種って、目力が強いよね。視線を固定してジッと見るから、その集中は目が光るようで魅力的なのはわかる。

話すと意外にポンコツだったりするよなあ。興味あること以外は常識もなんも知らないみたいなタイプもいる。

9種を無気力というのは逆で、実は最も気力の集中が優れたタイプ。

ただ、ひとつに注力するあまり、他が無気力無関心ってことは言えるからな。

もし9種に惚れられたならクソ重い執着と束縛と世話焼きと干渉を発揮してくるので、

9種の人が無気力に見えるというなら、それは享受すべき平穏なのだとも言える。

ショートカットでどことなく小柄な感じの印象も9種的かも。

 

 

 

以上。

ああ面白かった。

まあ、キャラ造詣のテンプレと体癖イメージのすり合わせみたいなことだったか。

リアルにはこうもひとつの体癖が強調された人もそうそういねーよってことは理解しつつ。

 

やっぱ時々こういうのが流行るよなあ。

あの塩顔のやつとか。血液型占いとかさ。

 

人間をカテゴライズ、パーソナリティを分類することが好きっていう。

この気持ちは何なんだろうねえ~。

まあ、応用は果てなくても、原理を知ることで捗ることもある。

 

ところでこのイラストには2種と10種がいなかったなあ。

ステレオタイプでいうなら、2種は真面目な委員長、10種はあらあらうふふ系の大らかなママタイプって感じだろうか。

 

しかし、1枚のイラストにこんなに情報が詰まってるってほんと興味深いことだ。

キャラクター造形というのは奥が深いともいう。

 

最近は、テンプレ美少女の絵なんてのはお絵描きAIに食わせれば無限に生成できるということになったけれど、

っぱ、そこにパーソナリティや物語を感じないと推せないというか。

一枚絵であっても、まだまだ絵師が勝負できるフィールドはあると改めて思った。

魅力というのは、人間への理解や世界への認識から生まれているのだ。

ある真実を顕すこと。それが表現や芸術の本質であって、

AIがガワをいくら上手になぞってみても、それで心が震えるかっていうとね。

 

 

まあ、人間とはなにか。

という問いになると、体癖もまた癖に過ぎず、その人の本質とは言えないってことになるんだけど。

肉体と精神、体癖、人格、個性、気、幾重にも纏った殻の最奥の、源泉。

魂のはじまりの願いは、言葉にすると褪せてしまうから。

何度でも新しくそこに至るための道として、身体や感受性の形があると善いんだね。

 

 

リスアニ!Vol.50.5 ぼっち・ざ・ろっく!号デラックスエディション (M-ON! ANNEX 679号)

 

ぼっちちゃんは1種体癖。

ボッチになりがち。

独学で3年続けてギターを究める、決めたことをやりぬくルーティンの力、

各方面にすぐ広がる妄想力、客観のし過ぎによる自己評価の低さと被害妄想。

身悶えするほどの1種体癖み。

 

でも1種はピンクのジャージで外を歩くことはあんまないよな。人目が気になるから。

押し入れが心地よくいつも同じ服が落ち着くとなると9種っぽさでもあるが、

でも9種はああいうアワアワしたリアクションではない。

全体癖中、最も早くやるべきことを直観し行動してるタイプだから。

 

演奏中に弦が切れたのをボトルネック奏法でカバーするという機転をみせたが、

これは1種の長所が良くでてるクライマックスで拍手。

ずーっと頭の中でなにごとか考えてる1種は、悪い方向のイメトレもよくやる。

「ああなったらこうしよう、こうなったらああしよう」がとめどなくて夜も寝れないw

演奏中の細かい修正や機転、1種は自主自律のとき輝く。

ぼっちちゃんの良いところが出せるようになった、12話を通して成長したのが良く解った。

 

ちなみに全くの想定外の事態が起きてしまうと、1種も2種と同じくフリーズする。

そこまでいくと強いのは、反射で動ける9種か、反骨で動ける7種だな。

 

 

虹夏 5種体癖

コミュ力おばけ。

初対面の人間を舞台にあげるとかどないなってんねん。

バンドの利益の為に動くのと、姉と言い合いになってピャッと逃げたとこで5種だなと思った。

ぼっちの警戒をみて最初は深入りせず、段階的に親しくなる距離感の巧さがある。

酔っ払いに向けるゴミを見る目がw利にならぬ者を切り捨てる感性も5種み。

 

リョウ 9種体癖

クールというか無表情。まあ9種にもありがち。愛想笑いしない系。

自分の好きなことを追求し、友達いなくても平気。

人からどう思われてるか気にならない。変わり者上等。

好きなことには饒舌。スナイパー適性。

あとショートカットの髪型が似合う。

 

キタちゃん 3種体癖

コミュ力おばけで、本番で逃げるというと5種みたいだが、

先輩への憧れの力で頑張れる、というのは好きが感受性の中心の3種かもなって。

ギターとベースを間違えてたとか、アホなことするのも目端の効く5種では無いミス。

努力が方向オンチの非効率のアホの子で、でもかわいいから許されて、ぼっちのエグイ警戒の内側にあっさり入り込んでギターを習ってる最強の人懐こさは3種。

 

1種3種5種9種、

バランスよく、かつ捻れ型がいなくて、わかりやすい奇数気質なメンバー。

きらら系の優しい世界が醸成されるのも頷けるところだ。

 

虹夏のねーちゃん 9種体癖

厳しくて言葉足りなくて誤解されやすくて、でもちゃんと面倒見のいい指導者というのは9種っぽい。

 

酔っ払いベーシストは、6種かな?

内面の不安を誤魔化すため酒をあおり、舞台で豹変するカリスマで、一人でうろつき、シンパシーを感じるぼっちに甲斐甲斐しい。

 

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参考文献

 

 

体癖ガチりたい人はAmazonでなく、公式サイトに野口晴哉の著書がある。

www.zensei.co.jp

 

 

 

水星の魔女。絶対運命代理戦争学園。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 vol.1(特装限定版) [Blu-ray]

 

遅れ馳せながら水星の魔女見た。

なにこのOP詐欺アニメ・・・。

自立への希望に満ちた歌詞からの、

暴力イジメ洗脳トマトの怒涛のネガティブ流し込みでメンタルがデータストーム。

ていうか、もしかすると最終話付近まで洗脳を引っ張り、スレッタがミオリネを背後から刺す展開さえありえるなこれ。理由は後述。

 

12話かけて、かなり丁寧にドン底展開にしてきたな~・・・。

ワンクール全体が溜め回とかマジかあ。

 

昨今はツカミが大事というか、

冒頭にクライマックスシーンをどどーんと提示して惹きつけてから、

序章を語りはじめるようなストーリーテリングに慣れてたから、

このストレス展開、かえって新鮮というか昔懐かしいというか。

 

自分的に最もストレスだった点は、

子どもを道具にする親、子どもを戦争にけしかける大人、っていう構図だったな。

それアニメとかで一番見たくないのよ。鬼滅のお館様とかもめっちゃストレス。

 

だいたい、子ども向けアニメや児童文学などの典型として、

主人公の少年少女は親の気配が希薄というか、早逝してたり海外出張してたり再婚してたり、色んな事情で不在なことが多い。

それは少年少女が自立する通過儀礼、命がけの冒険の旅に出るのに、

親の庇護や安全基地があったら邪魔だからね。

子ども「敵を倒す冒険に出るぞ」パパママ「夕飯までに帰ってきなさいね」じゃお話にならないというもの。

 

水星の魔女も最初、主人公スレッタが親元を離れて全寮制の巨大高専学園に編入するという導入で、

よくある学園もののような雰囲気なんだけど。

 

まあ、決闘制度とか、決闘委員会とか、

学園モノあるあるとして生徒会的なものの権力がやたらに強くて教師陣が空気っていうのは脳死で理解っていうか、

めっちゃウテナだこれと思いつつ。

学園で決闘で花嫁を奪い合う百合、それは少女革命ウテナ

 

 

いや、閑話休題

で、しかしそのモビルスーツ搭乗の上での学生どうしの決闘がネットで公開され、

それがMS開発軍需企業間での試作品展示会とか、

プロモーションかデモンストレーションみたいな様相を呈していたことには驚いた。新しい。

その後の、ミオリネがブチかました起業プレゼン大会とかも高専プロコンみたいでその辺は大変にイマドキで新鮮だった。

 

学園という、少年少女だけ集められて閉じているはずの世界が大人の盤上となり、

学生たちは有用か無能か、企業の論理によって常に品定めされている。

 

ものすごく強く大人の影響下にある学園の世界観、これはあまり見ない設定だ。

 

その環境では子どもは、子ども達の世界で子ども同士の関係を築くことができず、

スポンサーである親の意向を汲んで、親達のパワーバランスの代理戦争を行うことを要求されている。

 

なんて窮屈な学校なんだ。学校の意味がない。モラトリアムが無い。

家庭と違う世界があると学ぶために学校に行くはずのところ、

学校が家の延長線上で、子どもが一族の尖兵扱い。

 

これは歪むわ。ストレスやばいわ。

常に親の監視に晒されて、子どもは家にも学校にも放課後にも、どこにも逃げ場がない。

 

ヒロインのミオリネのトマト畑を荒らす高圧的なグエルや、

その後決闘に敗れたグエルが寮から追い出されてイジメにあう場面、

アーシアン(地球出身)とスペーシアン(惑星系出身)のギスギスして差別的な空気。

 

学園が陰湿な暴力の温床になってる描写に納得しかなかった。そらそうなるだろうよ。

 

そういう環境にいる子どもがどうなるかっていうと、つまりエラン4号くんみたいなことになるんだね。

親の顔色が世界の全て、親の愛を求め、親の期待に応え続け、自我の発育を抑圧し、それでは能力も伸びず、親の期待に応えられなくなり、廃棄。

 

エラン4号くんは、誰かの顔を模したイミテーションとして扱われ、人格や尊厳を無視され利用されているという意味で、スレッタと同じ境遇の人物。

彼の末路はスレッタがこのままだと辿ってしまうバッドエンドの暗喩でもある。

 

スレッタは、運命の双子ともいえた4号くんの不在にいつか気がついてくれるだろうか。

気がつけた時が、「お母さんに教わらなかったんですか」っていう刷り込みから脱却する時なんだろうけど。

 

水星の魔女は、親と子の確執の構図が豊富で面白いね。

スレッタと母、ミオリネと父、グエルと父。

 

スレッタの母プロスペラはびっくりするほど毒な親。

娘に入念に洗脳している、というかあえて人格を未熟なままであるよう抑圧している。

疑問を誤魔化し自分で考えることをさせない、愛情を盾に都合のいいほうに丸め込んで誘導する。怖い。

ただ、プロローグでは4歳の娘エリクトを抑圧する様子はなかったし、

エアリアルガンダム)と交信するとき4歳児くらいのシルエットがあらわれてるから、

これはエリクトの人格がエアリアルに吸収される事故があった可能性があるな。

で、17歳にしては挙動さえ幼いスレッタは一度人格や記憶が漂白されたエリクトなのか。

それともスレッタはエリクトのクローンか何かなのか。

デニングの老け感からは13年以上の時間経過を感じなくもないし。

プロスペラは愛娘エリクトのデータストームを人形スレッタに再度刷り込むつもりなのか。

その時、スレッタの人格はどうなってしまうのか。

上書きで消去されたらどーすんの?

二つの自我が衝突するかもしれんくね?

その場合、スレッタの方が母の誘導で消せるように調教されてるよな…。

 

プロスペラにとって、スレッタはあくまで娘の肉体、ハードであって、

娘と想ってる精神や記憶や人格、ソフトはエアリアルの中のエリクトなのではと思わせる。

 

そこがきっと、スレッタが母を疑い、反抗期を迎えるきっかけになるのではないか。

「お母さん、私の心は、スレッタは要らないの?」っていう。

 

でもまあ、スレッタ一人であの母を疑うのは無理だ。

条件愛に晒され続け、母の愛を失えば世界が終わるってくらい依存が深い。まだ引き剥がせない。

母の承認が無くとも、今の自分を愛し認められる支えが、

ミオリネかグエルか、親との確執を抱え、それを越えたキャラ達の助けが必要になるとは思う。

 

思うけど、ミオリネもグエルもメンタル大丈夫か・・・

ってなる地獄のような12話の展開ではあった。彼らの精神の立て直しが先だな。

2期きてもスレッタはしばらくあのままか~・・・。

洗脳幼児退行状態とでもいうような。エリクトみたいな無邪気な残虐だったな。

 

ともかくはよ2期。

それまで祝福を聞いていよう。

このPVはどう見てもスレッタが母の呪縛から自立する物語の示唆だよなあ。

エアリアルからスレッタに語りかけてるみたいな歌詞で、

4歳のエリクトが消えて、草生したエアリアルを背にして、スレッタが前に歩き出して。

過去と決別し、自分の人生を背負って歩いていける表情になってる。

緑に覆われた地球、ミオリネが行きたい地球で。

 


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一人モチを食う空気読めない幼さを強調される狸娘。ミオリネとの身長差もウテナみあるわあ。

 

 

体癖も意識しつつ見ていたが、

体癖はエニアグラムのような人間同士の関係性を見れるメソッドじゃないからな。

こういう人間関係の複雑さが主題な物語にはエニアグラムじゃないとと思って勉強のモチベ上げてく。

水星ぜんぶ見たら俺、体癖とエニアグラムの相関の記事に挑戦してみるんだ・・・(フラグ)

 

まず判りやすいのは、

ミオリネ 9種体癖 ツンデレをみたら9種とアタリをつけるべし。

初対面では警戒心が強いが、懐に入ると情が深い。完璧主義者っぽく、勘頼りに唐突な行動に出がち、でも往々にしてそれこそが最適解だったりする。

父親もおそらく同じく9種だ。子育てが厳しい、厳し過ぎる。

9種はああいう不器用で言葉が足りない指導者になりがちなのあるある。理想が高く一方通行気味。

 

 

シャディク 5種 ヘラヘラして威圧感がなく全方位に友好的、利に聡い裏切者。

ミオリネに告白できないとか、ここぞというときヘタレ。

養子か・・・、桐生冬芽も養子の策士でハダけ癖が…。

 

グエル 7種 俺がジャイアン〜ガキ大将は7種。

半ズボンに上着を肩にかけるだけというガキ大将スタイルがたいへん微笑ましい。

まさに反抗期真っ盛り。反抗期は捻れの時期でもある。親父に反抗して家出できて偉いねえ~。

スレッタに告白とか突飛なことをするのは8種なのか、ウテナオマージュなのか。

親父も同じく7種っぽいな~。俺に従え先手必勝の脳筋気質。

っていうかバラ園ならぬ菜園の前での花嫁への暴力、敗北からの家出して落ちぶれ、褐色娘好きのネタ枠愛されキャラとかやることなすこと西園寺ワカメがチラついて困るな君!

もしスレッタの褐色がアンシーのオマージュだったとしたら、

アンシーのお兄様絶対依存は最終話まで引っ張ったし、奴はウテナを後ろから刺したぞ・・・。

ウテナポジションのミオリネ頑張って・・・。ほんとに頑張って・・・。

 

 

それで、

ミオリネとグエルからして、親と子が同質ゆえの反発である可能性が浮上してきたが、

 

プロスペラとスレッタの体癖が全っ然わからない・・・。

 

抑圧が強いとわかりにくいんだよなあ。

のびのび生きるときの姿とか、人生に求めるものが見えないと。

 

うーん・・・。

 

プロスペラ、優しげに子を支配する圧の強さは10種っぽいかもしれないが・・・。10種は復讐に向かないよな。

スレッタ、友達が欲しいのがやりたいことリスト筆頭とか、どもりがち(副交感神経の緊張)、感受性は受信する方だから、もろもろで4種っぽいかもしれないが・・・?

 

いや、本音が見えるまで暫定としておこう。同質ではなさそうだな。

 

 

エラン4号・・・儚げな王子、マネキン、感情が見えないクールは4種かもな。

4号はスレッタと鏡写しの関係性だから、それも参考にしつつ。

ハッピーバースデー、君のことは報われるまで忘れられない。

 

あ、姫宮アンシーも人形のように感情が見えないクールで4種か~・・・。

そういえば終盤で実は魔女っていう設定がでてきたっけな。水星の、魔女・・・。

 

4種は自分の感情が曖昧で闘争に快が無い。

支配との対峙、自立の根拠になる感情のボルテージが弱そう。

どういう過程を辿るのか楽しみだ。

 

 

チュチュ

 

あ、チュチュのヘアスタイル斬新と思ってたけどそういう・・・?

 

まあ、どんどん符合する気もするけど、全部気のせいかもしれないし、

アンシーサイドからのストーリー展開としても新生ガンダムとしても水星の魔女は面白いから無問題!

 


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今見ても色褪せないオリジナリティでカッコいいのしゅごい。

 

洗脳を解こうと母プロスペラと対峙して、スレッタに後ろから刺されるミオリネを見なくてはならないのだろうか。

鬱だけど、新しいウテナがまた観れるのだと思えば覚悟もつくというもの。

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体癖 - Wikipedia

 

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宝石の国100話感想 太陽系の終わりまで

宝石の国(12) 特装版 (アフタヌーンコミックス)

表紙にもタンポポ咲いてるなあ。

1話から要所でふわふわしてた綿毛、あれが開花したということは・・・?

 

宝石の国、100話100時間無料きてるぞ~のりこめー^^

 

宝石の国 - 市川春子 / 第百話 調和 | コミックDAYS

3月1日(水)午前4時まで。

 

 

連載再開の96話はまだ「読む地獄」とまで言わしめる鬱展開が全盛だったが、

 

今回の100話では、

やっとフォスが気がつくべきことに気がついて、

心情や成長といった面ではひとつ決着がついた感があるので、

今から読む人にもおすすめできる区切りだと思う。自分的には。

 

この先の内容は既読者を想定して、全ネタバレ含むとする。

 

 

 

 

 

 

100話。

 

っていうか、「宝石の国」終わって「岩石の国」が始まってるんだけど・・・?

 

っていうか、「遠ざかりながら終わりの光を放つ白色矮星」って太陽のこと・・・?

 

宇宙が終焉を迎える時に唯一残される天体「白色矮星」および「黒色矮星」とは? - GIGAZINE

 

太陽の寿命は約100億年とされ、今は50億年過ぎてるくらいで、

弥勒菩薩があらわれるまでの時は56億七千万年後ということだったから、

 

まあ、太陽が白色矮星になっててもおかしくはないくらいの時間が経ったということも・・・、

 

あ、でもまだ四季や朝夜が巡ってるから違うのか?

虫や植物もまだ生育できる環境みたいだし、太陽は恒星として健在ぽいか。

 

ただまあ、300歳の生や3000歳の寿命や10000年の孤独を相対化できるほどの時間のスケールをうちだしてきたなーって感じではある。

 

一万年の独り反省会強要は酷いと思ったけど、

それもどーでもよくなるくらいの永い時間感覚の生命体になってんなあ、みたいな。

百年も一瞬も変わりませんけど?みたいな。

 

界隈の予想では108話、仏教でいう煩悩の数の話数で完結するのではとされるが、

このノリで後8話もナニをするのか全く見当もつかない。素晴らしい。ブッ飛んでる。

天才のソレをリアルタイムで読める世代で幸福だ。

 

 

 

96話までの感想記事。

inspiration.hateblo.jp

 

以前予想した博物誌を書くという展開ではなかったけど、

フォスは自分の問題に気がつくことができた。

 

フォスには「みんなに愛されたい」という願い、承認欲求があったわけだけど。

 

金剛先生は壊れながらも揺るぎなくフォスに愛情を示していたのに、フォスがそれに満足することは無かった。

宝石達はみんな善い子で、アンタークもパパラチアもアメシストもジェードも、

手のかかる末っ子としてそのままのフォスに信愛をもって接してくれたのに、

フォスがそれに満足することは無かった。

 

問題は周囲ではなくて、フォスの方にあったのだ。

穴の空いた器にいくら水を注いでも満たされることが無いように、

いくら愛情を注いでも、まずフォスが自分自身を愛していないことにはその渇きは癒えない。

 

あるがままの自分を愛してなくて、自信がなくて、

だから特別になろう変わろうとした。

 

変わりたいと望みながら、

目の前の自分の仕事をして自分に向き合うことはせず、

先生の秘密を探ることや先生に自分の望みを叶えさせることに躍起になった。

 

自分の心を変えようとせず、他人を変えようとし続けた。

他者に与えられる完璧な愛という幻想を追い、

自力でなく、他力に縋り続けたわけだ。

 

誰もがヤベーどーすんだコイツと思ったまま突っ走り続け、

95話でフォスは金剛を破壊し、

そして金剛の後継となった。

 

あ~、これはあれだねー。

 

支配者を打倒すると、支配を軸に関係性が逆転するっていう。

進撃でもハウルでも紹介した、よく見る神話的元型。父子の物語。

 

人の心理的発達の段階として、

まず親や庇護者に守られ導かれることを受容している段階がある。

幼児期、親は子にとって神に等しい世界の全てだ。幼い子は無条件に親を愛し、愛されようとする。

全寮制学園(ギムナジウム)もののような雰囲気の宝石の国では、

十代の少年少女の姿である宝石達は唯一の先生を全面的に愛し信じている。

 

ギムナジウム (ぎむなじうむ)とは【ピクシブ百科事典】

 

しかしいずれ成長と自立のための反抗期がくる。

フォスだけがその段階を迎え、先生のやり方に疑問をもち反抗する。

 

反抗期は誰にでもくる。

 

親に愛されてるかを試し、親が従うに値するかを試し、親に自分の力を示そうとする。

 

反抗の段階、対峙の段階、対決の段階があり、

 

リアルでは多くの場合、通過儀礼としての精神的親殺しを経て、子は自立を獲得するわけだが。

 

まあ、物語上では子が親を弑するという描写もよくある。

 

勇者が王様の導きで冒険の旅に出て、仲間を得て成長し、そして魔王を倒す。

そんな類型だ。

 

王様は表の顔、魔王は裏の顔、それは親の庇護と支配の両面性の表現であり。

 

そして、多くの物語では頁の外のことだけれど、

魔王を倒して凱旋した勇者は王ともなり、いずれ魔王ともなる。なるしかない。

 

 

家長である父親を打倒した息子は、それまで父親が率いていた共同体に責任が発生し、新しい方針を示すリーダーであることを求められるのだ。

 

唯一の先生を打倒したフォスは、その玉座に今度は自分が坐すことになる。

 

壊れていた先生が果たせなかったこと、求められていたことを、フォスが代わりに叶えてやることになる。

 

という流れは、心情の地獄さはともかくとして、物語の構成としては納得いくものだった。

 

 

金剛先生を壊した時のフォスは、七宝すべてを取り込んで先生と変わらない体格まで大きくなり、幼かった顔も青年のそれとなり、

 

まあ、言ったら、エクメアと金剛、閻魔と地蔵菩薩、そしてフォスこと弥勒菩薩がだいたい同じ顔だと描かれていて、

魔王と王様と次代の王、月の王と、宝石の王と、三族の王。

同位の存在、皆がひれ伏し加護を乞う共同体の頂点と描かれているようではある。

 

ただ、支配者を打倒すると自分が支配者に成る、悪政を革命した指導者がそのまま国を導く、というのはループであって解決ではない。

 

権力は必ず腐敗し、息子はかつて倒した父によく似た存在となり、次代の勇者、己の子に糾弾されるを繰り返す交代劇に過ぎない。

 

ところが。

100話で、そのループ、いくつもの負の連鎖を断ち切った場面があった。

 

地上でただひとり永い時を過ごすフォスは、かつての金剛と同じ悲しみを負った姿なわけだが、

 

機械であった金剛が、最初の宝石レッドダイヤモンドに出会ったように。

七宝の宝石フォスは、最初の岩石生命体に出会う。

 

金剛はレッドダイヤの身体を自分に近いものに整え、名を与え、言語や教育を施した。

フォスもそうしようと岩石に「動ける身体に、ものが見えるようにしてあげましょう」と語りかけるが、

 

岩石生命体はそれを断る。

いや大丈夫、ひとつも不満はないよ、僕は自分がこれでいいと自信があるよ」と発する。

 

んあー!それ!

 

金剛にもフォスにも足りなかったのはー!それ!

 

なにこの石ころったら、顔も名前も無いのに推せる!スゲー偉大!いいやつ!

 

そう、金剛はね。人間の語彙や文化を教えちゃったから。

人間の残滓に含まれた毒で宝石はメンタル病みがちになったよね。

服も白粉も剣も学校も、本来宝石の生態には必要なかったのに。

愛する者に間違った教育を与えた、その過ちが金剛を苦しめ続けた。

 

まずフォスは金剛と違って、取り込んだ構成物と話せる特技あっから。

何遍も割れてどっかで石くらい巻き込んだかもしんないし、

石ころの言いたいこともなんとく解るからね!

 

フォスは石ころの体をいじらず、

「あなたに聞かせるべきことを何ももっていません」と言った。

沈黙し、人の業、負の連鎖を断つことを選んだ。

人と石の橋渡しをしなかった、と言うなら、博士の「橋を燃やして」を実行したのか。

 

そして、語るかわりに、石ころの歌を聞くことにしたのだ。

 

きっと金剛もそうすべきだった。

干渉し、指導者として振る舞うのではなく、

優しくて純粋な宝石達が、彼ら自身がなにを始めるのか、ただそっと見守っていれば、こんなことには・・・!

 

いやまあ、月人がうるせーし、愛の装甲とかいう魅了機能がジャマだから、無理だったか。

 

三族の遺恨を更地にしたフォスが過ちを繰り返さなかっただけで御の字。

 

そして「自分がこれでいいと自信があるよ」っていう、ナチュラルな自分への肯定。

自らの内にあったと気づく愛は、渾々と湧く源泉であり無限へのポータル。

それが他力本願の先、自力救済の本質。

それが、ずっとフォスに足りなかったものだ。

 

不器用で脆かったフォスフォフィライトは、ずっと自分を変え続け、強くなり続け、知ることを求め続け、しかし決して満たされることは無かった。

 

なのに動けもしないし見えもしない、

なんなら初期フォスよりずっと何もできない石ころが、

あるがままの自分を愛し、世界と響き合って歌って、ただ満ち足りているっていう。

 

 

 

嗚呼。

 

 

そうだね・・・。

宝石の国には、フォスよりダメな子っていなかったもんね・・・。

美形有能しかいないもんね・・・。

だから、自分を愛するためには、誰かより何かで優れていなくてはと思ってしまったら、その間違いに気がつける見本が無いかもね・・・。

 

もうそうなったら虫とか花とか、

それこそ、石ころから学ぶしかないってことだったのか~。

 

まあ、確かにいつでも気がつけた。

花も虫も石も、空も雲も海も風も、いつでもそこに在ったのだから。

 

ただ、見えなかったのだ。

先生と、二十余名の仲間と、アドミラビリスと月人と、

同じ形で言葉を交わせる関係性の狭い世界しか、見えていなかった。

 

そういうことって、ほんっとによくある。

誰もがハマる罠であり、多くの人が苦しみもがき、いつか越えてゆくことの、普遍性の物語。

 

99話「始まり」100話「調和」、スゲーいい話だったな。

 

98話めまでの地獄の読み心地がかなり救済された。

 

もうエクメアの冷酷も月人の他力本願もカンゴームの塩対応も自分的にはだいたい許せたわ~。

 

えっ。ここから8話もマジで何すんの・・・??

 

石ころとたすたすとぱたぱたで岩石の国・・・?

七宝の俺が転生したら石だった件…?

 

いや、あと気になるのは

ユーク「フォスのために何かできることは無いの?」

金剛&閻魔「ある」かなあ。

 

一万年、ただパーチーして救済のときを待ってただけじゃなくて、

フォスのためになんかしてくれてたのかは気になる。

 

月に行ってみたら皆からの伝言があったりしたら嬉しいかもしれない。

月の裏側なら地球から見えないから、まだ気がついてないのかも。

 

シンシャ「練習のための小さなパーティーのための花飾り。」

本番の大きなパーティーとは何の催しだったのか。

フォス慰労会謝恩会の可能性もワンチャンねえかな。

シンシャの花飾りは、月に残ってないだろうか。

 

アンタークからフォスにも、こう・・・なにか一言でもいいから欲しい・・・。

シンシャはみんな解ってて「ありがとう」まで言ってたから、まあ諦めもつくけど、

アンタークとフォスがあの雪原での別れのままでは心に刺さった棘過ぎる。

 

個人的にはエクメアの土下座像でもつくっておいて欲しいね!

多数のために少数を犠牲にするのは為政者として正義なのはわかるが、それは正解でも本質的解決でもない。

フォスひとりにぜーんぶおしつけて自分は嫁とイチャコラしよってからにやはり許すまじ。

 

あと、アユム博士の「渡ったら橋を燃やして」の顔がホラー過ぎて、なんか他にも不穏な意味あるかもな気がしてりゅ。

 

アユム博士が口づけた、フォスの額もなんかこう、

円が欠けたようなフォルムなのが意味深だ。

 

なにか呪いというか、円満でない欠けたものがまだあるのではないかと想起させる。

 

ってか、ほんとにあと8話あるかどうかも噂に過ぎないけど。

 

この結末なら、あの3Dの制作オレンジでアニメ化されたら喜んで観ます。オナシャス!

こうなると黒澤ともよがどんだけ声を低くしていけるかも重要だな・・・。

男性声優・・・いやそれはない・・・、田村睦心村瀬歩くらいにしておくべきだったか・・・。

エフェクトで低めに加工するとかかなぁ。割れて痛ましい姿には意外と合うかも。

 


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この図説、SF設定集としてほんと面白い。

 

 

 

 

 

 

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